見出し画像

娘からのインタビューを受けて(接受女儿的采访)①言葉編

昨日中学生の娘から小さなインタビューを受けました。どうやら宿題のようです。

「生まれ育った場所を離れ、見ず知らずの土地で暮らしていく時に必要な能力とは何か。」というテーマにめぐり、(お母さん)私が日本に来てから苦労したこと、頑張ったことを聞きたいと娘は言います。

意外と即答できませんでした。

考える時間を少しもらって、
留学生と最初の就職の頃のことを思い出しながら答えてみました。
更に、娘と話した後、一人でいろいろと思い出したこともありました。
それらを自分自身の整理のためまとめてみました。

まずは、★言葉の壁
来日する前に4年間勉強したので授業や日常会話には特に問題がなかったと感じますが、日本語独特な表現、言い回しにはやはり戸惑うことは少なくなかったです。

「○○じゃないですか。」が分かりにくい

このフレーズの結論は一体肯定なのか、否定なのか、分かりにくい時がありました。
特に、「○○ないじゃないですか。」は尚更苦手でした。

どうか、はっきり言ってくださいよ!と内心叫びました(笑

「○○みたい」は曖昧で違和感を覚えました。
日本語にはよく「○○みたいです」のフレーズがあって、ストレートな表現に慣れているので非常に違和感がありました。
会社員時代のことでしたが、外出中に、同僚の目の前で私が虫に刺されたことがあります。
同僚が会社に電話して説明した時に、「○○さんは今虫に刺されたみたいです。」と言いました。
口では言わなかった(直接にはやはり言いにくい)のですが、さすが、心の中で、「「みたい」じゃないでしょう。「確かに刺された」でしょう!」と思っていました。

来日の年数が増えるにつれて、この表現に慣れてしまい、そして、それは日本語的な独特な曖昧な表現の一つとして理解するようになりました。しかし、自分自身は使いこなせい気がしてあまり積極的には使っていません。

主語がよく分からない
中国語と英語は、「私 は 〇〇です。」、「私 は 〇〇 をします。」のように、主語をいつもはっきり言うのが基本的な表現スタイルです。

しかし、それに対して、日本語は主語を明確に出さないパターンが多いと感じます。

例えば、
「昨日サッカーの試合を見てきた。」
を中国語に訳すと、
→「我 昨天去看足球比赛了。」のように、
「我(わたし)」を付けるのが一般的です。

そのため、来日の年数はまだ浅い時他の人の会話を聞いても「誰がどうした?」と分かりにくかったです。

今でもですが、他の人の会話に途中参加する場合、しばらく聞いても一体誰の話をしているのかが?の時はまだあります。

あまり主語を付けない日本人の会話と違って、
たくさんの中国人(日本語学習歴はやや浅い人)は口を開けると、まず「わたしは」から始まります。

わたしは、〇〇です。
わたしは、〇〇出身です。
わたしは、〇〇が好きです。
わたしの趣味は、〇〇です。

わざと書いているように見えるでしょうが、
これは決して珍しくない中国人の自己紹介です。

中国の大学で日本語を勉強していた時、
私も間違いなくよく使っていた会話パターンだと自覚しています(*^-^*)。

そして、第二人称に関しても同じです。
中国語の中で、相手と会話する時、
「あなたは○○ですか/しますか。」
のような使い方は一般的です。
日本語を勉強しはじめた頃の話ですが、
とんでもない言葉遣いをしたことがありました。

ある日、日本人先生に新しく来た日本人留学生を紹介してもらいました。
簡単な挨拶してから何か話そうとした時、
第二人称をどの単語を使ったら良いか頭の中で考えて探していました。
「あなた」は恋人、夫婦の間に使う、
「君」は目上からの呼び方、恋人の間、
と考えたところ、 
よし、じゃあ、「おまえ」しかないねとの結論に辿り着いて、
「お前たちは○○…」と話しかけてしまいました。
3人くらいだったかな、目の前にいたのは高校生から大学生の男子たちでした。

そのすぐ後どうだったのかまったく記憶にありません。
覚えているのは、しばらくして仲良くなってから言われた一言。
「初対面の時に、○○さんはきつい人だなと思った。」

訳を聞いてからどれだけ恥ずかしかったのか分かりませんでした…
穴があれば入っていたでしょう(笑

④敬語、謙譲語、丁寧語、ため口の使い分け
これはいつまで経っても難しいと感じるところです。
人間関係によって言葉遣いを変えるのは、中国語、英語、恐らくほかにも似ているような国もあると思います。
ただし、日本語ほど変わるのは、他に私は知りません。
(知識不足で恐縮ですが、ご存じの方はいらっしゃったら是非ご教示ください。)
来日の年数はもう長くて大分慣れていて普段はさほど苦労していませんが、 
人間関係によって言い方を変えるのはやはり神経を使います。

そして、丁寧語からため口への切り替えがあまり器用にできないので、
時々、「言葉遣いは丁寧だね」と言われます。
さてと、誉め言葉でしょうか・・・(笑

その他
日本語が外国語だから、やはりできるだけ間違いのないように慎重に話してしまいます。

日本人なら少々言い方が可笑しかったり、片言だったりしても、その人の話し方や何かの癖だと思われるだけで済むでしょうが、
外国人の自分が間違えると、ミスとしか捉えようがないので抵抗があります。

外国人だから、間違えて良いよ、日本人と比較する必要がないのにと頭では分かりますが、
変なプライドなのか、見栄っぱりなのか、素直に自分のミスを受け止めることができない時は多いです。

もちろん、結論として、いくら私が気にしても間違えることはいっぱいあるのも自覚しています(*^_^*)。

ここまで読んでいただきありがとうございます。謝謝!
次回は生活編も整理して書いてみたいと思っています。
良ければ笑って読んで頂ければ幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?