【偏食】「食べるものしかお弁当にいれないなんて。お母さんはがんばるべき」は古い。
\子育てにあたらしい選択肢を/
育児法を学んでももうまくいかず育児ストレスが高いママやパパが、マインドフルネスで自分のまんまで子育てを楽しめるように活動しています。臨床心理士・公認心理師小林ふみこです。
「偏食の子が食べるものしかお弁当にいれないなんて。もっとお母さんはがんばるべき。食べなくても食卓に出さなきゃ」って言葉、たまに幼稚園巡回相談のとき耳にします。
そんな言葉を受けたとき、わたしも耳が痛いのです。直接言われたお母さんはどう考えたらいいのか書いてみました。
ほんとうにがんばりたいママはがんばっていいと思うんですよ。でも、このような正論を言われて、ひどく落ち込んだり憤慨したりするとき、ちょっとでも楽になったらと思って書いています。
支援者は偏食指導を大切にするのは当然だけど
幼い頃から慣れ親しんだ味覚。
大人になったとき選ぶ食べ物にもなるから。
良質なものを食べてほしいと思うのは、
日本人として正論だと思います。
偏食の子が、なんで食べないのか、知ることは支援に必要です。
・場所?
・におい?
・触感?
・いろ?
・その他のこだわり?
それらを繊細に理解し支援に組み入れることは、療育や教育的に大事です。
ただ、その熱量を家庭にもとめていいのでしょうか。
もし、人が群れで子育てをするなら??
アフリカのことわざに
「子どもは群れで育てましょう」とあるそうです。
それだけ、人間の子どもを大きくさせるのは大変なのです。しかし、現代社会では、子どもは個で育てるのが一般的です。
もし群れで料理をするなら…と考えてみたいです。
群れだったら、それぞれに作りたい料理、
なんなら料理が苦手ならお洗濯や掃除。
大人は選べるかもしれませんね。
Aおばさんが煮物を作っている。
Bママはピザパンを作っている。
子どもたちは、色々な料理を見て触れて、味見することもできるかもしれません。
料理中、危なくないように見守る大人。
片付けをしてくれる大人。
子どもを遊ばせてくれる大人もいるかもしれません。
個で育てる場合、それらを一手に担うのが、ワンオペのママとなります。
精神的な負担
肉体的な負担は非常に大きいです。
群れで育てていないママに、料理のレパートリーをもとめるのはきつい…というのが私の考えです。
産業革命、高度経済成長で手放してきたもの
イギリスでは産業革命で都市部に人が集まりました。
キッチンのない狭い部屋では料理もできず、
行商から手軽なご飯を買って暮らすようになったそうです。
日本の高度経済成長でも、同様に
レトルトなどの手軽な食品が多く出回るようになったそうです。
様々な国の歴史的にも、
伝統的に手間をかけた様々な料理は、社会の変容によって失われてきたようです。効率的な栄養の接種のため、サプリメントなども普及しました。
現代社会、群れで子どもを育てられなくなったことで、自然と失われることもあって当然かもしれません。
お母さんの優先順位
やることを一人でこなすお母さん。
・掃除
・洗濯
・ご飯
・子どもの遊び
・買い物
…
優先順位として、子どもと楽しく過ごす時間をもつことのほうが順位が高いかもしれません。
もしかしたら、
そんなエネルギーもなく、
日々、どうにか生きることかもしれません。
ご自分が、ごはんよりも何を優先にしているのか、
ご自身が気づいておくと、偏食のための正論指導をうけたときに
自分がどうしたいのか伝えられるのかもしれません。
幼稚園で子育て支援は必須なら給食を
幼稚園での子育て支援機能。
子育て支援機能が弱い場合は第三者委員会で指摘を受け、改善しますと書かれていることが多いです。
現代社会は変化し個育ての時代だから。
預かり保育や子育て相談などはするものとされています。
なら、幼稚園での子育て支援の一環で、給食…出しませんか!?
お母さんの温かな手料理というのは、家庭でOKな気がします。
それでもお弁当が必要なら、食べられる好物でOKな月1のお弁当の日でどうでしょう。
給食では、子どもが「えええ~><」というしぶい料理もふつうに出していく。これがよいと思うのです。
料理や食物そのものをただ感じる
料理を子どものために!!!!とがんばると続きません。
さらに、偏食で食べないとなるとなおさらです。
もう、がんばれない!!!となります。
提案として、
栄養の管理!!ではなく、
子どもに合わせよう!とかじゃなく。
ママ自身が楽しむため。ママ自身が楽しんでいるのをみせるための食事はどうでしょうか。
ママが好きなものをたらふく食べる!!とは少し違う提案です。
現代社会、さまざまなコンテンツがあり、
暇だと退屈してしまう生き物が人間です。
料理も退屈だから、テレビやアイパットを見ながらやりがち。
マルチタスクは、脳疲労の原因です。
料理そのものを感じてみるという提案。料理をマインドフルに五感を使って楽しんでみる時間を5分タイマーでしてみるのはどうでしょう。
料理の音、
料理のかおり、
料理の温度…
料理中の体の動き(重心の変化)
あんがい、面白いです。
また、料理がめんどうなら
キュウリやトマトをそのままかじる感覚。
スイカ、バナナ…。
素材そのものを五感で味わうのも面白いです。
忙しい現代社会の中、時間がとまったようなひとときをママ自身が
食物で味わってみるのがおススメです。
今日、あさイチで俳優の松重さんが、「落ち込んだらどうしますか?」という質問に、「ただ自然を感じること」を提案されていました。
「雨だから落ち葉を踏んだ音がいつもとちがうな」とか、そんな自然を感じているうちに、落ち込んでいた考え方から離れていくと。
料理の音を、ただ自然を感じることとして聴いていくとどうだろうか。
料理の味を、ただ味わうと、どうだろうか。
忙しくて無理でしょうか?
忙しい中にひとときに加えてみることで、料理や食物との関係をちょっと変えてみることを提案してみます。
まとめ
いかがでしたか?
「偏食の子が食べるものしかお弁当にいれないなんて。もっとお母さんはがんばるべき。食べなくても食卓に出さなきゃ」っていう正論を投げられたときに、どう考えたらいいのか書きました。
できないときは、優先順位の上位にないので、自分のなかの優先順位に気づいておくと、正論に飲み込まれないということ。
そして、
子どものために!!!!とがんばりすぎずに、むしろ自分自身が自然に自分でいるために、料理や食べ物をマインドフルに味わったら、それでいいのではという結論に達しました。
夏休みですね。
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筆者
小林ふみこ(臨床心理士・マインドフルネス)
2児の母。療育や発達支援の現場で約11年目。
特性のある息子に既存の発達支援のhow-toが立ち行かず苦悩する日々。
マインドフルネスに出会い、育児がすごく楽になりました。
この経験から、育児をがんばってもうまくいかないママやパパに
あたらしい選択肢があることを知ってほしい!子どもの施設に当たり前に
マインドフルネスが選択肢にある世の中にしたい!と活動しています。
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