梅雨時に試したい自律神経のととのえ方
治療院にお越しになる方を見ていると、この時期は頭痛やだるさ、寝不足などを訴える方が見られます。これは梅雨独特の気圧の低さ、湿度の高さに影響を受けるもので「気象病」と呼ばれています。
とはいえ、梅雨時期なんてへっちゃらという人もいれば、この時期はだるくて仕方ないという人もいます。この記事では、梅雨時期を乗り切るためのセルフケアについて書いてみました。
(この記事は解剖学をわかりやすく説明するため比喩を用いている点をご了承ください)
気象病って初めて聞くんですけど
気圧や気温の変化によって人体へ影響が表れるものを総称して気象病、季節病と呼んでいます。
春先のだるさ、梅雨時期のうっとおしさ、夏から秋への冷えなど季節の変わり目によく見られるのが特徴です。
梅雨はジメジメとして気分的に鬱陶しいだけでなく、これは自律神経の乱れが原因と考えられています。
気圧の変化によるもの:頭痛、めまい、寝起きが悪い
湿度の変化によるもの:体が重だるい、むくみやすい、関節が痛む
東洋医学でも、この季節は体のなかに「湿」がたまる、という表現をします。ヒトも自然の一部と考えれば、季節の影響を受けるのはやむを得ないのかも知れません。
自律神経はコントロールできない
自律神経はおもに肺や心臓、血管、胃腸などの内臓を調整しています。
しかし私たちは普段、その働きぶりを知る由もありません。
「電車に乗り遅れないようダッシュしているから、いまは息をたくさん吸え!」とか、「ひとり焼肉でカルビをたらふく食べたから、消化酵素をたくさん出せ!」とかは考えませんよね。
自律という言葉が表しているとおり、自ら律する。
つまり、自律神経はご主人の知らないところで体がうまく働くようにお膳立てしている黒子の役割なんです。しかも24時間ぶっつづけ…。
自律神経は、朝起きて日中活動しているときに活発になる交感神経と、夜寝ているときや食事のあとに活発になる副交感神経の2種類に分かれます。
車で言えば、交感神経=アクセル、副交感神経=ブレーキに相当します。
そしてこれは、シーソーのように交互に働きが入れ替わります。
交感神経が働いている時は副交感神経の働きは弱くなり、副交感神経が働いている時は交感神経の働きが弱くなります。
梅雨時期は、このシーソーのバランスをうまく取ることができないため体の不調として表れるのです。
環境を整えることで自律神経を整える
自律神経は、自由に動かせる手足とは違います。
コントロールできないものをどうやって整えたらいいでしょうか?
それは、環境を整えることから始まります。
アクセルを踏むときは、しっかりと踏めるだけの準備をするのです。
①朝起きたら、カーテンを全開して光を取り入れる
②雨の日には照明をつけて室内を明るくする
③雨が止んでいれば窓を開けて空気を入れ替える
太陽の光を浴びることは「これから活動するぞ!」というサインを脳に送ることになります。
雨が降っているときには代わりに照明をつけて活動する準備とします。
また、体が活動するには酸素も必要です。新鮮な空気を肺にチャージしましょう!
これらの朝の儀式を行うことで、アクセルを踏む準備が整います。
時間に余裕があれば、手や足など体の末端をストレッチすると血行が良くなりさらに効果的です。
梅雨時期には「やみ風呂」
そして、ブレーキを踏むときは、しっかりと踏みます。
寝る前に気をつけておきたいことを3つご紹介します。
・寝る1時間前にはスマホ、パソコンを閉じる
・お風呂に浸かって体を温める
・夜更かしせず睡眠をしっかりとる
電気を消してベッドに入り、スマホを見る・・・これは最悪のパターンです。明るい画面を見続けていると脳は興奮状態が続いてしまいます。
寝る1時間前にはデバイスから離れ、部屋の照明を落とすことでメラトニンが分泌されて眠りに入る準備が整います。
寝る前の照明は、ホテルの部屋の照明と同じ(20ルクス程度)がよいとされています。部屋のすみに間接照明をおいてもいいですね。
お風呂に入って体を温めるのは、血流をよくするためです。
寝ている間に副交感神経が働いて体を休め、修復しています。
その際に肝心なのが、酸素と栄養を運んで老廃物を回収する血液がスムーズに流れていること。
湯船で体を温めながら、手首、足首を回してみても血流促進によいでしょう。
そして、やみ鍋ならぬ「やみ風呂」。
照明を暗くすることと、お風呂に入ることを掛け合わせます。
脱衣所とお風呂場の電気を消して(真っ暗になります)お湯に浸かる。
できればBGMもない状態で五感をシャットアウトして、ただただお湯の温かさだけを感じる。
5分も入っていると、じわっと汗をかいて体の芯まであったまります。
しっかり汗をかいて体内にたまった「湿」をスッキリ排出させることで、重だるさを解消する効果が期待できます!
電気を消してすぐは目が暗闇に慣れないので、風呂桶やシャンプーにつまづかないように注意しましょう。
おまけ
アクセルもブレーキも踏むときは踏む、緩めるときは緩めてメリハリをつけることが肝心。生活のリズムが整い自律神経の乱れを抑えることにつながります。ストレッチやウォーキングなどの軽い運動もおすすめです。
もし、梅雨時期に頭痛がある時はこんなアプリもお役立ちです。
頭痛ーる
physical, mental, spiritual and social well-beingに生きるお手伝いをしています。2020.3に独立開業しました。家族を大切にし、一人ひとりが生き生きと人生を楽しめる社会が訪れるといいなと思いながら綴っています。