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義母(妻の母、曹洞宗)が亡くなったことで、御給仕をしています。毎朝、お茶(か水)と白ごはんとおかずを二品、御供えするのです。四十九日までは、精進料理です。
新たな経験は、新たな学び。
和食・野菜食大好きな田中弥三郎です。
鍼灸マッサージ師をしています。

精進料理。

精進するための、料理。

精進料理というと、肉や魚など動物性の食材を使わないと認識していましたが、やや違っていました。
煩悩を断ち切るために摂る食事なのだそうで、ニオイの強いネギ類(ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ)や香辛料(唐辛子や生姜など)も、不適だそうです。
といっても、宗派によっても認識が異なるようですので、参考までに留めています。

かつおだしも、ダメ。

和食の基本、ダシ。
その起源は精進料理にあると聞いた記憶があります。それも、シイタケのダシだったように思います。

っと思って確認がてらググってみたら、思いっきり違いました。古くは縄文時代だそうで、奈良時代にはかつおだしが使われていたようです。
調べてみてよかった。自戒を込めてそのままにしておきましょう。

で、かつおだしは動物性の食材ですので、精進料理には使えません。
でも、もうここだけは勘弁してください。
なるべく使わないようにするけど、便利やもん、かつおだしの素。めんつゆも。
あんまし縛りが厳しいと続けられませんし、続けようとしたら手を抜くことになりかねないし。
ということで、我が家ではかつおだしまではギリギリオッケー、トッピングのかつお節は不可としました。

精進料理って、縛りプレイ。

縛りプレイ、燃える。

精進料理というと、どこか難しく捉えていましたが、そこまででもなさそうです。
そもそも今ほど食材や調理器具も限られた中で提供されていた食事なので、この恵まれた時代ならハードルが下がっていて当たり前です。
ピッと押せば火がつき水が出る、調味料も豊富です。めちゃくちゃ恵まれています。
そう考えると、むしろ燃えてきました。いろいろやれることを考えて、試してみようという気になっています。
縛りプレイって、燃えますよね。自分で自分に制約をかけて、その中で工夫する。制約があったほうが、イノベーションって起きるんです。

とはいえ、ゴマが使えない。それがどうした。

精進料理の代表といえばゴマ豆腐をはじめとしたゴマ料理です。胡麻和えや利休汁など、頻繁に使われます。
だけど、妻はゴマのアレルギー体質です。少量のゴマがパラパラまぶしてあるくらいなら大丈夫ですか、ゴマ油を口にすると咳き込んでしまい、吐いてしまったこともありました。
ということで、ゴマの代わりに煎り大豆やピーナッツを使って料理しています。ゴマ油のかわりには、ナッツオイルを使うこともあります。
案外、どうにでもなるもんです。

結局、簡単な料理になる

精進料理のコースを提供するわけじゃないし。

私の認識していた精進料理って、
「湯葉を揚げてお肉に見立てて〜」みたいな、やたら手間のかかるものをイメージしていました。
だけどそれは、毎日の御給仕で出すものではなさそうです。
日々の食事と一緒で、季節のものを茹でるなり炒めるなりすれば、それでじゅうぶんな精進料理です。もちろん和え物や蒸し物、揚げ物に煮物に焼き物といくらでも調理法はあります。
 
何も難しいことはありません、シンプルに作ればそれでいいんだと認識が変わりました。
出すものに困ったら使えるようにと、フジッコのお豆さんを買い置きしましたが、今のところ使わずにやれています。
明日は何を作るか考えるのも、なかなか楽しいです。

これも精進料理でしょ

改めて色々考えてると、びっくりすることに気付きました。

「フライドポテトって、精進料理やん。」

ポテトチップスや柿の種は、原材料にアミノ酸とか魚介エキスとか書いてるのでちょっと微妙なところですが、基本的にイモや米にピーナッツです。
ポップコーンだって、バターを植物油に変えて塩味なら完全な精進料理。

うん、精進料理って難しくない。
今日つくったのは、ダイコンの炒め物とスナップエンドウを蒸しただけ。
里芋を蒸したり、グリルでシイタケを焼いたり、チンゲンサイを茹でて和えたり、高野豆腐を炊いたり。
毎日のオカズ作りと大差ないんですよ。
高野豆腐だって、御給仕のぶんだけ先に取り上げてから卵とじにできますしね。
四十九日まで、この調子なら大丈夫そうです。

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