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手紙には【シロクマ文芸部】(『渋谷で17時』のあとがき)

手紙には縁のない人生です。

小学生のときに先生から「字が汚い」と叱られてから、字を書くことも、字を見られることも嫌いになりました。いまだにそうです。ですので、手紙を書いた記憶もありません。

社会人になって、パソコンが普及し始めていたのは、まさに革命的でした。タイピングすればきれいな字で印刷できるからです。手書きが必要でない時代になっていて良かったと思っています。

そんな自分が何かをアウトプットしたいと思ったとき、もし『note』が手書きだったら間違いなく投稿していなかったでしょう。いつの間にやら1年半以上も『note』に毎日投稿し続けているのも何かの縁かもしれません。

さて、前作の喫茶店『ロイヒテン』を書きながら、次はどうしようかと考えていました。また、連載に挑戦してみようかなと思っていました。

そこでショートショートと連載の相性がよさそうな小説を考えてみたところ、恩田陸さんの『ドミノ』がいいのでは!と思いました。複数の人物が東京駅に集まって、ドミノ倒しのように話がつながって展開していく小説です。基本路線は『ドミノ』の作風をマネしてみました。

それから、登場人物が多いですので、誰の話であるのかわかるようにアイコンを使ったのは伊坂幸太郎さんのマネです。

ある程度、ストーリーがまとまってきたところで渋谷駅にロケハンしに行きました。

実際に行ってみると色々なことがわかりました。電動キックボードで道路を直進させようと思っていたのに左折専用レーンがあったり、自転車を柵に駐輪させようと思っていたのに駐輪禁止だったり、近くにバスの案内係がいたりして、初めに考えていたストーリーとは矛盾するところが多く見つかりました。

ただ、その辺を現実にあわせて描くことでリアリティが増したように感じます。

他にも、渋谷駅前交番の前に立つと宝くじ売り場は見えないんだなとか、宝くじ売り場の裏の階段を降りると食品売り場になっていて忍者ハッタリくんのコスプレのままだとすぐに怪しまれるなとか、食品売り場を抜けて左に曲がると京王井の頭線に向かう階段につながっているんだなとか。まるで忍者ハッタリくんになった気分で当日の計画を考えました。

なかなか、面白い体験でした。

連載の途中で創作大賞の応募が始まりました。せっかくここまで書いたのだから、応募してみようと思いました。ジャンルは『ミステリー小説部門』があいそうでした。

しかし、文字数を数えてみると、応募条件の2万字にぜんぜん届かないことがわかりました。既に投稿済みの作品に追記したのですが、まだ足りません。そこで急遽エピローグを追加して、なんとか2万字を超えることができました。

連載を続けるため、また、2万字を超えるために noter さんの企画に参加したり、記事を参考にしましたのでご紹介したいと思います。


シロクマ文芸部を運営されている小牧幸助さんです。毎週、冒頭の一語がお題として提供されて、noter さんが小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いて、読みあい、感想を言いあって楽しむ企画です。自由過ぎて何を書いたらいいのか迷っていたときに、連載にしてみたら面白そうだなと思ったのがきっかけでした。あらすじしか思いつかない自分にとって、お題を提供して頂いて話を膨らませることができたのはありがたいことでした。


豆島圭さんが企画された『夜行バスに乗って』に参加しました。帳面のーと町から出発する深夜バス「風林火山号」に乗って、翌朝バスタ新宿に到着する設定で物語をつくる企画でした。たくさんの noter さんが乗車されて楽しい企画でした。『渋谷で17時』の登場人物のひとりは地方出身者を想定していましたので、この企画に便乗させていただきました。また、エピローグは帳面のーと町を舞台にしてみました。


ポッペちゃんさんが投稿された「レックス~ウィーン警察シェパード犬刑事~」をエピローグのストーリーで参考にさせて頂きました。エピローグの本筋ができましたので、これまで連載してきた記事との整合性をとりつつ、伏線を回収することができましたのでとても助かりました。また、連載中にコメントを頂きまして、とても嬉しかったです。


この『渋谷で17時』は noter さんの力をお借りして『note』だからこそ完成できた作品です。そういう意味で創作大賞に応募してみることにしました。

最後に。

第16話の見出し画像に遊び心でちょっとした細工を仕掛けてみました。気づかれたでしょうか?サイゼリヤの間違い探しよりは簡単だと思いますので、よろしければ探してみてください。答えは第16話の文末に書いてあります。

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。



(【登場人物と目次】はこちらをクリック)

小牧幸助さんの企画に参加しています。
毎週ありがとうございます。

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