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【教育を変える】答え合わせで「同じです!」はなぜダメ?AI時代に必要な主体的な学びとは?

こんな授業の1コマがあります。

算数のひき算の筆算の問題の答え合わせの場面。
「146-89は57です。」(「いいですか~」)
「同じで~~~す」
低学年の教室ではよく、この
「おなじで~~す」が聞こえてきます。

どこの学校へ異動しても必ずこの
「おなじで~~す」
が聞こえてきます。

どうしてなのでしょう?

答えは簡単です。
同じですと言わせてしまう方が楽だからです。

この「おなじで~~~す」の問題点は、間違っていた子を無視して授業をすすめています。
この答えあわせでは、57以外はあってはいけないのです。
では間違えた子はどうするのか?

あわてて消しゴムで自分の間違えた答えを消して「57」と書きなおすのです。
もちろん意味わからず直します。
これが授業と言えるでしょうか?

究極の受動的学習。
こんな教室には、主体的に学習に取り組んでいる子は1人もいないと言えます。

教師が正答だけを正解として指導している以上、子ども達は正答を出すことだけに必死になり、結果(答え)だけにとらわれるようになります。

このまま成長すると、答えを求めたがる大人に当然なります。

民間企業向けのリーダーシップ研修を企画・運営するキャンドゥの酒井社長は、雑誌のインタビューにて

「研修中に解決策が複数ある課題を提示した際に、研修生から「正解は何ですか?」「他の会社はどうやったのですか?」と答えの出し方を求められることが少なくない。自分の頭で考えて道を切り開いてほしいのに、大手企業の幹部候補生においても「答え」を求める人がいる」

wedge11月号「前例なき時代に”正解主義”が蔓延する日本

と話しています。

日本の教育システムは、明治時代に制定された学制以降ほとんど変わることなく一斉指導を貫いてます。
先生が黒板の前に立って授業を行い、児童は全員、黒板の方に向かって座って授業を受ける、という昔ながらのスタイル。

こうなるのは必然の結果でありますが…
このままでよいわけがありません。

さらに、人工知能学会理事も務めた慶応大学理工学部の栗原教授は
同雑誌にて、

「生成AIは、使い方次第で人間の創造的な作業をサポートしてくれる。出力結果を「答え」とみるか、「問い」を深めて前進させるための「プロセス」とみるかが大きな分かれ道となる」

同上

と話しています。

さらに、栗原教授は、

楽をして「答え」を享受するための道具として使用すると、画一的なアウトプットしか出てこず、それをすべて鵜呑みにすると、”金太郎飴”のように同質的な人間が量産されることになる。使用する人間の豊かな個性や好奇心を育めるかが課題だ」

同上

と指摘しています。

ChatGPTをはじめとする生成AIはあくまでツールです。
その創造力を引き出すのは人間です。

プロンプト集のようなハウツーものから脱却できなければ、到底、その創造力を引き出すことはできないと言えます。

教師自身が、楽をせずに主体的に学習する姿勢を見せて変わっていかない限り、教育は変わりません。
教育が変われば、答えのない問いに主体的に立ち向かうことのできる人間を育成していくことができるでしょう。

教師が変われば、教育が変わる
教育が変われば、子どもが変わる
子どもが変われば、社会が変わる

古い殻を脱ぎ捨てて、新しい道を開いていきましょう!

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