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探せばどんな日だって


#大切にしている教え

私がいつも心がけている、というと高尚すぎますが、自分の性格でデフォルトの設定になっている「考え方」があります。

それはポジティブ、とか、悪い方向にとらない、ということ。

(これにも弊害があって、大丈夫ダイジョウブ、と言って、深く考えよく練り直すことをおざなりにすれば周囲から煙たがられるのですがそれはまた別の話として。)

以前の記事で、祖母から自己肯定感を授かったと書きましたが、ポジティブさはどこで拾い大事にしてきたのでしょう。
そう考える中で、揺るぎない一冊の絵本がありました。

かぜのひだあいすき
著 間所ひさこ
絵 いもとようこ

こちらです。
なお、私が初めて触れた、実家にある本は、「かぜのひのもっく」というタイトルでした。途中でタイトルが変更されたようです。こっちのタイトルも好きなんだけどな。

あらすじ

友達と紙飛行機を飛ばす約束をしていたこぐまのもっくは、その日の朝、風が強くて紙飛行機を飛ばせないことにがっかり。
落ち込むもっくにお母さんは、何か楽しいことが見つかるはず、といってもっくを送り出す。
待ち合わせ場所に着いたもっくと友達のこんちゃんは、やっぱり風が強くてがっかり。そこへ風に乗って飛ばされてきたのはーー

絵本ですので、その後はご推察の通り、風によってもたらされる楽しいことに気持ちが上書きされ、かぜのひのだあいすき!で締め括られます。

この絵本のよさは、ストーリーや、いもと先生の優しい絵はもちろん、その文章のリズムが心地よく響くところです。

もっくががっかりして起きる冒頭

あるあさ こぐまのもっくがめをさますと、まどのそとでは かぜがびゅうびゅうふきあれていました
あーあ ぼくかぜのひなんかだいっきらいだ

もっくはのろのろとおきあがって 
のろのろとふくをきがえました

かぜのひだあいすき 金の星社

この調子の心地よいリズムが全ページ。

この絵本、幼い頃は母にねだって何度も読んでもらいました。
何も怖いことが起こらず、優しい気持ちになれるので、幼い頃から大好きなんです。

年月が経ち、甥っ子姪っ子にプレゼントとして探し、実家の本は今、私の手元にあります。
自分の子供にも読み聞かせる中で、この心地よいリズムは幸福感さえ覚えました。

この本の中で一等好きなおかあさんの台詞。

さがせばどんなひでも、
楽しいことってみつかるものよ

かぜのひだあいすき  間所ひさこ

ここが大好きで。
もうこれは格言だし教えですよね。
いつのまにか自分の中にこの考え方が刷り込まれている気がします。

もちろんいつもいつもポジティブというわけには行きません。
些細なことでイラッとすることもあるし、落ち込むことだって多少はあります。

けれど見方を変えることで気持ちを切り替えたり、小さい楽しみを見つけることは、多少は上手な方だと思うのです。

溶け残った小さな味噌の塊が、子供のお椀から顔を出したり、切り損ねて繋がったままの長い昆布を引き上げても、当たりだよ!って言うのは、ささいな悪いことくらいならポジティブに考えることもできることを知って欲しいからです。
(とかいう建前。ごめんねw)

探せばどんな日だって楽しいことが見つかる。
探せばどんな人だっていいところが見つかる。

そんな風に、一面だけをみて判断しないように、できれば物事を俯瞰し、見えにくい角度から色々考えてみるということが、この本を起点として、出来るようになったと思うのです。

ネガティブな物事に、とにかく探して何かを見つけてみる、好奇心のようなわくわくを持って、向かい合いたいと考えられるのは、この本に出会えたからです。

これからも固定観念にとらわれず、腐らずいいところ探しをしていきたいと思います。

本当に素晴らしい本を産み出してくださりありがとうございます!

さて。
あれからもっくはかぜの日も好きになり、晴れの日はもちろん、きっと雨の日にもたくさんの楽しみを見つけたのでしょう。

もっくに教えて欲しい。
未だにポジティブに考えられない「曇りの日」のことを。

日差しは強くなく、雨もなく。
白いようなグレーのような空。もうじき雨が降る雲。
気持ちだけは下がってどんよりしちゃうやる気のない日の曇天。
そんな曇りの日の楽しみかたを。

ああ、そうか。
曇天は、ゴロゴロする日、かな。好きなお菓子と本で、ずっとゴロゴロしていい日。
それなら曇りの日も好きになれるかも。

でももっくのお母さんは悲しい顔をするかもなあ…( ´∀`)



余談ですが、私が絵本を探したとき、店頭はもちろん、どのネットでも売り切れでした。
ダメ元で、販売元の金の星社のホームページで問い合わせたところ、今のところ増刷の予定はないし在庫もないと。
ただ社の予備として数冊ならあるのでそれでよければいかがでしょうかといわれ即注文。

その対応の丁寧さと紳士さと、問い合わせフォームの色合いの暖かさがもう……推しにせざるを得ませんよ…金の星社さん…

贈る絵本に迷ったら、こちらを全力でおすすめします!

別件で問い合わせた講談社も大手なのにすごく丁寧で親切だったことも申し添えておきます( ´∀`)

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