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英語&翻訳解説【Small Axe】

まず曲を理解する

この曲のメッセージは希望と励ましです。

軽やかで明るいメロディですが、歌詞が伝えているメッセージはパワフルです。抑圧する者に対する闘いをテーマにしています。

自分が置かれた状況をガマンして受け入れるのではなく、不当な仕打ちに対しては立ち上がるんだ、準備はできていると歌っています。

小さく弱いとされている者こそ、世界に大きな変化をもたらすことができるという聖書に記されたメッセージを基に書かれた歌詞です。

英語表現と訳し方

Boasteth thyself
古い形の英語です。現代英語に直すとboast yourselfとなります。

「自慢する」という意味です。

動詞末尾の「th」は16世紀に「s」に、二人称の「thou」は17世紀に「you」に変化しました。

二人称所有格thyselfも同じ時代に yourselfへと変化しています。

この箇所は17世紀に初版が発行された英語版聖書King James Version欣定訳)からの引用です、そのため、欣定訳で使われている古い英語となっています。

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Smart
Smart もcleverも日本語にすると「賢い」ですが、smartには「抜け目ない」というニュアンスがあります。

Smart assという言葉もあります。「生意気な人」とか「知ったかぶりをする人」を指す俗語表現です。

Clever
Cleverには、「頭の回転が速い」、「巧妙な」という語感があります。

「賢明な行動」という意味でclever moveという言葉を使ったりします。

賢さを意味する形容詞でもwiseになると、「経験をベースにした思慮深さをともなった賢さ」を意味します。

Jah
聖書の民ラスタファリの人たちが信じる唯一の神を指します。

呼び方が違うだけで、ユダヤ教・キリスト教の神Jehovahと同じです。

一般的に日本のキリスト教徒は、JehovahをYahweh(ヤハウェ)と呼びます。みだりに神さまの名前を唱えてはいけないという教えなので、通常はYahwehではなく「主」と呼んでいます。

主のことを英語圏ではLordと言います。

ボブの歌詞でもわかる通り、ラスタもJahをLordと呼び変えたりします。

I-dureth
Enduresという意味です。語尾のthはboastethと同じ古い形です。

語頭の「I」はラスタ式の英語です。

ラスタはI-wordsと呼ばれる独特のボキャブラリーをたくさん使います。

例えば、ancientの代わりにI-cient、creationの代わりにI-ration、vitalの代わりにI-talと言います。

For-I-ver
ここもI-wordになっています。Foreverのことです。

Axe
「斧」という意味の名詞です。

動詞として使うと、「首にする」とか「削減する」とか「中止する」という意味になります。

Have an axe to grindという慣用表現もあります。「反感を持つ」という意味です。

He had an axe to grind against meという風に使います。

Ready to ~
「~する準備ができている」という表現です。

Ready to goと言うと、「準備OK」、「いつでも出かけられる」という意味になります。

Are you ready to go?という形で日常会話で頻繁に使われます。

Weak heart
Weak-hearted personという意味です。

Weak-heartedは、「こころが弱い」、つまり「気が弱い」、「勇気がない」ことを表す形容詞です。

Weakのところをstrongに代えると反対語になります。Strong-heartedです。

Diggeth a pit
ここも欣定訳聖書に合わせて古い形の英語になっています。現代英語に直すとdigs a pitとなります。

「穴を掘る」という意味です。

Shall bury in it
文法的におかしな表現です。

正しくはShall be buried in itとなります。

おそらくすぐ前のShall fall in itと音の調子を合わせるために、あえて英文法に反するこの形にしてあるんだと思います。

韻を踏んでいる箇所

以下の2箇所で軽めに韻を踏んでいます。

These are the words of my master
Keep on telling me
No weak heart shall prosper

Shall fall in it, shall fall in it
Whosoever diggeth a pit
Shall bury in it, shall bury in it

翻訳する上で考慮した点

メッセージはクリアですが、表現は比喩的です。このような場合、自由に解釈できる余地を残すのがポイントだと思います。リスナーを一定方向に誘導しないように気をつけながら訳しました。







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