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目を大きく見開いて-私は、サブリナ・カーペンターの歌に背中を押され-

先日、名古屋であったサブリナ・カーペンターのライブへ行きました。

サブリナ・カーペンター:普段アメリカで女優やシンガーとして活躍する、18歳。ディズニー・チャンネルドラマ「ガール・ミーツ・ワールド」でメインキャストに抜擢されたことで、日本のティーンからも人気を集めている。

彼女の歌を聴きながら文章を書いたり、お風呂に入ったりする時間はとても愛おしい。

ヨーロッパで撮った写真を眺めたり、次の旅について考えたりしながら聞くのも幸せ。

ブダペストにいたときも、彼女の歌を聴いていた。

ひとり旅ゆえの不安も、彼女に背中を押してもらうと、やわらいでいく。


とてつもない不安や焦燥感におそわれた時は、彼女の歌う「Eyes Wide Open」を聴く。

目を見開いて、歩み続けること。

自分の見る世界、進む道に自信を持つことは恥ずかしいことじゃない。

周りの目も冷たくて、孤独に感じることがあるけれど…


この曲があれば、しっかりと前を向きなおして、私の道を進んでゆける。そう、私史上最強の「コンフィデンス・ソング」

とてもお気に入りの曲だから、今回のライブでも聞きたくてしかたなかった。

歌う姿を見ることができたら、私は何を感じて、どう変わることができるんだろう…


サブリナ・カーペンターが「Eyes Wide Open」を披露したのは、ライブの中盤だった。

「We’ll Be the Star」と言う曲で、私たちはみんな星になれる、輝くことができると勇気づけてくれた後のこと。


イントロを聴いただけで、いろいろとこみあげてきた。

号泣したのは久しぶりのことで、彼女の歌が私の心をこじ開けたんだと、思い知る。


サブリナ・カーペンターの歌声が見透かしていた、私の不安。

サブリナ・カーペンターの歌声が見透かしていたのは、発達障害をカミングアウトしたことへの不安だった。

それは、これから起こりうる困難、何も見えない未来でもあった。


発達障害をカミングアウトして「隠す」という罪意識から逃れた。

無理して健常者ぶる必要もないし、注意欠陥障害に苦しむ自分を責め続けなくてもいい。一種の安らぎを得た。

それにはリスクも伴った。

誹謗中傷にさらされること、今持っている仕事をすべて失うこと、仕事を任せてもらえなくなること、二度とヨーロッパを訪れることができなくなること、一文無しになること…

あらゆるリスクを考えた。

にも拘わらず、あらゆるリスクに対して、ほんの少しの安らぎ以外は何も得ることができていない。

むしろ発達障害に対する世間の冷たさ、無知さを思い知る。

こんなにも、自分と異なる存在に対して心無い言葉を投げかけるのがまかり通っていたのだと。

自分の望む「発達障害をオープンにしたうえで、ライターとして生活をしていく」ということに、到底手が届きそうにない


現状、ライターとしての報酬だけでは、生活できていない。

発達障害を伝えると大半のクライアントは、私に仕事を頼まない。

これまでの実績に目を通す前に、障害者とは仕事ができないと言わんばかりに、音沙汰ナシになる。

これまでお付き合いのあるクライアントに愛想つかされないだけ、マシか。

この現実が、私に重くおおいかぶさっている。

発達障害を広く知ってもらうことを、誰も望んでいないんじゃないだろうか。
私はひとりで、悪あがきをしているだけなんだろうか


カミングアウトにデメリットはなかった…と言い聞かせるあまり、本当は不安でしかたなかった気持ちを、無理やり押し込んでいたのだ。

本当は不安なのに。

その不安を見透かされないように、また自分自身を偽っていたような気分だ。まさに、本末転倒。偽りたくないからカミングアウトしたのに…

そんな私の心に入り込んできたのが、本当の、サブリナの声だった。


彼女の歌声は、無理やり押し込んでいた不安を見透かしたように、響きわたる。

エッジの聞いた声に、酔いしれる。涙がどんどん、溢れてくる。

そして「神様だって助けてくれるだろうから、この大地に感謝しながら、目を見開いたままで歩み続ける。自分の道を作っていくためにも、視野を広げて自身を持つの…」という意味のサビの部分が、私の不安を見透かしたかのように語りかけてきた。

ただ、不安を見透かしただけじゃなかった。まるで自信を持たせるように、力強くも感じた。

だから、ずっと泣いていたんだ。その力強さに心がふるえて、どうしてもこらえきれなかったんだ。

「Eyes Wide Open」は、サブリナのこれまでを体現している。

幼いころからショービズ界にいて、ドラマでメインキャストの座につき、今は世界中でライブツアーを敢行するサブリナ・カーペンター。

計り知れないプレッシャーとも、不安とも生きてきた彼女だから、この歌詞にありったけのパワーを込められるのだと思う。

そして、ファンの背中を押す。

彼女自身、不安の中でも目を見開いて目をそらさなかったから、私の前で歌うことができている

18歳にして、すでに広い世界を見てきている。だけど彼女の世界は果てしなく広がり続けている。

サブリナ・カーペンターの未来が、とても、まぶしい。

視野を広げて歩み続けることは、間違いじゃない。
私が今やっていることは、間違いじゃない。


「Eyes Wide Open」を目の前で聴いて、私は、自分の選択に自信を持つことができた。


泣いてしまったのは、ホンネは不安で仕方なかったから。不安を見透かしたうえで、それを自身へと変えてくれた。曲が終わった後には、涙なんてなかった。

私だって、目を見開いて、知らないことを知っていきたい。世界は、計り知れない。
まだ行きたい国がある。会いたい人がいる。

霧がかかる中に、発達障害がデメリットにならない世界が広がっていると信じじたい。


未来を切り開くには、目を見開いたままでいい。おのずと、自分の道を作っていきながら、歩み続けることができる。


サブリナ・カーペンターの歌声に、今日も勇気づけられながら。

果てしない世界と可能性を目の当たりにした。サブリナ・カーペンター来日ライブレポート(2018年・名古屋)

Eyes Wide Open/Sabrina Carpenter

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