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【読書】自分のままでいることがそのまま誰かの力になる

優しい本に出逢った。
坂爪圭吾さんの著書
『やりたいことをやるために、好きなものを好きだと言うために、僕らは生まれてきたんだ。』

この本を読んで、その優しい言葉たちに何度も頷き、何度も勇気をもらった。

半年間の寝たきりの生活を送り、1ヶ月に20キロ太り、自殺願望に囚われて泣きながら月夜を歩き、4年間で4回ホームをレスした、そんな経験をもつ坂爪さん。

坂爪さんの言葉には、人間への愛が詰まっている。

 自分には何もないと思う時でも、自分の存在と、自分の体温は確実に残されている。自分はここにいる。自分はあなたと一緒にいる。自分はあなたを見守っている。特別な行為ではない「日常的な存在」が、人間を根底から支えることがある。自分には何もできていないとしても、生き続けることはできる。残された体温を伝えることはできる。
自分が嫌いなものではなく、自分が好きなものに使ってこその命だ。自分が自分のままでいるということが、そのまま、誰かの力になることがある。


4月から休職に入り、「肩書き」もなくなり、一人ぽつんと世界から取り残されたような気持ちになっていた。

私がいてもいなくても、世界はあたり前にまわっていく。
私が頑張ろうと頑張らなかろうと、世界はいつもどおりまわっていく。


その事実に最初は愕然とした。寂しかった。悲しかった。私って要らない存在なのかな?なんて悲観的になったりもした。

だけど、日が経つにつれてその考え方は少しずつ変化してきた。

「そうか。私が身を粉にして頑張らなくても、結局のところ大丈夫なんだ。だったら、私が本当に心の底から好きなこと、やりたいことをすればいいだけなのかもしれない」


これまでずっと、「自分が何をすべきか」を考えて生きてきた。

教育という道を選んだのも「自分が子どもたちを救うんだ!」という使命感がどこかにあった。

小学校の先生を退職して、新しい学校をつくるときも「このままじゃ教育がダメになる!私が変えるんだ!」という使命感があった。

心と身体が悲鳴を上げ続けていても、それを無視して「私がここで倒れたら、みんなが困る……」そう思って必死に働いてきた。


そうして今、無職になって、糸が切れた凧のようにふわふわと世界を漂っている。

世界はいつも通りまわっていた。
誰も、何も困っていない。


38年間、猪突猛進で生きてきて初めて、全身の力が抜けている。今、肩に乗せていた大荷物を少しずつ降ろしている。

「充実した日々」を求めて、いつも予定を詰め込んでいたスケジュール帳は今、なるべく予定を入れないものになった。

空いているスペースには、畑の水やりが入ったり、noteを書く時間が入ったり、新聞や本を読む時間が入ったりしている。

私が好きなことってなんだろう。
やりたいことって、なんだろう。

使命感ではなく、「ついやってしまうこと」の中にきっとそれは隠れているんだと思う。


「ついやってしまうこと」

読書、文章を書く、写真を撮る、畑仕事、……

「つい考えてしまうこと」

子育てに良い環境って?
我が子への親の声かけって?
学ぶ意欲が続くためにはどうしたらいいか?
生きる力が自然と育まれるためには?
みんなが優しい気持ちでいられる場所って?


自分が自然とやってしまうこと、考えてしまうことの中にきっとヒントはある。

これからもゆっくり、じっくりと自分の内側を見つめていこう。



道端で出逢ったやぎさんたち

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