「ゴールデンカムイ」聖地巡礼:二風谷コタン編 2022/6/24
「ゴールデンカムイ」聖地巡礼、2日目。
初日の開拓の村編と札幌編はこちらから。
初日は個人旅行でしたが、2日目からはHIS北海道が主催するアイヌ文化と北海道開拓の歴史を巡る旅に参加しました。
⚠️【ネタバレあり】この投稿では「ゴールデンカムイ」本編の最終回まで内容に触れています。予めご了承ください。
⚠️【本編ページ数】この投稿の本編ページ数は、電子書籍のコミックスに準じています。1p単位で読んでいるので紙書籍とはズレが生じることもあると思いますが、予めご理解ください。
アイヌ文化と北海道開拓の歴史を巡る旅
昨年の無料公開をきっかけに「ゴールデンカムイ」沼にズブズブとハマった私。コロナが落ち着いたら北海道へ行きたい!と機会をうかがっていた私に、おあつらえ向きのツアーが発表されました。
こ、これは・・・!
おそらく大人の事情で「ゴールデンカムイ」のゴの字も書いてないけれど、明らかにターゲットはカムヲタ。土地勘も車の免許もない私にとって最適解のツアーです。
1日目の行程表
ツアー初日の行程表です。
私は札幌駅から参加。立派なバスに乗り込んで、1人2席使いで広々と過ごしやすいバス旅の始まりです。
途中、「スピナマラダ!」の舞台である苫小牧を通りました。ハスカップの名産地だそうですね。聖地巡礼中は、いろはすハスカップ味をよく飲みました。
鵡川というシシャモの名産地も通りました。シシャモといえばキラウㇱを思い出します。シシャモはアイヌ語ですが、実際の発音は少し違うんだそうです。
このように添乗員さんが長い移動の間、豊富な北海道の豆知識を披露してくださるので、とても興味深く、旅が豊かになりました。
二風谷コタン
チタタㇷ゚体験
二風谷コタンに到着。まずはチタタㇷ゚体験と昼食です。
MAPの下方にある二風谷生活館で、調理指導の貝澤美和子さんがさっそく材料やチタタㇷ゚のコツを教えてくださいます。
チタタㇷ゚指導
「ゴールデンカムイ」にはいろんな材料を用いたチタタㇷ゚(アイヌの伝統料理。たたき)が出てきますが、この日は豚のチタタㇷ゚。豚足や軟骨やタン(舌)、脳みその代わりにあたためたお豆腐を混ぜて叩いて混ぜて叩いて。ツアー参加者も手袋をはめて順番にチタタㇷ゚体験していきます。
ちょっとだけ撮影したので↑見てみてください。
「皆さん、チタタㇷ゚チタタㇷ゚言いながらやりたいんでしょ?」
一同大爆笑🤣
「正直言って、私たちそんなこと言いながら作ったことないですけどね」
貝澤美和子さん、本当にお話が上手くて面白いんですよね。
「ゴールデンカムイ」は読んだことないそうですが、以前はチタタㇷ゚を出してなかったそうで、漫画がヒットしてから出すようになったとのこと。「チタタㇷ゚」言いながらチタタㇷ゚したい金カムガチ勢がたくさん二風谷を訪れたんでしょうね。
本当はコタンのチセで昼食をとる予定だったらしいのですが、この日はあいにく強い雨だったため、そのまま二風谷生活館で食べることになりました。
メモをとらずにガッついてしまったので、細かいことは忘れてしまったのですが・・・このお皿の上の3品が調理場で作られたものです。
かぼちゃの中に入っている黒い実は「シケㇾペ」というきはだの木の実だそうで、胃薬代わりにもなるのだとか。甘酸っぱく、少し苦みもある独特の味で、私はこの料理が一番好きでした。
パンケーキは何だったっけな~。ちゃんと説明してくださったんですが、全く覚えてないや…😥手作りのあんこが挟んであってヒンナでした。
心尽くしのお弁当
調理場で作られた3品のほかに、貝澤雪子さんが作ってくださったお弁当をいただきました。
リアルフチの雪子さんは、普段はアットゥシを織る工芸作家さんなんだそうです。
このお弁当がもぉ〜ヒンナでヒンナで・・・!
ランチ中は美和子さんが一つ一つの料理や材料について説明してくださいました。全部美味しかったのですが、私は鹿焼肉、プクサ(行者にんにく)の漬物、平取名物のトマト🍅が好きでした。
何度も言うけど、美和子さんはホントにお話上手。
二風谷にお嫁にきてから、豚のお世話係を担当したけどとても可愛くて、お正月につぶすときは泣いてしまったんだそう。
「お食事中にこんな話ごめんなさいね・・・でもゴールデンカムイのファンだし、平気よね?」
一同大爆笑🤣
チタタㇷ゚は豚を使うことが多いけれど、一番好きなのは鮭だそうです。アシㇼパさんも「チタタㇷ゚の中のチタタㇷ゚!」と言ってましたね。あ、言ったのは杉元だったか😆
二風谷アイヌ文化博物館
昼食のあとは、時間まで自由行動。
私は二風谷アイヌ文化博物館へ向かいました。
高い天井のアーティスティックな美しいホール。
貝澤徹さん
入口には貝澤徹さんの作品が飾られています。以前、二風谷を訪れた時に、貝澤さんが制作されていたのがこの作品だったと、近くにいたツアー参加者さんが教えてくださいました。「はさみの表現が難しい」と。
札幌駅ミナパで見た貝澤徹さんのインタビューでもおっしゃっていましたが、「一皮むける」表現にフォーカスなさってるんでしょうね。
貝澤徹さんと言えば金カムファンにとって「キロランケのマキリ(小刀)を作った工芸家」として有名なので、この聖地巡礼レポの初回から普通に書いちゃってますが、ここで改めてご紹介。
野田サトル先生が依頼された際(2015年)のマキリは本当に真っ白ですね。「ゴールデンカムイ展」@東京会場で見たマキリは、年月が少し風格を加えていました。
チセ
膨大なアイヌ文化の軌跡の中で、まず目についたのが「チセ(家)」。
この旅の直前に、『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』『アイヌの結婚式』『チセ・アカラ~われらいえをつくる~』と3本の映画を観たばかりだったのです。3本とも「ゴールデンカムイで見たやつ・・・!」というアイヌ文化の実物を観られるとても興味深い作品で、中でもこの展示は『チセ・アカラ~われらいえをつくる~』そのもののキャプチャが使われていました。
映画『アイヌの結婚式』『チセ・アカラ~われらいえをつくる~』予告編
アイヌ文化の大切な道具たち
映画『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』にも登場する大切な儀式の道具たち。
映画『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』予告編
さまざまな儀式で必ず登場するのがこの「トゥキパスイ」
エカシ(長老)がこのトゥキパスイにお椀のお酒をつけてシャッシャッとかけるのをよく見ました。棒酒箸と書かれていますが、神様にお願いを伝えてくれる役割を担っていたとのこと。美しい彫刻が施されています。
マキリは小刀。女性用のマキリはメノコマキリ。アシㇼパさんやインカㇻマッが持っていたのがメノコマキリですね。タシロは山刀(なた)。タシロはアシㇼパさんのお祖父さんが使っていたものとして「ゴールデンカムイ展」に展示されていました。
「アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」」の表紙でアシㇼパさんも身に着けていたタマサイ(首飾り)
美しいアイヌ文様の刺繍を施された衣服たち。木綿のものは「カパㇻミㇷ゚」(薄い着物)、木の内皮の繊維を織った織物の服は「アットゥㇱ」と呼ばれているそうです。
ペカンペ
興奮してちゃんと説明読んでなかったんですが、この地方で採れる木の実の展示でしょうか。
あーっ!ペカンペだ!
「ゴールデンカムイ」12巻で塘路湖でアシㇼパさんが採っていた菱の実。
13巻では、対都丹庵士戦でアシㇼパさんが暗闇に放って活用していました。杉元が教えた忍者の撒菱(まきびし)の話を覚えてたのか・・・アシㇼパさん、おそろしい子・・・!
カムイチェプ
出口付近にあった大きな鮭のモニュメント。このデザインすごく気に入りました!
鮭といえば、アシㇼパさんもフチもカムイチェプ(神の魚)やシペ(本当の食べ物と呼んで特別に扱われていました。
鮭の皮で作った冬靴も展示されていました。
「ゴールデンカムイ」13巻でチタタㇷ゚の中のチタタㇷ゚の巻でアシㇼパさんが紹介していましたね。
膨大な資料でとても紹介しきれないのですが、これでも絞りに絞ってご紹介しました。二風谷アイヌ文化博物館は展示もおしゃれでとてもためになるので、ぜひ訪れてください。
平取町アイヌ文化情報センター
次に向かったのは、平取町アイヌ文化情報センター。アイヌアートのお土産を見に行きました。
入ってスグ左に書籍コーナーがあり、ここに野田サトル先生の色紙があります。
平取町アイヌ文化情報センターの色紙はレタㇻ!数々の色紙の中では異色ですね。つかまってるアシㇼパさんが凛々しくて可愛い。
関根真紀さん
ここで一目惚れして買ったのが関根真紀さんデザインのハンドタオルと巾着!真紀さんはこの旅の少し前まで大宮「まるまるひがしにほん」で開催された「二風谷アイヌ工芸品とびらとりの魅力」にいらしてたんですが、どうしても都合がつかず、行けなかったんです。ところがこの日、当のご本人がレジにいらしてご本人から買うことができたのでした!
グレーにブルーと白という渋いカラーリングの小さい巾着。ポーチや巾着に目がない私にとって大好物。今は旅行用にレンタルしているモバイルWi-Fi入れにしています。サイズ、ぴったり!
この今治タオルとコラボしたハンドタオル、一目惚れして2種とも自分用のお土産として買ったんですが、二風谷を離れてから「あ~友達にも買えばよかったな~」と激しく後悔。それから行く先々のお土産屋さんで必死で探すも、どこにも見つからず。
ツアーの参加者さんの中には地元北海道から参加されている方がいたので、その方にどこかで手に入らないか相談してみたところ、なんとその方がご自分用に買ったハンドタオルを譲ってくださったのです!
「しょっちゅう二風谷行くし、また近々行こうと思ってるから~」とさわやかに。お言葉に甘えて譲っていただきました。NAGIさん、その際はご親切にありがとうございました!本当に感謝感謝です。
ところが、代金を支払おうとしてレシートを捨ててしまっていたことに慌てる私。どう検索しても価格が出てこず、関根真紀さんご本人にお聞きしてなんとか解決したのでした。真紀さん、その節は…大変お手数をおかけいたしました。
ツアー参加者さんの中にはここで真紀さんにマキリの絵をトートバッグに描いていただいていた方も多かったですね!私もおかげで描いているところを見せていただきました。次回、機会があったら私も描いてもらいたい!
ショップにはお弁当を作ってくださった貝澤雪子さんの作品も!
チセ訪問
二風谷コタンの中には、たくさんのチセが建てられていて、2つのチセでアイヌアートの制作をしているから立ち寄り可能だったんです。
私が立ち寄ったチセでは花ゴザを編むための材料を作ってらして「どこから来たの?」と声をかけられました。
外は豪雨なのにチセの中はびくともせず。これだったらお昼もチセの中で食べれたのでは?
アシㇼパさんを抱っこしたフチが、灰にアイヌ文様を描いて教えてそうな囲炉裏でした。
チセだけでなく、アシㇼパさんが杉元と過ごすことが多かったクチャ(仮小屋)や、食べ物の貯蔵庫であるプ、子熊を飼っていたへぺㇾセッなど、「ゴールデンカムイ」本編で出てきた建物がたくさん見れて嬉しかったです。
北の工房つとむ
集合時間まであと少し、という残り時間で最後に寄ったのが北の工房つとむ。貝澤徹さんのお店で、入るなりご本人が「あなたたちもゴールデンカムイ(のファン)?」と聞きにきて、奥の工房に連れていってくれました。
前日、札幌駅のミナパでインタビュー映像を見たばかりの人と、翌日こんなにもあっさりお会いできるとは…!二風谷マジック!
工房では、野田サトル先生が徹さんに贈られたコミックスの表2サインページの大撮影会が開かれていました。私もご相伴にあずかって途中から参戦!最新刊(当時)30巻の鶴見中尉だけ載せますね。しかし顔がいい。
もう残り時間わずか!というところで慌てて買ったお土産たち。
まずは、博物館にあったカムイチェプがデザインされたバンダナ。何色もあったのですが、鮭っぽくオレンジにしました。
「それね~うちのオリジナルのデザイン。一つだけウィンクしてるから後で見つけて」と、徹さん。
見つけましたよ徹さん!かわいい~
これでお弁当包んで会社に持っていきます!
ポーチ狂いでがま口好きの私が、この文様のグッズを放っておけるはずもなく、いろんな種類があって迷ったのですがころんとした形が可愛いがま口にしました。
季節柄、塩タブレットを入れて持ち歩いています。
HIS北海道からのお土産
持ち時間いっぱいまで堪能した二風谷コタン。HIS北海道からのお土産で、アイヌ文様の可愛いアクキーと、復刻版の月寒あんぱんをいただきました。あんぱんは事前に予告されてたんですが、アクキー嬉しかったなァ!
さいごに
二風谷コタンは見どころたくさん!もし晴れだったら、あと1時間あったら、と無い物ねだりしてしまいますが、もう一度行ってみたい魅力的なコタンでした!
この後は、阿寒湖に移動。今夜の宿はニュー阿寒ホテルです。
つづき
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