英語&翻訳解説【No More Trouble】
まず曲を理解する
No More TroubleはアルバムCatch A Fireの中で唯一のストレートなメッセージソングです。
曲のメッセージはシンプルで明快。
「世界には戦争と愛が存在する。戦争はトラブルを生む。トラブルは不要なもの。必要なのは愛。強い者が弱い者を助ける。それこそ愛なんだ」
全世界に向けたパワフルなメッセージです。大事なメッセージを伝えるため、意識的にわかりやすい単語を使って詩を書いています。
ウクライナで悲惨な戦争が続く今こそこの曲に耳を傾ける時だと強く感じます。
英語表現と訳し方
Make love
どの英和辞典を引いても「SEXする」と書いてありますが、もちろんここでは別の意味です。
ボブが言っているのは「愛を生み出す」こと。
Create loveとかbring forth loveでも同じ意味になりますが、make loveが一番カンタンな単語の組み合わせ(make+love)です。「誰でも分かるようにカンタンな英語で」という意図を反映してると思います。
Guide and protect us on
Guide(導く)とprotect(守る)がどちらも目的語us(わたしたち)にかかってます。「わたしたちを導き、守る」という意味です。
Guide and protect usと言う形でもOKなんですが、動詞の後にonを入れて「進んでいく」というニュアンスを付け加えています。
Guide and protect us onで「将来にわたって」わたしたちを導き、守っていくという意味になります。
Good down from above
Goodが名詞として使われています。ここでの意味は「善」、「善きこと」です。反対語はevil(悪、邪悪なこと)です。
ふたつ合わせてgood and evilとすると「善悪」という意味になります。倫理的な響きをもつ言葉です。
Aboveは自分から見て「上の方」を指します。この箇所ではheaven(天国)という意味です。
The weak
形容詞weakに定冠詞theがついて「弱き者」、「弱者」という意味の集合名詞になります。
同じパターンで形容詞poorの前にtheがついて名詞化したthe poor(貧しき者=貧困層)という言葉もよく使われます。
Lord
小文字で始まるlordは「領主(封建制下の)」とか「君主」とか「支配者」を意味する一般名詞です。
大文字で始まるLordは「神(キリスト教やユダヤ教の)」を指します。キリスト教やユダヤ教を信じる人たちは彼らの神のことをLordまたはGodと呼びます。
日本のキリスト教コミュニティでは、Lordは「主」と訳すのが一般的です。
ちなみに大文字始まりのLordはイギリス貴族に与えられる称号でもあります(例:Lord Nelson=ネルソン卿)。
韻を踏んでる箇所
この曲では一か所だけです。
翻訳する上で悩んだ箇所
曲のメッセージが明快で使われている単語もベーシックなものばかりだったんで特に難しい箇所はなかったです。
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