自己肯定感では前に進めない
巷では自己肯定感が大切と叫ばれているが、僕は納得できない。
少なくとも僕の場合、自分のありのままを受け入れ肯定する事は自分を動かすガソリンにならない。
必要なのは『自己受容感』だ。
つまり、現状の自分を受け入れた後に、肯定というプロセスを挟まず、次にどうするかを考える事だ。
この2つは似て非なる考え方だ。でも僕には「自分は今のままでいいんだよ。」と現状を肯定することはできない。それをしても次の一歩に進めない。
自己受容感が自分にとって大切だと感じる出来事があった。
大きな悲劇がなくても、予想外の出来事が続いたり、右も左もわからない環境にいたり、不安の種があると勝手にネガティヴな感情がアメーバのように増殖して落ち込む状態を欧州に来て3週間毎朝感じていた。
この状態になると行動量が減り無気力になり悪循環に陥るだけでなく、タチが悪いのは本当は少しずつ進捗していてもその軌跡なんて目に入らなくなり、冷静に現状分析しようとても頭が働かず、「自分で決めた事なんだから頑張らないと。」と鼓舞しても大した解決にもならず、余計に自分を苦しめる。
『頑張る』という言葉の罠にまさに沼っていた。
そんな時、3年前にコーチング領域で起業するために、JCF日本コーチ連盟に週末を使い半年間通っていた時のコーチの言葉を思い出した。
『あなたから人の悪口や環境への不満そういった言葉を沢山聞きたい。あなたはもっと自分の感情に素直に生きた方がいい。』
自分の感情と真っ向から戦って押さえ込もうとしても全部無駄だった。
自分は感情がジェットコースターのように、乱気流の中の飛行機のように上下前後左右斜めに激しく揺れることがある人間であることを忘れていた。
だから押さえ込むのを諦めた。
そしたら、涙が溢れた。
そして一気に心も身体も軽くなった。
落ち着いてきて思い出したのは、リクルート時代に口酸っぱく言われてきた
『数字が苦しい時こそ足を止めるな。動け。』というパワハラ発言言葉。
すぐに外に飛び出した。
食材を買いにスーパーに向かうと駐車場で何かがビタッと足にぶつかってきたので、目線を下げると、50€(円で8,000円くらい)がくるぶしに張り付いていた。
近くにいた白人に「拾ったけど、これはあなたの?」と聞いた。
「No. It's your lucky day today」
彼はたった一言だけ言い残して車でどこかに消えた。
思わず笑ってしまった。
「あの人にとっては僕のこんな1日がラッキーな日に写ってるのかよ…」
そしてニヤニヤが止まらなくなった。
「頑張るぞ」で乗り切れるときは、そのままに乗り切る。
無理な時はネガティヴな自分の心の声に耳を傾け気持ちを受け入れる。
そんな風に自分に都合よく生きていくことを決めた。
最後に中村天風さんとD・カーネギーさんの言葉を備忘録として残す。
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