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画聖と富士の山 〜京都〜

春の陽気に誘われて、京都国立博物館を訪問しました。

京阪電車七条駅から東へ徒歩7分ほど、三十三間堂の向い側にあります。

平成知新館

雪舟展ー「画聖(カリスマ)」の誕生ーが2024年5月26日(日)まで開催されています。

雪舟とは……
日本の室町時代に活躍した水墨画家・禅僧。
備中国(現在の岡山県総社市)生まれ。
京都相国寺で修行した後、大内氏の庇護を受け周防国に移り住みます。その後、遣明船に同乗して中国(明)に渡り、画法を学びました。帰国後、各地を旅して写生に努め中国画の模倣から脱し、独自の水墨画風を確立しました。

Wikipediaより抜粋
ロビー付近

この展覧会では、国宝に指定された雪舟の作品6点全てが公開されます。
その上、京都会場だけで、他には巡回しません。

こりゃ、見ない訳にはいきませんでしょ?

平日の11時頃というのに、なんとも絶妙な混み具合。
ご老人と外国人が目立ちます。

まあ、私もその内の一人なんですけどね。

秋冬山水図 雪舟筆
京都国立博物館HPより転載

先ず最初に展示されているのが、国宝の秋冬山水図でした。

「おおっ、どこかで見たことのある!」
それもそのはず、後に続く絵師達は雪舟の水墨画をお手本としていました。
そのため雪舟の画風から、多かれ少なかれ影響を受けています。

私の好きな長谷川等伯は、雪舟の後継者を名乗っていたぐらいです。
そう言えば等伯の松林図屏風の松の表現、どことなく似てますね。

展示を鑑賞していくと、雪舟は江戸時代から神格化されていったそうです。

その大きな役割を果たした人物が、江戸狩野の初期メンバー狩野探幽です。
狩野探幽の画風は狩野派にとどまらず、江戸時代全般の一つの流れを作りました。
が、探幽自身は雪舟を拠り所にしていたそうです。

富士三保清見寺図 伝雪舟筆 詹仲和賛
京都国立博物館HPより転載

雪舟が描いたと伝わる富士三保清見寺図をモチーフとして、江戸時代の有名な絵師達も描いており、何点か公開されていました。

富士三保清見寺図屏風 狩野山雪筆
京都国立博物館HPより転載
富士三保図屏風(左隻) 曾我蕭白筆
京都国立博物館HPより転載
駿州八部富士図 司馬江漢筆
京都国立博物館HPより転載

どうでしょうか?
似たような構図、雰囲気ながらもそれぞれ絵師のオリジナルが出ていて面白いですよね。

私の好みでは、どっしりとした雄大な富士に金の霞が掛かる、狩野山雪ですかねぇ。

最後に、特別展で見つけた私の推し絵を紹介しましょう。

国宝の天橋立図、日本三景の一つ天橋立の鳥瞰図です。

天橋立図 雪舟筆
京都国立博物館HPより転載

これ、木々が一本一本、建物も丁寧に描かれていて、雪舟の構成力と技術力の高さがわかります。

皆さんも是非本物をご覧になり、驚いてくださいね。

敬称略
2024年4月吉日
京都にて記す


詳しくコチラから……

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