「ゴールデンカムイ」聖地巡礼：阿寒湖編 2022/6/24-25
HIS北海道「アイヌ文化と北海道開拓の歴史を巡る旅」バスツアー初日の夜は阿寒湖へ。
バスの中で、アイヌの伝統舞踊のステージがあると聞いたので、「わ～！観てみたい！」と思い、ホテルから出ている送迎バスでアイヌコタンに向かいました。
⚠️【ネタバレあり】この投稿では「ゴールデンカムイ」本編の最終回まで内容に触れています。予めご了承ください。
⚠️【本編ページ数】この投稿の本編ページ数は、電子書籍のコミックスに準じています。1p単位で読んでいるので紙書籍とはズレが生じることもあると思いますが、予めご理解ください。
阿寒湖アイヌコタン
19時過ぎのアイヌコタンは、店の灯りがちらほらついているものの、わりと真っ暗。
メインストリートにはコタン（村）の守り神、コタンコㇿカムイのシマフクロウ🦉が迎えます。
コタンコㇿカムイは村を守護するカムイで 闇の奥から忍び寄る魔物を大声で怒鳴りつける
アシㇼパ
アイヌアートのギャラリー、オンネチセにもコタンコㇿカムイ。存在感がハンパないのでちょっと怖かった…🦉
阿寒湖のアイヌコタンは、伝統工芸を売っているお店やレストラン、ギャラリーなどがこんな感じで連なっています。お目当てのシアターは一番奥にあります。
ちなみに、夜はちょっと怖かったコタンも早朝はこんなに爽やか。早いお店は8時にはもう開いているそうです。
私の散歩は早朝すぎて、さすがに開いてなかった…。
お店、見てみたかったなぁ。
阿寒湖アイヌシアター イコㇿ
伝統舞踊のステージ、阿寒湖アイヌシアター イコㇿに到着。
チケットはホテルで買っておきました。
20時から古式舞踊、21時から「ロストカムイ」という古式舞踊×現代舞踊×デジタルアートというプログラム。
「どちらにしますか？」
私はどっちも観たかったので、通しチケットを買いました。通しだと少し割引になるようです。
ホテルにチェックインしてから、送迎バスの時間まで1時間なかったので、大急ぎで夕食ブッフェをかっこみ、シアターに向かいました。
ステージや客席は撮影禁止なので写真はないのですが、阿寒湖アイヌシアター イコㇿはとっても立派な施設でした！
正直、温泉街のエンタメだとなめてた自分をスチェンカばりに殴りたいです。
公演時間まで館内の写真を見て回ると、「あっ！これは！」
アシㇼパさんが踊っていた鶴の舞！
鶴の舞（サロルンリㇺセ） 釧路に伝わる踊り
この踊りで着物の裾をバサバサさせるのは「ホパラタ」といって 鶴はヒグマととても仲が悪くて 羽をバサバサして喧嘩するから ヒグマに会ったらホパラタすると逃げていくと言われてる
アシㇼパ
杉元の金塊を狙う理由を聞いたアシㇼパさんが、それ以上聞きたくないのか、自分の感情を認めたくなかったからなのか、急に「フン トリ フンチカㇷ゚」とバサバサ踊るシーン。
「ホパラタ」は12巻の目次ページや、姉畑支遁がしがみついたヒグマに「ホパラタだッ!!」ボファァァァァァと杉元が繰り出すも「全然効かねぇ」とドボンと湿原に落ちるシーンでも出てきます。19巻で白石と再会した杉元が流氷の上で「ホパラタだぁ‼︎ いっけええ‼︎」と叫ぶシーンでも出てきますね。
31巻 p249 最終回「大団円」でも、「地道な活動が役に立ったのかアイヌは自分たちの文化を先祖代々守り伝え受け継いでいった」のコマにもホパラタが描かれています。
全くの余談ですが・・・
「ゴールデンカムイ」12巻 p18 第111話「忘れ形見」で、姉畑支遁がヒグマの💩を腕にヌリッ、顔にヌリィ、「いざ行かんッ」ドドドォンと猟銃を肩に担ぐシーン、これは映画『コマンドー』へのオマージュです。
この予告編の23秒からの部分が、まさにそのシーンですので、ぜひ観てみてください。ナレーションは「勃起！」の二瓶鉄造でおなじみ、大塚明夫さんです。
「あれは嘘だ」「筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」「もちろんですプロですから」など、多くのネットミームを生み出した、日本語吹き替え映画の金字塔なので、ご存じの方も多いかと思います。
古式舞踊
アシㇼパさんが踊ったサロルンリㇺセ（鶴の舞）や、エムシリㇺセ （剣の舞）、ク リㇺセ（弓の舞）、フッタレ チュイ（女性の黒髪の踊り・松の木の踊り）などが観れます。
中でも嬉しかったのが、やっぱり鶴の舞！そして、女性の長い髪の毛をヘッドバンギングのように激しくリズミカルに振る黒髪の踊り！
フッタレ チュイ（女性の黒髪の踊り・松の木の踊り）は、阿寒に伝わっている女性の踊りで、大嵐の日に松の木の枝葉が前後左右に揺れ動く様子を長い黒髪で描いた踊りです。イオマンテなどの儀式の時に踊られます。
映画『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』『アイヌの結婚式』でも、大事な儀式のときの踊りとして出てきたた踊りが、実際に目の前で踊られていて、めちゃめちゃテンションあがりました！とても激しいので腰が心配になるほどです。真似したくなる踊りなのですが、年を考えてやめました・・・
ロストカムイ
阿寒湖アイヌシアター イコㇿに行ってみたいけど、時間の都合でどちらか1つしか観れないよ～という方には「ロストカムイ」をお勧めします。古式舞踊×現代舞踊×デジタルアートという全部乗せな公演、本当に素晴らしかった！！
冒頭でも言いましたが、温泉街のエンタメと侮っていたら腰抜かすほどのクオリティ！モダンダンスのダンサーさんすごかったなぁ・・・。演出サポートとナレーションは夏木マリ、音楽が斎藤ノブで、7.1chサラウンドのド迫力な音響に鳥肌が立ちます。私が宝くじを当てたら全世界巡業とかして広めたいくらいでした。
「ロストカムイ」のテーマとなっているホロケウカムイ（エゾオオカミ）。金カムファンにはおなじみの「カント オロワ ヤク ノ アランケプ シネプ カ イサム（天から役目なしに降ろされた物はひとつもない）」の解説。
この両手のひらを上に向ける美しい所作「オンカミ」は、公演中何度も見られました。
館内に貼られていたアイヌ語講座の中に「シㇼピㇼカ」が！
語感から何となく白石を思い浮かべてしまう言葉ですが
シㇼピㇼカ
目に見える様子（が）良い
天気が良いという意味でよく使われています
この日ずっと雨だったので、バスの中で添乗員さんが「シㇼピㇼカ クニネ」＝天気になあれ🌞というアイヌ語を教えてくださったことを思い出しました。
阿寒湖アイヌシアター イコㇿの公演は日程によって演目が違うそうですが、とにかく素晴らしいのでオススメです！館内のナレーションもめちゃイケボなので、ぜひ聞いてみてください。
湖畔の散策
翌朝は雨もあがってシㇼピㇼカ！🌞
宿泊したホテルの近くには、阿寒湖畔を散策できる遊歩道がありました。せっかくなので早起きして散策開始。昨夜暗いうちに訪れたアイヌコタンも、明るいところをパチリと撮影に行ってみました。
早朝は釣りを楽しむ人がたくさん見られました。スワンボートを見ながら尾形が獲ってきたオオハクチョウを思い出したり、アシㇼパさんの油まみれの口元を思い出したり・・・。
「ゴールデンカムイ」18巻 p22 第171話「樺太アイヌの刑罰」に出てきた阿寒湖の風景を、こっちの山かな～？あっちの山かな～？と、iPad miniをかざしてロケハンです。
山の形状から、ここが一番近いかな？と思った風景です。
ニュー阿寒ホテルを背にして右へ右へ。ボッケ遊歩道をず～っとひたすら歩いて行ったほうにありました。
ボッケ
「ゴールデンカムイ」12巻 p186 第120話「奇襲の音」に出てきたボッケが見たくて、ボッケ遊歩道をどこまでもどこまでもまっすぐ歩いていきました。
このあたりは泥火山という噴気孔が数か所あります
チカパシ気をつけて
「熱い」「煮えたぎる」という意味で 私たちは「ボッケ」と呼んでます
インカㇻマッ
谷垣「ボッキ」
チカパシ「ボッケだよ」
谷垣「え？」
チカパシ「ボッキじゃないよ」
谷垣「おっと・・・そうか ははは」「ボッキか・・・」
チカパシ「谷垣ニシパ？」
「旦那の遺影をそっと倒して、新しい相手に体を許す未亡人のような」夜を思い出していたのでしょうか谷垣は・・・🤣
ボッケと阿寒湖の様子を撮影してきました。
ボコボコ煮えたぎるというより、ポコポコしてるだけですが、周りは硫黄のような匂いがたちこめられていて、雪が降っても積もらないほどの地熱を放っているそうです。
ニュー阿寒ホテル
HIS北海道「アイヌ文化と北海道開拓の歴史を巡る旅」バスツアーには、宿泊ホテルが価格重視タイプと、ホテルランクアップタイプがあって、私が選んだのは価格重視タイプ。
初日の夜はニュー阿寒ホテルへ泊まりました。
は？
これが安い価格重視タイプ？と、たじろぐほど広い！
旅と言えばビジホばかりに泊まっている私にとって大変ゴージャスな温泉旅館でした。
しかもお部屋から阿寒湖が一望できるレイクビューです。
ブッフェ会場や大浴場に行くのにちょっと遠いくらいで、不便を感じるどころか、阿寒湖アイヌシアター イコㇿのチケットを買うときも丁寧に説明してくれたり、スタッフさんも親切で、とってもいいホテルでした。
ホテルにチェックインして、阿寒湖アイヌコタンまでの送迎バスが来るまで全然時間がない！という忙しさの中、夕食ブッフェをかっこんだんですが、種類も多くてヒンナすぎ！魚卵好きすぎて、すじこの小皿を2つもとってますね。カニ🦀も寿司🍣も食べてるし🤤
これは、早朝散策から戻って食べた朝のブッフェ。夕食とは全然違う品揃えで、私は海鮮丼を作ってモリモリ食べました。ヒンナヒンナ🤤
さいごに
このバスツアー自体がおかわりしたいほどいいツアーだったのですが、もしもう一度参加するとしたらホテル選び迷っちゃいますね。ランクアッププランに参加された方のレポを読むと、アイヌコタンに近いあかん遊久の里鶴雅も、アイヌアートのギャラリーがあって素晴らしい旅館のようでした。
阿寒湖アイヌコタンのお店も見てみたかったし、阿寒湖の散策もまたしてみたい。阿寒湖は「ゴールデンカムイ」聖地抜きでも、とってもいいところでした。
次回はツアー2日目、「網走監獄」編です！
つづき
「ゴールデンカムイ」聖地巡礼シリーズ
「ゴールデンカムイ」
🐻コミックス
「ゴールデンカムイ」は2022/7/19にいよいよ最終巻、31巻が発売になります。楽しみでもあり、寂しくもあり・・・。
🐻アニメ
アニメ第四期は2022年10月に放送予定！
🐻ゴールデンカムイ展
「ゴールデンカムイ展」は現在京都開催中！
今後は福岡、そして北海道へ凱旋と、順次開催予定ッ！
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