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「動物のお医者さん」05(イルカさんの心電図)
大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。
当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。
今回はマンガの内容にはあまり沿っていないかもしれません・・・
前回はこちら
前回は動物園のお話し。
今回は水族館のお話し。
心電図を研究テーマの一つとしていた我が研究室。
以前、ばんえい競馬のばん馬の心電図をとりに行った事もあります。
今回は、当時出来たばかりの水族館へイルカの心電図をとりに行くことになったのです。
病気で診察の依頼で行く事になったのか、研究のために心電図をとらせていただきに行ったのか記憶が定かではないのですが・・・。
イルカと言えば、水族館のイルカショーの花形スター。
![](https://assets.st-note.com/img/1716891451172-Y3hZg9KSMD.jpg?width=1200)
真新しい施設のマリンパークニクス。
すっごく綺麗で施設もピッカピカでした。
いざ、イルカのプールへ。
大きなプールにみんな大好きイルカさんが悠々と泳いでいました。
多彩な技で私たちを魅了するイルカさん達。
この子達がイルカショーでみんなを楽しませてくれるんですね。
ドルフィントレーナーさんとの息もぴったり。
トレーナーさんが、
「イルカに触ってみます?」
おおーっ!
「いいんですか?」
里塚一行は興味津々。
早速触らせてもらうことに。
トレーナーさんの合図でイルカさん達がプールの縁に集まってきてくれました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717143519693-xVx0VV2hBb.jpg?width=1200)
遊んでくれるの?
「あんた達、誰?」
「何しに来たの?」
イルカたちも見知らぬ私たちに興味津々って感じでした。
すっごい可愛い目でこちらを見つめて、
「触りたいの?」
「いいよ、触らせてあげる。」
と言っているかのよう。
トレーナーさんのおかげでプールの縁に寄り添ってじっとしてくれていました。
「触らせてもらうね。」
なでなで・・・・。
おおっ!
んっ?
何だかビーチサンダルのゴムみたい。
・・・他に良いたとえが浮かばなかった里塚でした・・・
華やかなショーで披露するために色んな技を持っているイルカさん。
ショーの技以外にも必ず教えられている技(?)があるんです。
それは健康チェックをする時に必要な技(?)なのです。
健康チェックの時は、検査しやすいように特別な体勢になってもらう必要があるのです。
しかも検査が終わるまでそのままじっとしていてもらわないといけません。
例えば、
動物達の体温ってお尻の穴で測ることが多いんですね。
ちょっと気の毒なんですけど😅
イルカのお尻の穴って、尾びれの近くのお腹側にあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1717061409710-XWO2T2Ldvc.jpg?width=1200)
そのお尻に体温計を入れるためには、仰向けになってもらわないといけないのです。
プールの真ん中で仰向けになってもらってもダメなので、プールの縁に沿って仰向けになってもらう必要があります。
体温が計れるまで、お尻に体温計を入れてそのままの体勢をキープしてもらわなければなりません。
その時プールの縁からイルカさんが離れてしまうと、体温計を持っている人がプールの中に、
ボッチャーン!
って事になりかねません。
トレーナーさん達はそういったこともイルカさん達に教えておられるんですね。
流石は賢いイルカさん。
今回も、体温を測り終わるまでじっと仰向けになってくれていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717144308162-kmDALdX3BF.jpg)
いよいよ心電図をとることに。
心電図をとるには、電極をぺたぺた張り付けます。
電極を張り付けるのもお腹側。
心電図をとる時も仰向けの体勢です。
しかも、心電図をとっている間は動いてはいけません。
なるべく長い時間心電図を記録させてもらえると、得られる情報も多くなるのでありがたいのです。
「どのくらいこの体勢でいてもらえますか?」
先生がトレーナーさんに聞いていました。
「1分位でしたら全然余裕ですよ。」
「3分位まではやったことがありますが、多分それ以上じっとしてくれると思いますよ。」
だそうです。
「すごいですね、3分だなんて。」
「1分間じっとしていてくれるだけで十分です。」
先生も驚いておられたみたいです。
イルカさん達は心電図検査が終わるまで微動だにせずに仰向けで浮いていてくれたのです。
すごいですねぇ。
こうして無事心電図をとり終えた私達。
「ありがとうございました!」
撤収の準備を始めた時、
「皆さんもこの子達にお魚をあげてもらえますか?」
トレーナーさんがバケツに入った魚を持ってこられた。
「いいんですか?」
もう、我々はルンルン気分です。
するとトレーナーさんがなにやら錠剤やカプセルを魚の口の奥に詰め込み始めたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718499115772-pu89B3vhET.jpg?width=1200)
「なんですか?、それ」
「これですか?」
「この子達の栄養が偏らないように、魚の口の中にビタミン剤とか必要な薬を詰めて食べさせるんですよ。」
との事。
へぇ、魚だけあげていれば良いってものではないのですね。
栄養バランスをしっかり考えておられるんですね。
こうしてイルカさん達のご飯の準備が整い、いよいよご飯をあげる時が来ました。
「握手をした後に魚をあげてもらえますか?」
えっ?、トレーナーさんと握手?
いえいえ、違います。
トレーナーさんのイキなはからいで、
イルカさんとお別れの握手!
魚を持ってイルカさんに近づくと、ヒレを水面から出してくれるんです。
そのヒレに握手!
握手するとイルカさんが
「お魚ちょーだい」
って感じで口を開けたので、魚を口に入れてあげました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717145060546-ILcfevb2mm.jpg?width=1200)
おいしそうに魚を飲み込んだイルカさん。
(味わってる???)
でも、その時嬉しそうに笑ってくれた気がした里塚でした。
こうして一緒に行った人全員に握手までしてくれたイルカさん。
ありがとー!
帰り際にトレーナーさんが、
「この子達もいつもと違う人たちが来て何だか楽しそうでした。」
「今日はありがとうございました。」
って言ってくださったのですが、
いえいえ、とんでもないです!
こちらこそありがとうございました!
イルカさん!
トレーナーさん!
恐縮しきりで水族館を後にした里塚一行でした。
おわり
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