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今回も医療関係のホームページから。 「リポート◎症例シリーズ研究で明らかになったこと日本の新型コロナVTE患者の臨床的特徴」

2021/02/18


TONOZUKAです。


リポート◎症例シリーズ研究で明らかになったこと
日本の新型コロナVTE患者の臨床的特徴



以下引用

 日本において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し、静脈血栓塞栓症(VTE)を発症した患者にはどのような特徴があるのか──。このクリニカルクエスチョンに答えを出すために行った症例シリーズ研究の結果、肥満である、入院中に人工呼吸器を必要とする、ICUを離れた後もVTEを発症する──などの臨床的特徴が明らかになった。

 症例シリーズ研究を行ったのは、桑名市総合医療センター(三重県)の山田典一氏および横浜南共済病院(神奈川県)の孟真氏らが率いる研究グループ「日本でのCOVID-19とVTEの実態調査タスクフォース」。今回の研究結果は2021年1月、Circulation Journal誌のオンライン版に掲載された。

 研究グループは、日本静脈学会と肺塞栓症研究会が行っているCOVID-19とVTEサーベイランスで報告される症例に着目。2020年3月から6月までに77医療機関から報告された1243例のCOVID-19入院患者のうち、VTEを発症した7例について症例データ研究を実施した。このうち5例について、カルテや患者背景およびフォローアップなどの情報を収集。日本における、COVID-19陽性で入院しVTEを発症した患者の臨床的特徴を明らかにした。

 症例シリーズ研究の対象となった5例は、年齢が54歳(中央値)で全員が男性だった。体重は87.7kg(中央値)、BMIは27.7kg/m2だった。また、全員に高血圧や糖尿病、脂質異常症などの併存症があった。
COVID-19重症化の指標となる入院時のD-ダイマーは、1.1μg/ mL(中央値、範囲:0.5–3.6μg / mL。基準値は1.0μg/mL未満)だった。VTEの一次予防として、未分画ヘパリンによる抗凝固療法が2人に処方されていた。入院中のCOVID-19による最悪時の重症度は、全員が人工呼吸器を必要とするレベルだった。ただ、体外式膜型人工肺(ECMO)治療を受けた患者はいなかった。COVID-19の治療法は、患者ごとに大きく異なり、シクレソニド、ファビピラビル、免疫グロブリン、ステロイドの使用が含まれていた。退院時の生存は4例、死亡は1例だった。


COVID-19のVTE患者はBMIが比較的高い

 研究グループは今回の症例シリーズ研究で明らかになった知見として、以下の3点を挙げている。

(1)COVID-19のVTE患者はBMIが比較的高い。
(2)5人の患者全員が入院中に人工呼吸器を必要とし、一部の患者は抗凝固薬による予防を行ったにもかかわらずVTEを発症した。
(3)一部の患者はICU以外の場所でVTEを発症し、診断に至った。

 抗凝固療法について研究グループは、適切な対象患者、予防用量や治療用量および抗凝固療法の期間など、COVID-19におけるVTE予防のための最適な治療戦略を、さらなる研究を通じて明らかにする必要があると指摘している。また、今回の症例シリーズ研究で、一般病棟や外来病棟を含め、ICU以外でVTEと診断された患者がいたことを強調。「臨床医は、COVID-19の患者がICUを離れた後でもVTEを発症する可能性があることを知っておく必要がある」と訴えている。




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