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読書記録⑮「踊る町工場 伝統産業とひとをつなぐ『能作』の秘密」

本の帯の文章から 抜粋
「儲けろ」「利益を出せ」を一切言わず、営業無し、社員教育なしで売り上げ10倍!これぞ富山の奇跡。
 社員15倍、見学者300倍の踊る町工場!!」

感想

社長である能作克治さんの経営方針は次の通りです。

能作の「しない」経営方針
・「儲け」を優先しない。楽しむことを優先する
・社員教育をしない。教えるのではなく、自分で気づかせる
・営業活動をしない。営業する側ではなく、営業される側になる
・同業他社と戦わない。競争ではなく、共創する。

「数字至上主義は、仕事をつまらなくする」
「原動力は、楽しむことです」
の言葉にも何度も頷きました。

目標設定を「誰が」行うかで随分と受け止め方が違います。
自分の中のワクワクする感覚から、「~してみたい」のために、いろいろとクリアする課題をあげていくのは、きっと「課題」と言っても、クリアすることがとても楽しいものになります。
やっていること自体が自分の好きなもの、興味があるものなど、熱中できる内容が多くなるからです。
 
しかし、自分の外から課される目標、いわゆる「ノルマ」はどうでしょうか?
 
特に、自分が考えたものではなく、外から課された(経営陣からの)ノルマならなおさらです。
何より、ノルマに追われると、「未来(ノルマ達成)のために、現在を犠牲にする生き方」になりやすいです。それ以外の事が目に入らなくなり、かえって、アイデアが枯渇したり、ヒントをつかみ損ねたり、悪循環になります。

さらに、ノルマ達成が目的になってしまうことで、自分達の都合で動きやすくなります。
相手、お客様の都合を考えての目標ではなく、自分達の数字さえ伸びればOKという自(社)の都合優先の考え方につながりやすくなるからです。
そんな時に、「不正」も起きます。

「能作」には、仕事を楽しむ考え方、ノウハウがたくさんあり、今のような大躍進につながっているんだなと思いました。

黒字体質にした6つの理由
1 技術を磨いて、製品の品質を高める
2 量産に向く生型鋳造でありながら、「多品種少量生産」を目指す
3 時間を大切にする(仕事に集中する時間を増やす)
4 勉強会、セミナー、カンファレンスに参加して「ネットワーク」を広げる
5 お客様の要望に100%応える
6 より多くの人を幸せにできる選択をする

資本主義社会は、「もっともっと」「さらによりよく」がキーワードです。
よく「前年比」が出されますが、毎年100%を超えるのは、かなり大変な事です。どこかで上昇しなくなる時が来ます。
売り上げなどの数値だけ見ていくと、きりがなくなります。
前年度達成した数字が、今年度は逆に、プレッシャーにすらなります。
目標の中に、数字以外の~例えば、価値、物語を提供するなど~内容を考えていく必要も出てきます。

「能作」は、若い職人や女性の管理職も多いそうですが、根本に人が大切され、自分たちのやる気を形にできる魅力があるからだと感じました
私は、一度工場見学にもいきましたが、もう一度行ってみたい魅力ある場所です。

著書情報

発行所   ダイヤモンド社
発行年月日 2019年10月9日
値段    1500円(税別)

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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