里塚一平

町の小さな動物病院を開院しています。開院前から縁のあった猫2匹を引き取り、その後も縁が…

里塚一平

町の小さな動物病院を開院しています。開院前から縁のあった猫2匹を引き取り、その後も縁があった猫と暮らしています。 旅行の記事を書かれているクリエイターさんの記事や、自分の知らない分野の記事を読ませていただくのを楽しみにしています。

マガジン

  • 動物病院四方山話

    動物病院でのエピソードを猫のみぃちゃん目線で物語にしました

  • 動物のお医者さんシリーズ

    マンガ「動物のお医者さん」にちなんで、獣医学部の学生だった頃の思い出を綴ります

  • フーテンのトラさん

    みぃ物語(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語です

  • みぃ物語(みぃ出産編)

    動物病院で生活するようになった猫、みぃちゃん。一般家庭に保護され出産を経験し、その後動物病院で生活するまでをみぃちゃん目線で物語風に綴っています。

  • みぃ物語(動物病院編)

    動物病院で生活するようになった猫、みぃちゃん。みぃちゃんの目線から見た動物病院の生活を物語風に綴っています。

最近の記事

「動物病院四方山話」29(チャウチャウちゃう?)

私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 一平ちゃんが動物病院へ勤めて間もない頃。 出勤途中、遠くの方で散歩をしているワンちゃんがいた。 茶色くてモッコモコの子。 遠目なんだけど、ルンルン気分で楽しそうに歩いてる感じは伝わってくる。 んっ? チャウチャウ? さて、ここで関西弁あるある。 一平ちゃんがその子を見た時の頭の中の思考を再現してみるわね。 「あの子、チャウチャウ?」 「チ

    • 「動物病院四方山話」28(ヘビおばさん)

      私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 「キャー!」 なっ、何? 待合室から叫び声が聞こえるわ! どうしたのかしら? ちょうど手が空いていた副院長先生が待合室の方へ走って行った。 程なくして、誰も使っていない診察室に副院長先生が一人の女性を連れて入って来た。 んっ? 白いマフラーを巻いておられるのかしら? 私が住んでる我が家(実は入院室なんだけどね)からその診察室の中が、ガラ

      • ちょうど1年が経ちました

        ちょうど1年前の7月6日、note に初投稿させていただきました。 早いもので、1年が経ちました。 1年前は自分がSNSで発信する事なんて想像もしていなかったのですが、noteで色々な方の記事を読ませていただいているうちに、自分でも記事を書いてみようかな、と思うようになりました。 最初は、今は亡きネコの『みぃ』について色々書き溜めていたことがあったので、手を加えながら記事にしました。 その後は調子に乗って、色々と書かせていただくようになり・・・ おまけに私の妄想まで記

        • 「動物のお医者さん」05(イルカさんの心電図)

          大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 今回はマンガの内容にはあまり沿っていないかもしれません・・・ 前回はこちら 前回は動物園のお話し。 今回は水族館のお話し。 心電図を研究テーマの一つとしていた我が研究室。 以前、ばんえい競馬のばん馬の心電図をとりに行った事もあります。 今回は、当時出来た

        「動物病院四方山話」29(チャウチャウちゃう?)

        マガジン

        • 動物病院四方山話
          29本
        • 動物のお医者さんシリーズ
          7本
        • フーテンのトラさん
          10本
        • みぃ物語(みぃ出産編)
          10本
        • みぃ物語(動物病院編)
          13本

        記事

          「動物病院四方山話」27(頑張れコサギさん! 『番外編』)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 無事、動物園で保護していただく事ができたコサギちゃん。 一平ちゃんにはひとつ気になっていることがあるみたい。 コサギちゃんをあずかってもらった時、園長先生に 「せっかく来てくれたんだから、動物園の中を見ていくといいよ。」 と言っていただいて、喜んで見学させていただいた一平ちゃん。 その時は、とても良い方達にコサギちゃんを託すことができる安堵

          「動物病院四方山話」27(頑張れコサギさん! 『番外編』)

          「フーテンのトラさん」08(再び)

          「みぃ物語」(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「故郷に帰れて良かったわね、トラさん」 「で、故郷はどうだったの?」 「サクラちゃんには会えたの?」 「サクラか・・・」 「俺もサクラのことが一番気になってはいたんだけどな・・・」 再び 車のエンジン音が消えた。 神社に帰って来たのだ。 「着いたわよ、トラちゃん。」 と言って、お嬢さんが俺の入ったケージを持ち上げた。 ケージから外がのぞける。 懐かしい景色が目の前を流れていく。 俺はそんな

          「フーテンのトラさん」08(再び)

          「フーテンのトラさん」07(故郷)

          「みぃ物語」(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん、それでどうなったの?」 「おうちの人達は迎えに来てくれたの?」 「簡単には帰れない、とか何とか言ってたけど、どうしたの?」 「帰ったの?」 「帰らなかったの?」 「矢継ぎ早にうるさいなぁ。」 「ちょっと、落ち着けって。」 「今話してやるから。」 故郷 そうなんだよな。 俺も迷ったんだよ。 おばちゃんたちがまた戻ってきて、 「一緒に帰ろう」 って言われたらどうしようかってな。 それで

          「フーテンのトラさん」07(故郷)

          「フーテンのトラさん」06(再会)

          「みぃ物語」(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん。」 「トラさんが居たっていう漁港はトラさんの生まれ故郷に近いんでしょ?」 「どうして帰ろうと思わなかったの?」 「タマよ、お前は何にも分かっちゃいねぇな。」 「外で暮らす猫達には『秩序』ってもんがあるんだ。」 「一度その場所を出て行ったらな、そこには『新しい秩序』が生まれるんだ。」 「新しい秩序が生まれたらな、そこに再び入って行くって事はその秩序を乱すって事なんだよ。」 「へぇ、そんなも

          「フーテンのトラさん」06(再会)

          「動物のお医者さん」04(吹き矢)

          「動物のお医者さん」 大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 前回はこちら 大学と同じ市内には動物園、 となり街には日本海に面して水族館、 少し離れますが、太平洋側に出来たばかりの水族館(マリンパークニクス)がありました。 大学の附属病院はこれらの施設から動物たちの治療も依頼されていました。 イ

          「動物のお医者さん」04(吹き矢)

          「動物病院四方山話」26(頑張れコサギさん! 04 『元気でね!』)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら * * * 27日目 コサギちゃんは、しきりに自分で羽ばたくようになってきた。 これで、目が見えることが確認でたら自然界に帰れるかもしれない! そこで、またまたお友達のゲンちゃんパパと相談して新たなる作戦を考えました。 その名も 『コサギちゃんを自然に返そう作戦!』 以前「カワムツ」をくれたゲンちゃんパパ。 おうちにはまだカワムツがい

          「動物病院四方山話」26(頑張れコサギさん! 04 『元気でね!』)

          「動物病院四方山話」25(頑張れコサギさん! 03『 一歩ずつ一歩ずつ』)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら * * * 7日目 一週間が過ぎたわ。 朝起きた時には少しだけ「めまい」みたいな頭の動きが残っているんだけど、昼間はほとんど治まっているみたい。 昼間も起きて毛づくろいなんかをする時間も増えてきたみたいだし。 少しずつ動きが良くなってきたからなのか、体重が減ってきたわ。 360グラムまで。 一平ちゃんは流動食(整腸剤入り)は3ccを3回、

          「動物病院四方山話」25(頑張れコサギさん! 03『 一歩ずつ一歩ずつ』)

          「動物病院四方山話」24(頑張れコサギさん! 02 『少しずつ、少しずつ?』)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら コサギさんが入院したその日の夕方、再び病院の電話が鳴った。 「頭を打ったかもしれないと聞いたので、家の壁を調べたら何かがぶつかったような跡があったんです。」 保護していただいた方が心配して調べてくださったのね。 ・・・という事は、やっぱり頭を打った可能性が大きいって事ね。 優しい方に見つけてもらって良かったわね。 せっかくいい人に保護して

          「動物病院四方山話」24(頑張れコサギさん! 02 『少しずつ、少しずつ?』)

          「動物病院四方山」23(頑張れコサギさん! 01 『めまい?』)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 病院の電話が鳴った。 「家の庭で二日前から野鳥がずっと同じ場所にいて、じっとしていて動かないんです。」 「野鳥って、診てもらえますか?」 早速連れてきていただく事に。 ・・・二日間も同じ所でじっとしていたとはどういう事だろう? 昨日、うちの病院は休診日だった。 昨日他の病院に電話したが、診てもらえるところが見つからなかったらしい。 市役

          「動物病院四方山」23(頑張れコサギさん! 01 『めまい?』)

          「フーテンのトラさん」05(おいらが主役?)

          みぃ物語(「みぃ出産編」)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん、またお話し聞かせて!」 「タマよ、お前も懲りないねぇ。」 「いいじゃない、今日は暇なんだから。」 「何言ってるんだ、お前はいっつも暇じゃねぇか。」 「まぁいいや、俺も暇だからな。」 「あれはモミジの子もすっかり良くなって、赤い長靴も一安心してた頃かなぁ。」 「そんなある昼下がりのことなんだけどな。」 おいらが主役? なにやら真新しい作業を着て革靴を履いた人間が三人、港をうろついて

          「フーテンのトラさん」05(おいらが主役?)

          「フーテンのトラさん」04(小さなお寺)

          みぃ物語(「みぃ出産編」)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん。」 「その漁港にはしばらくいたんでしょ?」 「その頃の話をまた聞かせてよ。」 「タマ、お前もしつこいなぁ。」 「俺の話を聞いたって面白くも何ともねぇだろ。」 「あっ、そういえば」 「ちょっと切ない話を思い出しちまったな・・・」 小さなお寺 漁港から少し山の方へ行った所に小さなお寺があった。 いつの頃からかなぁ、夕方近くになるとそのお寺に行くのが俺の日課になってたんだ。 そのお寺の前

          「フーテンのトラさん」04(小さなお寺)

          「動物のお医者さん」03(○○学の試験)

          「動物のお医者さん」 大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 ちなみに、題名に「○○学」と付けたのは、一覧で表示される題名に「解剖」という、おどろおどろしい単語を書きたくなかっただけで深い意味はありません・・・ 前回はこちら 学生たちには頭が痛い季節がやってきました。 そうです、魔の「試験週間」

          「動物のお医者さん」03(○○学の試験)