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「開ける」と「開く」について(关于“打开”和“开着”)

今朝歯科に定期健診に行ってきた時のことです。
今日の歯科衛生士さんは初めての方で歯の処置やケアなどに関しては全く何も違和感はなく順調でした。
ただ一つだけ個人的にどうしても気になることがありました。
それは、処置する時に毎回言ってくる言葉です。
いつもなら、「(お口を)開けてください」と声掛けてしてもらっていますが、
今日の衛生士さんは全部「あいてください」との声掛けでした。

まず、この使い方をしたことがありません。
同じような場面でも聞いたことがまだありません。
そして、大学で日本語を勉強した時、「開(あ)く」は自動詞との記憶があります。
自動詞に関しては「〇〇してください」という使い方がないとずっと理解していました。いや、今でもそう理解しています。

もちろん、意味は分かるのでその通り口を開けたりしました。

終わってから最後の挨拶がありまして、
その時、迷いに迷って私は勇気を出して、思い切り聞いてみました!
その方に不愉快な思いをさせないように、誤解を与えないように、
自分が外国人なので日本語の勉強のために、「開(あ)ける」と「開(あ)く」の使い分けについて知りたい旨を伝えました。
その方は満面の笑顔で、でも少し照れたお顔で、「ああ、実はその区別は考えたことがないです。何も考えずに使っているだけです。」と説明してくれました。
そして、「多分どちらも同じだと思います。区別はないかなと思います。」と補足してくれました。
「勉強になりました。ありがとうございます。」と私はお礼を言いました。
前置きしておいても、もしかしてこの方を少し困らせたのではないかと気になりつつ、聞いてみて良かったと少しすっきりした気持ちで帰宅しました。

さきほどネットで調べてみました。
goo辞書によると、
「開(あ)く」と「開ける」の共通する意味
閉じていたものに、すきま、ゆるみ、さらに大きな開放部分ができる。閉じていない状態になる。また、そのような状態にする。

「開(あ)く」は自動詞のみ、「開ける」は他動詞のみ。

「あく」は、閉じていたものが閉じ目から離れて、くっついていた部分に空間ができることを表わす。今まであったものが取り去られる感じである。「ふた」などのように、ふたつに分かれてしまうもの、「窓」のように、その空間と接しているもの、ともにいう。
「あける」は、開(あ)くようにする意。「開けっぱなし」など、開放的な比喩(ひゆ)にも用いる。
                      以上

昔勉強したことと今日の調べをまとめて簡単に言うと、「開ける」は主語が行う行動、「開(あ)く」は開いている状態というのは、私のざっくりとした理解です。

そして、結論を言うと、このような場面では、私はどちらかというと、既に定着している「開けてください」を使っていこうと思いました。

ただし、今日のあの方も含めて、日本語のネーティブスピーカーの皆さんのそれぞれの言葉遣いの好みや慣れなどに対して、もちろん全く「正否」のような見方はしていません。
私自身もきっと文法で見れば違和感のある中国語をたくさんしていると自覚しています。
最近の流行り言葉は尚更そうです。
「言葉は生きている」ので、使う人、時代、場面などによって変化していくのは自然なことだと思います。

気が付けば言葉一つでこんなにも考えさせられました。
改めて、考えるきっかけを与えて下さる今日の歯科衛生士の方に感謝です。
そして、「言葉」が大好きな自分がいる、できればこれからもずっと「言葉」に敏感にいたい、常にその出会いに喜ぶ人でいたいことに気づきました。



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