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『黒髪セミロング眼鏡っ娘』あとがき

 おはようございます、当方128です。
 前々職のコンビニ社員時代に出会った20代女性スタッフの話『黒髪セミロング眼鏡っ娘』全5話を投稿完了しました。連載形式でのエッセイという初の試みでしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 執筆中の連続小説が創作大賞の締切に間に合わず、代わりに何らかの形で『夏休み特別編』みたいな記事を投稿したい、でも仕事は絶賛デスマ中で執筆に時間をかけられない、そこで昔のブログ記事を再編集する形に落ち着きました。

 もう12年も前の話です。まだエッセイ形式の文章なんてほとんど書いておらず、ノウハウも全く知らなかった頃に、いきなり延べ17,000字もの話を書き上げたわけです(否、それは再編集版の総文字数なので、オリジナルは2万字超えているはず)。しかもそれなりに起承転結や“フリとオチ”“上げて落とす”構成が作れている。KSMへの強い想いだけで書き切ったのだから、何事も情熱は大事なのかもしれません。

 一方で、日本語のおかしな箇所や稚拙な表現が散見され、全体的に若さも感じる文章でした。気付いた部分は修正していますが、気付かずにおかしいまま放置された日本語もまだ残っているかもしれません。ちなみに「リア充」「非リア」は「陽キャ」「陰キャ」に置き換えました。「リア充」の意味が現在(恋人が居る人の意)と異なる時代だった(当時は単純にリアルが充実している人の意)ようなので。かといって「陽キャ」を当てはめるのも厳密には少し違うのですが。

 当時26歳で若気の至りと言えばそれまでですが、仕事に対する意識が大きく変化する分岐点でもあったと思います。大学卒業後、何度転職しても上司や先輩に怒られてばかりだった4年間。ただただ仕事を嫌と思うだけの4年間。しかし、社会人5年目でコンビニに転職し、同僚に若い女性社員やスタッフが居て、その人が優しかったり笑顔を見せてくれることでモチベが上がり、下心とはいえ積極的に動けるようになった、仕事を「嫌だなあ」で終わらせず「若い女性に認められるにはどこまで頑張れば良いのだろうか」と自ら考えるようになった、それもある意味では成長だったのではないか。

 この物語の結論は「女性を信じる事は出来ない」となってしまいましたが、その後12年間、様々な女性社員・スタッフを見てきた上で今思うのは「結局は女性の笑顔を信じるしかない」ということです。人の心が読めないのなら、せめて表情で読み取るしか無いのですよ。本当に笑っている女性は見れば分かります。中には営業スマイルや愛想笑い、引き笑いもありますが、それらの区別も少しは付けられるようになりました。本物の笑顔を見せてくれるのならば、私はその女性を信じます。今までも、そしてこれからも。

【おまけ】男に舐められたくない女たち

芋子「さて、ここからは『黒髪セミロング眼鏡っ娘』本編に少し関係あるかもしれない話をします」

小野「突然だが、この世には『男に舐められたくない女』が多く存在することをご存じだろうか」

芋子「例えば、このnoteでも以前紹介した女優の重松あやさん(25歳)です。彼女は昨年、YouTubeの個人ラジオでこう語っていました。

「タカハ劇団さん(舞台『ヒトラーを画家にする話』)にお世話になってから……私、シュテファニー・ツァクライスっていう役だったのね。それがよ、1908年のウィーンに住む女の子で、その時代は女性の人権なんて全然確立されていない時なんです。選挙権が無いし、発言は出来ない、仕事もさせてもらえない、勉強もさせてもらえないみたいな。そういう時代の女の子の役だったから、女性の権利みたいなのを凄い勉強したのよ。だから、なんか、敏感になった気がして。

(中略)

 だから、女だからって舐めんなよとか思ったりするんですよ。結構私、(仕事中は)のほほーんってしているのよ、いつも。してんだけど、意外となんか(仕事後の)帰り道とかに『くっそ女だからって舐めやがって』とか思ったりしているのよ」

動画の18分10秒~の発言より

小野「これねえ、最初はピンと来なかったんだよね。女性の“男に舐められたくない”という心情がいまいち理解できないし、そもそも今時職場で“女を舐める男”なんて実在するのかと」

芋子「でも『SHIROBAKO』(2014~15)でも似たような話ありましたよね」

平岡大輔「(今井みどりに対して)いいよな女は。おっさんにちょっと良い顔をすりゃ何でもやらせてもらえるし、何でも思い通りになるもんな」

(それを言われたみどりは思い悩む。そして後日)

みどり「私、師匠が男だとか思ったことありませんから! 男とか女とか、そういうので仕事したいと思ったわけじゃないし、今も男とか女とか舐めていません!」

舞茸しめじ「ハァ? 何言ってんのお前。誰かに妙なこと言われたか? 仕事は仕事。そんなの自分で分かっていれば良いんだよ」

『SHIROBAKO』20話より

小野「このアニメは色々とリアルで生々しかったからな。職場によっては女を舐める男が未だに実在するのかもしれないね」

芋子「そして今年の4月。飲食業に転職した当方さんは、入社式で9割もの若き女子社員がパンツスーツを着用している光景を見て愕然としました。スカートスーツのほうが女性らしさを出せるのにわざわざパンツのほうを選ぶ心理は、“男に舐められたくない”からだとすれば腑に落ちます。もっと分かりやすく置き換えると“職場では女として見ないで欲しい”からなのではないか。9割ということは相当数の女性が“男に舐められたくない”と思っている可能性があります」

ビジュアルに男女の大差が無い(ネクタイの有無くらい?)。近年急増している女性のパンツスーツは男女同権の象徴なのか。最近そればかり考えている。

(※ここからしばらく小野のターン)

小野「ただ、世の働く女性がどう思おうが、少なくとも当方さんは若い女子社員やアルバイトスタッフに何度も救われたよ。KSMの為に仕事を頑張ろうと思えたのは、1時間も2時間も早出してまで彼女の負担を減らす仕事をしてきたのは、自発的に彼女から色々学ぼうとしたのは、なんだかんだやっぱり“女子だから”なんだよ。

 職場に若い女性が居るほうが男性のモチベが上がり、会社としての生産性向上にも繋がる……とまで書いたら批判コメントが来るのかな。でも実際そうだと思うよ。男性社員も口には出さないだけで、内心で女子社員にときめきながらモチベを上げている人は少なくないだろうし。それを表に出したらセクハラになるから隠し通すだろうけど。

 だからねえ、結局は男女の境目を無くすことなんて出来ないんだよ。いくらパンツスーツで武装しようが女は女だし、男は女を女として見るし、男女の壁をベルリンの如く崩壊させるのは不可能だと思う」

芋子「別に女として見られること自体は、そんなに悪くないと思うのですよ。行き過ぎてセクハラにさえならなければね。だからもっと“女性らしさ”を大事にして、女性の魅力はプライベートに限らず仕事でもどんどん出して良いと私は思います。チークを少し濃くする、ツインテールにする、ネイルや香水、何でも良いです。彼氏とのデートや女子会でやっているようなことを、一部でも仕事に取り入れるだけで、救われる男性社員は必ず居ます」

小野「そして、全ての男は絶対に女を舐めてはならない。心当たりのある方はマジで今すぐやめて。パンツスーツの女子が増えるだけだから」

芋子「フェミニストが怖いので、深夜にひっそり上げます」

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