見出し画像

教室が変わる、子どもたちが変わる「リエゾン学級経営」の提唱

今日は、学校教育に新しい風を吹かせる教育アプローチ
「リエゾン学級経営」
についてお話ししようと思います。

リエゾン学級経営とは、
「少数派と多数派が互いに寄り添い合い、共に学び、クラス全員が成長するための教育的なアプローチのことです。」

※少数派とは学級で個別の支援を要する児童
※多数派とは個別の支援を必要としない児童

全員が多様性を尊重し、誰にとっても居心地のよい場、楽しく学びながら互いを認め合う学習環境を築き、目標に向かって努力しながら成長できることを目指します。

学級経営(ゴール設定)×心理的安全性(居場所づくり)×特別支援理解教育(多数派/保護者/職員への理解)=リエゾン学級経営

リエゾンとは、もともとフランス語からきた言葉です。
連携や結びつきを意味していて、医療現場でよく使われています。

これからの学級経営において、多数派と少数派の連携や保護者や校内外の人材との結びつきを強化し、互いの理解を深め合うことが必要不可欠であると感じ、

リエゾン学級経営と名付けました。

次の学習指導要領改訂では、特別支援教育の理解が一層求められる内容となることが予想されます。

そういう意味で、このリエゾン学級経営の理論は、令和時代における学級経営の基本となっていくはずです。

これは、単なる教育方法の変化ではなく、学級経営の大きな転換を意味します。

なぜこの学級経営を考案したのか?
それは過去の自分の反省からです。

若い頃、少数派を力で抑えこみ、多数派中心の学級経営をしてクラスを安定させていた時代がありました。
クラスから不登校児童がでたことはありませんでしたが、
少数派から大きな反発をもらったことがありました。
当然といえば当然の結果です。
少数派に寄り添わずに追い詰めたのですから。
今こうして振り返ってみると、なんて傲慢でひどいことしていたんだろうと反省しています…

お互いにとって大きなダメージでした。
そこで目が覚めたのです。

特別支援教育などほとんど関心がありませんでしたが、それ以降、本を読んだり、研修に参加するなど、必死に勉強しました。
そして教員生活20年の経験をもとに、試行錯誤を経て、このリエゾン学級経営に至った次第です。

1.教室で困り感を示す子どもたちの増加

近年、教室での困り感を示す子どもたちが増加しており、これは教育現場における深刻な課題です。
これは、学校の環境や教育方法に適応できない子ども増えていることを示唆しています。
多様な子ども達のニーズや学習スタイルに柔軟に対応することで、子どもたちの意欲や学習効果が向上する可能性があります。

リエゾン学級経営は、このような子どもたちに対処し、適切な支援を提供する新しい経営手法なのです。

2.減らない不登校児童数

不登校児童数は増加傾向にあり、特に中学生においてその数が急増しています。
これは、学校環境に適応できない不安やストレスが不登校の原因となっている可能性が高いです。

他にも不登校の背景には心理的な要因が多く絡んでいますが、リエゾン学級経営は心理的安全性の向上を通じて、不登校問題への対処を図る重要な手段となり得ます。

子ども達が自信を持って学び、成長できる環境づくりが不登校の解決に繋がる可能性があります。
リエゾン学級経営は、心理的安全性を向上させ、不登校問題への対処を強化するための手法でもあります。
一人ひとりの困り感に柔軟に対応することが不登校の解決への鍵となります。

3.居心地のよいクラスづくりの限界

居心地のよいクラスづくりは、子どもたちの心理的安全性を確保し、学習環境を向上させる重要なステップです。
しかし、これだけでは問題を解決するには不十分です。
心地よい雰囲気を作るだけでなく、特別支援理解教育の重要性が浮かび上がっています。
この教育アプローチは、様々なニーズや特性を持つ子ども達が、クラス全体で受け入れられ、協力する力を育む基盤を築くものです。
特に、クラス全体で多様なニーズや特性を理解し、適切にサポートするための仕組みを整えることが求められます。
心地よい学習環境を作るだけでなく、多様性を尊重し、協力する力を育むためには、特別支援理解教育が不可欠です。

4.特別支援理解教育

特別支援理解教育では、多数派が少数派に寄り添う理解者を増やす活動や、保護者への理解教育、職員全体の理解教育が重要です。特に少数派の子どもの視点やニーズを理解し、適切な支援をすることが、心理的安全性と共に成長安全性を築く鍵となります。
特別支援理解教育は、学校内で多様性を受け入れ、特別支援が必要な子どもたちに寄り添う理解者を育てるためのプロセスです。保護者への理解教育や職員全体の理解教育も不可欠です。これにより、学級全体が協力し、多様性を受け入れる文化が醸成されます。

5.学級経営理論をもとにした学級づくりの必要性

学級経営では、ゴールを明確にし、ビジョンと価値を組み合わせた経営理念を持ち、自己肯定感を高める目標を設定することが重要です。
この経営理念は、学級が成長し、子ども達が自己肯定感を高める目標を設定する基盤となります。
リエゾン学級経営では、多様性を尊重し、経営理念を多様性の視点から再構築します。
子ども達が多様なバックグラウンドを持ちながら、共通の目標に向かって成長できる環境を作り出すことが重要です。
子ども達が多様な環境で自己実現し、お互いに学び合う場を作ることが目指されます。

6.リエゾン学級経営の具体的指導指針(指導内容)

リエゾン学級経営では、多様性の尊重と理解、理解者の創出、トラブルを学びに変えるアプローチなどが中心的な指導内容となります。
多様な子ども達が、互いに理解し合いながら学ぶことができる環境を作り上げるための指針として、これらのアプローチが重要です。
これらの要素を実践することで、学級内での協力が促進され、心地よい学習環境が構築されます。
以下に具体的な指導内容の一部を紹介します。

  1. 多様性の尊重と理解: 少数派と多数派の異なるバックグラウンドや特性を尊重し、共感する文化を創り出します。他者を受け入れる土台を作り、心理的安全性を醸成します。

  2. 理解者の創出: 学校生活において、少数派の特性を理解・共感するための機会を意図的につくり、少数派の気持ちに寄り添いながら、居心地の良い教室づくりを目指します。同時に、理解者を増やすことでトラブルが減少する効果が期待されます。

  3. トラブルを学びに変えるアプローチ: トラブルが発生した際には、少数派の言動を分析することで、差別や偏見を減少させる効果が期待されます。また、トラブルを未然に防止するための対策を講じます。

これらの指導内容を実践することで、多様な子ども達がお互いに理解し合いながら学ぶことができる環境を作り上げる手助けとなります。

7.学級経営進化論(令和型学級経営理論)

リエゾン学級経営は、心理的安全性に加え、成長安全性を取り入れた新たなアプローチとして、今後の学級経営の進化を示唆しています。
多様性を尊重し、共に成長する学級環境が、今後の主流となる可能性があります。
リエゾン学級経営の理念と具体的なアプローチを実践することで、教育の未来においてより効果的な学習環境が構築される可能性が高まるでしょう。

このように、リエゾン学級経営は多様な生徒たちがお互いに理解し合い、共に成長する学習環境を構築するための画期的な教育アプローチと言えます。心理的安全性と成長安全性を組み合わせることで、より良い教室環境を築く手助けとなるでしょう。

今のところ学級経営は、心理的安全性を取り入れたアプローチに進化している。
誰にとっても居心地のよい空間を作ろうとするあまり、多数派が少数派に対して積極的にかかわろうとしなくなり、かえって少数派の居場所がなくなる現象が起きています。
このような状況下では、結果的に誰も成長できていないのです。

そこで登場するのが、「リエゾン学級経営」です。
リエゾン学級経営は、心理的安全性だけでなく、成長安全性も重視することで、学習環境をさらに向上させます。
心地よい学習環境を提供するだけでなく、個々の成長も促すアプローチが求められています。

この新たな学級経営アプローチは、心理的安全性と成長安全性を融合させ、学級内での協力と共に、個々の成長を支援することを目指します。
リエゾン学級経営の導入により、多様な生徒がお互いに理解し合いながら成長する学習環境が実現できる可能性があります。

これからの教育現場では、この「リエゾン学級経営」のアプローチが主流となり、より多くの学校で導入されることが期待されています。
リエゾン学級経営は心理的安全性に加え、成長安全性を取り入れた新たなアプローチであり、今後主流となるでしょう。

このように、リエゾン学級経営は多様な子ども達がお互いに理解し合い、成長する学習環境を構築するための画期的な教育アプローチと言えます。
心理的安全性と成長安全性を組み合わせることで、より良い教室環境を築く手助けとなるでしょう。

以上概略でした。

詳しく知りたい方は、リエゾン学級経営の部屋という「マガジン」をご覧ください。↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?