英語&翻訳解説【Cry to Me】
まず曲を理解する
傷ついた心の立て直しがテーマです。
登場人物は、主人公(男性)とその女友達。
ふたりが過去に付き合っていたのかどうかはわかりません。でも今は何でも話せる親しい異性の友人同士のようです。
主人公にはパートナーを裏切って失った過去があります。でも心の痛みを乗り越え、精神的な落ち着きを取り戻しています。
女友達は浮気をして今パートナーを失ったところです。後悔と共にこれから苦しみから立ち直ろうとしています。
涙を流し、張り裂ける思いと正面から向き合う、そうすれば苦しみは和らいでいく。まずは俺に助けを求め、叫ぶんだ。同じ苦しみを通り抜けた人間として主人公はそう女友達にアドバイスしています。
浮気が原因の破局と心痛について歌っていますが、メロディは明るく、苦しみの先に希望があることを感じさせるナンバーです。
英語表現と訳し方
Cry to ~
直訳すると「~に向かって叫ぶ」です。
ここではcry to meなので「俺に向かって叫ぶ」となります。
Cry to meの後ろには「for help」という言葉が隠されています。Cry to me for help、つまり「俺に助けを求めて叫ぶんだ」という意味です。
Walk back
「歩いて戻る」、つまり「引き返す」ということです。
同じ意味でGo backも使えます。
Walk straight backだと「(寄り道せずに)まっすぐ戻る」です。I’ll walk you backと言えば、「歩いて君を送っていくよ」という意味になります。
Heartache
Heart(心)とache(痛み)から成る合成語です。
「心痛」、「苦悩」という意味です。
よく似た言葉にheartbreakがあります。
こちらも「悲嘆」や「悲痛」ですが、Heart(心)がbreak(こわれている)状態、つまり失恋による悲しみや痛みを指します。
Acheはheadache(頭痛)やstomachache(腹痛)のacheです。
Painもほぼ同じ意味で使われていますが、厳密に言うと違いがあります。acheは「継続する痛み」、painは「急な痛み」です。
Shed
「血や涙を流す」という時に使う動詞です。
「脱ぎ捨てる」という意味もあります。 Snakes shed their skinと言えば、「蛇は脱皮する」という意味です。
Shed light on ~という定型表現もあります。
「~を照らす」、「~を明らかにする」という意味です。
He shed light on the hidden fact (彼は隠されていた事実を明らかにした)という風に使います。
Teardrops
Tear(涙)のdrops(しずく)という合成語です。
よく似た言葉にraindropsというのがあります。「雨のしずく」です。
Tearsでも「涙のしずく」という意味になりますが、dropsが入ると、「こぼれ落ちるしたたり」というニュアンスがより強く出ます。
Cheating game
Cheating(だます、浮気する)+ game(楽しむための遊び)で「楽しむための浮気」です。
「浮気」という日本語にgame(遊び)というニュアンスが含まれているので説明を足さずにシンプルに「浮気」と訳しました。
Get from the heartache
Getの後ろにbackが隠れています。
全部書くとget back from the heartacheです。
「心の痛みから復帰する」という意味です。
Leadeth
古い形の英語です。
現代英語に直すとleadsになります。
Leadは「道案内する」、「先導する」という意味の動詞です。
日本語版聖書では、「導く」と訳されています。
Still water
「静止した水」です。
「水面に波が立っていない状態」を指します。
共にいてくれる主に守られ、感情の乱れが収まり、心が安定しているということを「静かな水」と言うフレーズで表現しています。
韻を踏んでいる箇所
韻を踏んでいる箇所はありません。
翻訳する上で苦労した点
ふたりの登場人物がどんな関係で、それぞれが今どんな状態にあるのか、ヒントが少ないため推測するのが難しかったです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?