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英語&翻訳解説【Kaya】


まず曲を理解する

ジャマイカのスラングでマリファナを意味するKayaは、ウエイラーズがまだトリオだった1971年にリー・ペリー(Lee Perry)のプロデュースでキングストンでレコーディングされたナンバーの再録音です。

どうしてこの古い曲をわざわざ引っ張り出してきてリメイクして新しいアルバムのタイトルナンバーにしたんでしょうか?

答えは「雨が降っていたから」です。

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曲中でボブが繰り返し語る「雨」とは、ジャマイカを離れて事実上の亡命生活を送らなければならなくなった彼の心を苦しめていた様々な問題のことです。

「雨」のことばかり考えてしまう自分の心をマリファナで解きほぐし、気持ちをリラックスさせるんだと歌っています。

勘違いしている人も多いですが、単なるマリファナ賛美の曲ではありません。漂う煙の向こうにボブの実体験、苦悩、わずかな時間でも「問題」を忘れて心を楽にしたいという切なる思いがあります。

英語表現と訳し方

Wake up and turn I loose
主語が略されています。

主語「I」を入れて文法的に正しく書き直すと、I wake up and turn myself looseとなります。

Wake upは「眠りから目覚める」、「起きる」です。

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Wakeには「生き返る」、「よみがえる」という意味もあります。

「起きる」はget upとも言いますが、Wake upには眠りの世界から今自分がいる現実の世界に戻って来るというニュアンスがあります。

Turn I looseの「I」は自分自身(myself)を指すI-wordです。

I-wordについてはこちらをお読みください。

Turn ~ looseは「~をゆるんだ状態にする」、つまり「~を解き放つ」とか「~を自由にする」という意味でよく使われるフレーズです。

Set ~ freeと言い換えることもできます。

For the rain is falling
最初のforはbecauseと同じです。

「理由」を示しています。

Rain is fallingはit is rainingの別の言い方です。

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Fallを使うことによってボブは自分の上にいろんな問題が降り落ちてきていると暗に伝えたかったのかもしれません。

Rainやsnowにfall(落下)を付けるとrainfall(降雨)、snowfall(降雪)という単語になります。

降ってきた雨や雪の量について語る時によく使われる言葉です。

Got to have ~
ここも主語「I」が抜け落ちています。

Got to have ~は「~が必要だ」という非常によく使われる口語表現です。

意味はI need ~ と同じです。

I’ve got to have youと言えば、I need you(俺には君が必要なんだ)ということです。

わかりやすい使用例

Got to haveとneedのどちらを使うかはその時々の気分や普段の喋り方などによる部分が大きいです。

Kaya

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マリファナを指すジャマイカのスラングです。

使用頻度が高い言葉ではありません。

訳者<ないまいる>は1991年にジャマイカに旅しましたが、滞在中マリファナのことをkayaと呼ぶ人には出会いませんでした。

Rastaは通常herbと言います。

Rasta以外のジャマイカ人はganjaと言う人が多いです。

欧米人の間ではpotとかweedと呼び方が一般的です。

Kayaという言葉にはマリファナ以外の意味もいろいろあります。そのあたりは「Kayaに関するあれこれ」に書いておきます。

I feel so high
Highは物理的な高さを示す形容詞ですが、口語では麻薬(narcotics, drugs)などによる陶酔した状態、精神が高揚した状態を表す言葉です。

Feel highとは、俗にいう「ハイになっている」というやつです。

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High on ~ という形で~のところにmarijuanaとかcocaineとかglue(シンナー)とかcoffeeといったものが入ります。

対になって出てくるfeel so goodは、麻薬とは関係なく「いい気分だ」という時に使う一般的な表現です。

Feel highの反対はfeel low(気分が落ち込んでいる)です。

Feel downとも言います。

Neighborhood
Neighbor (隣人)から派生した言葉です。

「自宅周辺」を指します。

特定の特長を持つ地域をdistrictとかareaではなく、neighborhoodと呼ぶこともあります。

We live in a upper-class neighborhood(我々は上流階級の人たちが暮らす地区に住んでいる)という風に使います。

An upper middle class neighborhood in the United States

Neighborhoodを縮めたhoodという口語もあります。

アフリカ系アメリカ人が使うスラングです。

低所得層が暮らす地域(neighborhood where people with low income live)を指します。

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Here I come again
Here I comeは「行くぞ」という意味の慣用句です。

Againがついているので「もう一回行くぞ」です。

ここでは「マリファナをもう一回吸うぞ」と宣言しているので「またやるんだ」と訳しました。

Here I comeとそっくりな表現にHere we goというのがあります。

意味は同じで「行くぞ」です。

ひとりの場合はhere I go、仲間がいればhere we goになります。

Here you goというのもあります。

「お待たせしました」、「はいどうぞ」という意味です。

Here you go.

ファーストフード店などで品物を渡す時に使われる定番フレーズです。

韻を踏んでいる箇所

この曲には韻を踏んでいる箇所はありません。

翻訳する上で難しかった箇所

マリファナと雨の関連性を把握するのが少し難しかったです。

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