見出し画像

#0042【マンション管理】区分所有マンションにおける区分所有者の意思の反映方法

投資目的で区分所有マンションを取得した場合、キチンと毎月の家賃が回収されることが投資で所有する方の主な目的と考えられます。株式投資をする場合に例えれば、毎月の家賃の受取りは、いわば、配当金を受け取るようなものです。株式投資の場合にはその他に株主総会に株主として出席して総会の決議において議決権を行使することで、株式会社の最高意思決定機関である株主総会の議案に出資者としての意思を反映させることができます。区分所有マンションの場合、この株式会社の総会に相当するものが集会(総会)と呼ばれる会議です。区分所有者はこの集会(総会)に出席して議決権を行使して、自らの意思を反映する機会があります。今回はこの総会における議決権の行使について説明します。


【議決権の割合】

これは、マンションの場合は、各自の部屋の広さが違うので、部屋の広さに応じて議決権割合を設定するのがあるべき姿です。しかし、〇〇〇分の〇〇などと、部屋の広さによる議決割合を定めるとき計算が細かくなります。そこで部屋の広さに格差がない多くのマンションでは、住戸1つあたり1つの議決権としていることが多いと思います。では、住戸が複数人に共有されている場合はどうなるでしょうか?例えば、夫婦で共有している場合です。2票を持つわけではありません。そのため、共有の場合には、議決権の行使に関しては共有者を合わせて一組合員とみなすのが通常です。そして、都合よく1名を都度、選ばないようにあらかじめどちらが議決権を行使する者か総会前に届け出ることとされています。

【議決権の行使方法】

総会に出席して議決権を行使するのが通常のやり方です。しかし、総会は土日に開催されることが多く、出席できない方もいるものと考えます。そこで、欠席する方の議決権を反映させる方法として書面による行使と代理人による行使を認めている組合がほとんどです。管理規約上のそのように規定されているものと思います。
書面による議決行使は、議案ごとに賛成、反対を総会の前に事前に選択して返送する方法によっていることが多いと思います。デメリットしては議案の説明を聞かずに賛成、反対を総会の前に決めないといけない点です。
次に、代理人による行使です。代理人による行使は、代理人が総会に実際に出席して議決権を行使する方法です。本人が総会に出席しないという点では書面による議決行使と同じですが、代理人が本人に代わり議決権の行使を委ねる点で大きく異なります。この点、代理人の場合、代理人に誰でもなれてしまうと総会の場が荒れてしまう恐れがあることから、代理人の資格に制限を設けていることが多いと思います。特に制限が設けられていない組合もありますが、多くの組合では、同居する親族や、他の組合員など総会に区分所有者の意思が適切に反映させられる方に限定しています。ある総会では、親戚と名乗る方が総会に突然やってきたり、友人が代理人と称してやってきたことがあります。この場合は、代理人の資格があるかを確認するため、委任状の有無にて判断しました。しかし、委任状の提出もなく、自称代理人の場合は、総会に出席して議決権行使を認めるのは厳しいと考えます。個人的な見解ですが、真の区分所有者の方の1票と同じ1票を認めるのは少し違和感があります。

【まとめ】

今回は区分所有マンションにおける区分所有者の意思の反映方法を説明しました。割と多くの総会で、こういった基本的な事項が守られずに運営されているのを目にすることがあります。あいまいな知識で運営されている管理組合やそれを支援する管理会社には注意が必要です。マンションという資産を守る、資産価値を高めるうえで総会での意思表明は重要です。皆さんも機会があれば総会に参加し、議決権を行使してみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。よかったらお気軽にフォロー、スキを頂けますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?