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#0016【マンション管理】修繕積立金の積立方法は均等積立方式と段階増額方式の2つ

分譲マンション(区分マンション)を取得すると、管理組合に管理費、修繕積立金を毎月徴収されます。区分マンションの場合、建物を単独で所有するわけでなく、管理組合の組合員として、これらの費用を負担することで、マンション全体の支払いに充てます。管理費は、管理組合の運営や設備の維持修繕(大規模修繕でなく小修繕)に必要な共用部分の経常的な費用を支払う会計区分です。修繕積立金は、計画修繕や不足の事故その他特別の事由により必要とされる修繕等に備えて積立てる会計区分です。この修繕積立金の積み立て方法には2つの方法があります。説明したいと思います。

【均等積立方式】
これは長期修繕計画で計画された修繕工事費の累計額を計画期間内に積み立てる方式です。将来にわたって安定的な修繕積立金の積み立てを確保する観点からは、均等積立方式が望ましいと言われています。均等積立方式は、安定的な修繕積立金の積み立てが行えますが、修繕資金需要に関係なく均等額の積立金を徴収するため、多額の資金を管理する必要になります。管理会社の担当者による不正引き出しなど事故が起きていることからも多額の資金を保管する場合には、リスクがある点に留意が必要です。
均等積立方式は長期修繕計画から逆算して積み立てているので見直しが不要というわけではない点にも留意が必要です。マンションを取り巻く環境は常に変化しています。特に昨今の半導体不足、人手不足、原材料価格の高騰など様々な要因で当初、積み立てを必要とした額以上に工事にお金が必要ということはその時々の情勢によって変動する要素となります。

【段階積立方式】
これは当初の積立額を抑えて段階的に積立金の額を値上げする方式です。値上げを含み当初は安く設定しているのは、例えば、新築マンションの場合、分譲時に修繕積立金を高く設定してしまうとマンションを販売するときに月額の負担が多くなり販売活動に影響することがあるためです。新築マンションの場合は、新築当初は設備の故障はなく、修繕積立金を取り崩す機会は多くないと思います。従って、段階積立方式の方が実態にあっているとも言えます。しかし、段階積立方式の場合、毎月の徴収額を変更するために総会(集会)の決議をするにあたり、区分所有者間の合意形成がうまくできない場合には、修繕積立金が不足する事態が生じる可能性があります。マンションを取り巻く環境の変化に影響を受ける点は均等積立方式と同様です。

【最後に】
中古マンションを購入する場合は、増額後の修繕積立金の設定になっていることが多いと思いますが、戸数や共用部分の面積の割に積立額が少ない管理組合の場合には将来、修繕積立額の積み立て不足により大規模修繕工事の資金が不足するなどの事態が生じる点には留意が必要です。今回は修繕積立金の積み立て方式について均等積立方式と段階積立方式の2つを説明しました。最後までお読みいただきありがとうございました。

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