<マーケットチェック>
株価
米国株はNYダウが40000ドルを達成した後、大幅に下落しました。下落の場面でも好決算を発表したNVIDIAの株価は強く、半導体株もNVIDIA以外は弱いといった形で一極集中が強まっています。
最近の米国株はPMIやCPIでかなり動いています。しばらく、マーケットは金利上昇方向のヘッドラインで一喜一憂する展開になりそうです。
最近米国の景気関連の指標はネガティブサプライズの連続で、PMIは久々のポジティブサプライズでしたが、相場の連想は「今景気強い→タカ派な金融政策維持する→将来的には景気鈍化」となっており、景気鈍化を織り込む様な物色傾向になっています。コモディティを除くシクリカル株も1Qの上昇からやや調整し始めています。
日本株に関しては、NVIDIAがない米国株といった感じで、逆風はしっかりと受けており感じです。米金利が上昇するのであれば、円金利上昇は続く可能性がります。円金利上昇は足元の利益が小さく、将来成長を見込んでいる高PER株のアンダーパフォームに繋がっている様です。あまりにも弱いので中小型株売りの大きなフローあるのではないかとの見方もありますが、バリュエーション修正の面もあるように見えます。
先日、コメントした中国株に関してはバリュエーション修正はだいぶ進んだので、ここからはファンダメンタルズが本当に回復するのかという事に焦点が当たりそうです。
金利
予想通り、じわじわと金利上昇は上昇し、1%を超えてきました。どうも、足元の金利を押し上げているのは国内勢の債券売りの様です。
これは日銀の国債買入減額への思惑と入札が不調に終わっていることなどが背景あるようです。
10年債は銀行中心の市場ですが、先行きの政策金利見通しと現在の長短金利スプレッドという2つの要素で投資判断が行うのが基本です。将来的な政策金利の上昇を踏まえると、足元の90bpという長短スプレッドはまだ不十分と判断されているのだと考えられます。
為替
日銀のスタンスは金融引き締め方向に動いており、日本は金利引上げ方向、米国は金利引き下げ方向という見方は変えていません。ただ、金利差は引き続き大きく、その幅は米国の動きの方が大きいわけです。介入に関しても、ややけん制する発言もある事から少し分かりにくくなってきています。
商品
商品は多少のアップダウンはあるものの、経済の好調さを現わしているかのような動きです。銅価格に関しては、ショートスクイーズが話題ですが、中国株との連動性が高いとされる現物価格も上昇しているので、中国景気回復が本当にあるのかに注目したいと思います。
<注目したニュース記事>
5/20日経 米国ファースト、ゆがむ円ドル相場 輸出の追い風不発
<河北コメント>
米国一強の象徴ともいえる米国ドル高は、関係国に様々な影響を及ぼしています。これに関しては、為替に関するトピックを今後も書いていくつもりです。この様に足元の動きを説明しただけではない分析に関しては、出来るだけ幅広く読んみ、考え方を理解しておくことが重要です。
5/20日経 再雇用の給与を現役並みに
<河北コメント>
私は人手不足のより賃金は上昇していくと言い続けていますが、正社員だけでなく非正規・女性・シニアといったこれまで賃金が抑えられてきた人たちの賃金が今後本格的に上昇していくと思います。
企業も彼らをどう囲い込んでいけるかが重要になってきます。
5/20日経 ドリル受注に見る景気