養生三訓~体・心・家の中の人間関係をよくしていくことで健康になる
「養生訓」と言う本を書いた貝原益軒(かいばらえきけん)と言う人がいます。
江戸時代前期に活躍した儒学者ですが、医学にも精通していました。
貝原さんが示した養生には3つありました。
1 身養生
2 心養生
3 家養生
そして、この3つがそろわないと健康にはなりません。
体だけ丈夫でも、心だけ健康でもだめで、3つそろわないと、別のどこかがガタガタしてきて、健康状態ではいられないようです。
「心身」と言う言い方をするので、身養生と心養生は、何となくわかります。
ただ、家養生と聞いても、はじめは??でした。
「家の中がごたごたしていると、健康にならない」
と言い換えると、少しはイメージが湧いてきました。
「ごたごた」には大きくいって2種類あると思われます。
一つが家の中の整理整頓。
もう一つが家の中での人間関係がうまくいっているかどうか。
一つ目の整理整頓。
例えば、部屋にものがたくさんあり、散乱していたらどうでしょう。
「モノはメッセージを語る」
と言われます。
部屋にものがあふれているだけで、たくさんのメッセージが語りかけてきます。
「はやく捨ててよ」
「もっと、きれにしてよ」
「不潔じゃない」
「だらしない」・・・
自分では気づかないうちに、無意識レベルで、物を見た時点で、なんらかの「メッセージ」を受け、頭の中で「会話」してしまっています。
・これ、片付けなくちゃなあ・・・
・最近、使ってないよな・・・
・スマホ、充電しとかなきゃ・・・
・借りた本をかえさなきゃ・・・
だんだんと頭の中がいっぱいになりますし、「重たく」なります。
何か仕事や作業をしようと思っても、、物からのメッセージが入ってきているので、頭の中の「作業スペース」が小さくなり、効率が落ちます。
また、「自分自身との対話」時間も減ります。
常に、モノからのメッセージを受け、物と「会話」してしまっているからです。
自分との対話が減れば、自分が何をしたいのか、何が好きか、どうしたいのかなど、優先順位もくるってしまします。だんだんと心にゆとりもなくなり、「健康」から離れて行ってしまいます。
実際、私自身は、部屋に物が散乱していた時、「帰宅」時間が遅くなる経験をしました。
きっと、部屋の「重苦しさ」から逃げていたんだと思います。
逆に、途中になっていても、資料や本をもとの場所に戻したり、メモ用紙をノートに挟んだり転記したり、思い切って服などを処分したりして整理整頓をしたら、とてもすっきりしました。すると、部屋で過ごす時間も増えました。
心と周りの環境はつながっています。
「心は普段見ているもの(環境)に似てくる」と言われます。
整理整頓は、心の健康とも関係がありそうです。
二つ目に家の中での人間関係です。
夫婦、親子、パートナー。
似た者同士であったとしても、別人格の人間が同じ屋根の下で暮らすということは、大なり小なり価値観の違い、やり方の違い、習慣の違い・・・様々な違いと向き合うことになります。
その違いを許せない、あるいは、無理やりにでも「直そう」とする時に衝突が生まれます。喧嘩になります。
基本的に、分かり合う、同じ価値観になることは難しいです。まずありません。
「認め合う」「受け入れる」事が必要です。
では、どうすると受け入れやすいのか?
一つの考え方として、喧嘩になるのは「これは、自分の夫だ」「これは自分の妻だ」という誤解をなくすこと。
家族や身内など、近い存在だから「何を言ってもいい」と思うから、喧嘩につながります。しかし、仮に相手が「隣近所の男性・女性」だったらどうでしょう。
隣の人が、私たちのために給料を運んできてくれる・・・・もう、感謝しかありません。
隣の人が、食事を作ってくれる、家の中を掃除してくれる・・・もう感謝しかありません。
「他人」だったら、手を合わせんばかりに感謝するのに、相手を「夫婦」だと思うと、嫌みの一つも言ってしまいます。それは、「甘え」なのかもしれません。
「もともとは他人だったんだ」
と考えると、家族内のゴタゴタも少なくなるかもしれません。
ここからは、小林正観さんが書いていたこと、付け足しです。
世の中には「イライラさせる人」はいません。
実は、「イライラする人」が生まれることで、初めて「イライラさせる人」が登場します。
つまり、私自身がイライラしなかったら、「イライラさせる人」は生まれないことになります。
「嫌な事」「嫌な人」も全く同じです。私がそう思った瞬間に「嫌な事」「嫌な人」が目の前に出現したのです。
そう「決めつける」自分の心によって、そういう現象が生まれるのです。
たぶん、「現象が生まれる」は別の言い方でいえば「引き寄せる」だと思います。
また、話の例は「イライラ」「嫌な」ことでしたが、「幸せ」「いい人」「いいこと」に対しても同じことが言えます。私自身が「どう思うか」「どう決めるか」次第。
身養生、心養生、家養生。いつも、この3つを穏やかにおさめていきたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。
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