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2020年の振り返り〜コロナ対応・幹部採用・ファイナンス〜

あけましておめでとうございます。

年末年始は双子と遊んでたり(1歳の双子姉妹がいます)、1週目から色々仕込んでたり、年始早々祖母が90歳で亡くなったり色々あって遅れてしまいましたm(_ _)m
ごめん!

2020年は既存事業を成長させつつ、新しい商品やサービスを提供したり物流面を強化するなど、仕込みも多い一年でした。

また、何名もの新たなメンバーに入社いただき、経営体制もアップデートし、組織も強化してきました。

今回は、昨年の取り組みを振り返りつつ、何を考えながら走っていたかを残したいと思います。

・・・

2020年 主なミナカラのニュース<コロナ対応>

2020年において社会の中心にあったのは新型コロナウイルスへの対応だったと思います。

オンラインとはいえ薬局という医療機関を経営している以上、私達の事業にもコロナの影響がありました。

 社会の動揺に呼応した過剰注文・在庫のボラタイル

まずOTC薬・セルフメディケーション領域においては医薬品・商品の安定供給にケアが必要となりました。

薬剤師は医療の担い手として医療サービスを提供するだけでなく、医薬品の適切な管理・安定供給等を通じ、社会の公衆衛生の向上・増進に寄与することも重要な任務となっています。

薬剤師法
第一章 総則
(薬剤師の任務)
第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
医療法
第一章 総則
第一条 (略)
第一条の二 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。

今回のコロナ禍では社会の動揺に呼応するように過剰注文がたびたび発生し、安定供給がひとつのテーマになりました。

マスクやアルコール消毒剤などわかりやすいものだけでなく、フランスの大臣によるイブプロフェン製剤に対する疑義に呼応したアセトアミノフェン製剤の需要過多、ポピドンヨードを含んだうがい薬に対する瞬発的な需要過多などがありました。

この状況下で、本当に必要とする方に安定供給できることを目指し、売価をメーカー小売価格に合わせて不当に高価にせず、一方で1ユーザーアカウントあたりの提供量を我々薬局・薬剤師の視点で適切と考えられる量にしぼり提供しました。

また、一部の商品については入荷・在庫があるものについてLine等も用いてユーザーさんにお知らせしていきました。

もともとミナカラでは連用により薬物依存を生じることがある成分が入った睡眠改善薬や、咳止め薬、薬物乱用頭痛の原因となりうる消炎鎮痛剤などを中心に、必要以上の量や頻度での購入を防ぐ施策を実施してきました。
特定の商品に対しての購入個数や頻度のコントロールといった供給コントロールだけでなく、薬剤師によるチャットやメールや電話による説明やサポートや病院等への受診勧奨も実施してきました。

このあたりはオンライン薬局のように1ユーザーごとの購入量や頻度までデータ管理できるからこそ実現できる公衆衛生への寄与だと実感できました。

また、OTC薬を中心としたセルフメディケーションだけでなく、医療用医薬品の提供についてもオンライン服薬指導も活用し、薬局に対面でいらっしゃるのが困難な方に対してのサポートを開始していきました。

 患者さんはオンライン。私たち医療従事者は出勤が必要

経営面では、薬局という医療機関を経営している以上、どうしても薬局に薬剤師や従業員が出勤する必要があり、安心して勤務できるようにするためのケアを行いました。
マスク・アルコール消毒剤の提供はもちろんのこと、薬局の常時換気、勤務時の昼食で三密とならないような食事のデリバリーのケアなど行いました。

幸い、現時点で従業員から感染者は出ていませんが、引き続き油断せず対処していきたいと思います。

一方で、薬局・現場以外の業務、具体的にはエンジニアやデザイナー、マーケティング等の業務についてはほぼ全てリモートワークを選択できるようにしました。
結果的に鹿児島県や岩手県や石川県や北海道などの地方に移住する社員もでてきました。

また、リモートワークが主体となるなかで、全社での日次MTGの実施などを強化し、毎日事業開発の進捗確認と発生した課題をその場で解消するようにしました。

結果的にリモートワークを主体としたほうがプロジェクトのタスク消化スピード等の生産性があがったこともわかりました。

このように刻々と変化する状況に対して、薬局・薬剤師として何を提供できるのかを模索しながら、経営としては社員が安心して業務に集中することで生産性も上がるようケアしながら対応した1年でした。

2020年 主なミナカラのニュース<新商品提供>

ミナカラでは自社ブランド・デザインの医薬品開発も進めています。

ミナカラは患者向けの医療系メディアから事業を開始し、メディアでセルフケアに必要な情報を届けることで、患者さんが自分自身でそれぞれの状況にあった医薬品を選べて購入までできるようにしてきました。

ただ、医療情報の提供だけでなくオンラインでの医薬品の提供まで開始するなかで、既存の医薬品の多くがCM等のマスマーケティングとドラッグストア等の実店舗で提供する前提で開発されており、オンラインを活用したユーザー体験を最大化することを考えると、医薬品自体もオンラインの特徴に合わせて改善が必要だと考えました。
例えばオンライン上だと「熱からくる風邪には●色の●●」というCMを思い出しての買い方だけではなく、「授乳中だけど服用できる頭痛薬はない?」など、ユーザーさんの個別具体的なニーズや課題が顕在化されることも多いです。
一方で、既存の医薬品自体は「私の症状に合った薬」ではなく「風邪の人に合った薬」のようになっていたり、同じ「風邪カテゴリーの薬」だけでもたくさんの種類があって、他の商品と比較した時にブランド以外で何がどう違うのかが分かりにくくなっていると考えました。

また、そういった個別具体的な課題を薬剤師が支えるということはオンラインだからこそ対応できるし、将来的な薬剤師の活躍機会も広がるだろうと思いました。

そこで、製薬企業さんとタイアップし、(おそらく国内初であろう)オンライン医療に特化した医薬品を開発することとしました。

医薬品開発のプロジェクトは2018年から検証を進めてきました。そして2020年に正式にリリースしました。

また商品ラインナップも一気に17商品まで広がりました。

オンラインサービスらしく、発売後も患者さんの反応や意見をダイレクトに受けながら継続的に改善していきます。

2020年に新発売となった商品も含めた既存商品のうち3〜4商品ほどがデザイン面などを含めたアップデートプロセスに入っており2021年中にも順次リニューアル販売されます。

今後も製薬企業さんと協業しながら、患者ニーズを埋め課題解決につながる医薬品等の開発を進めていきます。

2020年 主なミナカラのニュース<幹部採用>

2020年は中盤〜後半にかけて経営体制を刷新しました。
ここまでは私も含めてワークスアプリケーションズ出身者が多い体制でした。

会社や事業の立ち上げフェーズにおいて、チームの凝集性は非常に重要だと考えています。
創業時は全てのマインドシェアを事業の立ち上げとグロースに集中したいものだと思います。
同じカルチャーバックグラウンドのメンバーで立ち上げると仕事のスタイルの違いなどに気を揉むこともなく、阿吽の呼吸で進めやすいという側面があると思います。
また、前職がベンチャーということで、「ミナカラで結果だしたら次は起業する」といった起業家精神が豊富な面々だったということもよかったです。
実際、ミナカラを退職したあとに起業・独立するメンバーが非常に多くなっています。

一方で、この体制をずっと続けてしまったことで、既存組織が苦手とする課題がなかなか解決されないなど組織として硬直化している側面もあったといった反省がありました。

また、これまで経営まわりの重要な意思決定と課題解決の多くを私自身がほぼ直接的に行なってしまっており、創業者である私自身が会社の成長のボトルネックとなっているという反省もありました。
経営に関して私より優秀な方は世の中にたくさんいます。

そこで、まず私より圧倒的に優秀で、カルチャーフィットする方を中心に幹部採用を進めていきました。
結果的に、私を含めて4名の経営チームとなりました。

また、採用後に経営合宿を繰り返し行い、私自身が経営してしまっている体制から、チームで経営する体制に役割だけでなくマインド面を含めて切り替えにいきました。

ポイントとしては、本人にも社内にも取締役会にも株主にも繰り返し「あなたに(ないしは、この人に)任せている」と言い続け、私も自分自身が集中すべきテーマを明確にして宣言しそれに集中し続けました。

 新しい経営メンバー①<森尾さん>

1人目はCSOの森尾さん。
森尾さんの詳細は下記のインタビュー記事に熱く書いてくれてるし、今後出てくるだろう森尾さんのコンテンツに譲りたいと思います^^
読んでもらえたら僕も嬉しいです。

森尾さんに(zoomで)初めて会ったときから直感的にこの人と働きたいと思っていました。

もちろん森尾さんの経験や実績がミナカラの次のステージに必要なものとフィットしている点もありますが、森尾さん自身がもともとからカルチャーや組織を大切にし、内面の熱いキャラクター、要はエモいことにも惹かれました。
また、過去に森尾さんと働かれていた方からの信頼が高く、応援されていたのも大きかったです。

森尾さんにはミナカラの経営全般を任せにいきたいし、これからが楽しみです。

 新しい経営メンバー②<吉谷さん>

2人目は吉谷さん。

創業直後から一緒に走ってきた吉谷さんに執行役員になってもらいました。

ミナカラは今までいろいろな事業を立ち上げてきましたがほぼ全ての事業立ち上げを吉谷さんが主導してきました。
メディア事業、お薬宅配事業、EC事業・オペレーション構築等の垂直立ち上げ、PB医薬品事業の立ち上げ。
そして現在主力のEC事業やPB商品は立ち上げだけでなくその後のグロースも吉谷さんがリードしてきました。

吉谷さんは社外の有識者も巻き込みながら自走式でどんどんキャッチアップして成長していきます。
前職から様々なチームメンバーや部下と働き、育成もしてきましたが、吉谷さんのような成長パターンは初めて会いました。
これからも吉谷さんの成長にとても期待しています。

 新しい経営メンバー③<井本さん>

3人目は井本さん。

井本さんはCDO(チーフ・デザイン・オフィサー)としてミナカラに加わってもらいました。
井本さんはbroom inc.というデザイン会社の社長でもあります。

broom inc.は1年ほど前からデザインやブランディングまわりをお願いしてきた取引先だったのですが、「うちにジョインしてくれ!!」「ミナカラのアイブになるまで事業・経営と一緒に成長してくれ!!」と頑張って口説きました。
初めて口説きに行った場に井本さん以外にもbroom inc.のメンバーがいたので「井本さん(御社の社長)をうちに!!それがbroom inc.の成長にもきっと繋がるから!!」とbroom inc.のメンバーにも説明しました。

井本さんにどうしても入ってもらいたいと思った僕の理由は以下の通りです。

①中に入ってもらうことで事業開発の速度を上げたい、打数を増やしたい。
②医療自体が専門性や情報難度が高いため、デザインやコミュニケーションで課題解決できる要素が多いと考えたため。
③特定の商品や機能のデザインではなく、事業全体をコントロールする必要があるし、事業を支える経営戦略や組織も含めてミナカラの全てをデザインしたいと考えたため。

また、これらはクライアントワークではなくミナカラに入って経営まで関与しないと実現できないし、それは井本さんにとっても良い挑戦と成長機会になると考えました。

加えて、経営合宿を通して井本さんのいままでの人生で起きたことや個人的なことまで共有するなかで、一人の人間としても「コイツと一緒に走りたい、一緒に成長したい」と思いました。

口説けた理由もこれらが大きかったんじゃないかと思います。

2020年 主なミナカラのニュース<ファイナンス等>

2020年の初頭はファイナンスまわりに走っていました。
2020年4〜7月に増資を行いました。

 既存株主への感謝

今回も新規の株主だけでなく、既存の株主にも応援してもらえてて、その点がまず非常に感謝でした。

ミナカラとしてファイナンス関連のプレスリリースを出すのは今回が初めてだったんですが、既存の株主への感謝も伝えたくて、リリースでも僕自身の投稿でも列挙させていただきました。

僕は本当に不器用な経営者でもあり、創業来スタートアップあるあるな地雷や失敗はことごとく踏んできたし、良い出来事だけでなく、失敗や苦しい局面のほうが圧倒的に多くありました。

ミナカラは創業時からベンチャーキャピタルを中心に出資してもらって立ち上げた会社でもあり、晴れの日も雨の日もずっと株主にも支援されてきました。

資金調達の実施を発表しました。 調達のリリースは初めてなので、晴れの日も雨の日もずっと支援し続けてきてくれている既存株主含めて記載させていただきました。 足元では製薬メーカーの販売支援・OTC薬の共同開発等の協業や、物流拠点(セントラル薬...

Posted by 喜納 信也 on Sunday, August 23, 2020

 新しい株主①<朝日メディアラボベンチャーズ>

新規の株主としては朝日メディアラボベンチャーズさん、カイゲンファーマさん、Spiral Innovation Partnersさんに加わっていただきました。

ミナカラの事業はコンシューマーサービスであり、医薬品のD2Cも内包している中で、D2C関連のスタートアップに投資をしており、コンシューマー向けのマーケティングやPR等に長ける朝日メディアラボベンチャーズさんには是非仲間に加わっていただきたいと思い口説かせていただきました。

 新しい株主②<カイゲンファーマ>

また、ミナカラとすでに協業を行っている製薬企業のカイゲンファーマさんにも仲間に加わっていただきました。
カイゲンファーマさん自身が製薬企業なので、ミナカラの医薬品商品開発を大きく後押ししてもらいながら、カイゲンファーマさんのマーケティング支援を行うことで、今後多くの製薬企業とタイアップするための検証を行ってます。

 新しい株主③<Spiral Innovation Partners(Logistics Innovation Fund)>

Spiral Innovation Partnersは、SVC(Sector-focused Venture Capital)という個社の事業シナジーだけでなくセクターの変革につながる可能性を模索されています。

なかでもLIFは、物流大手のセイノーホールディングス等が中心に出資しているファンドで、「投資対象は物流周辺領域のベンチャー企業。新たなプラットフォーム、業務プロセス改善、荷主層の拡大等が投資テーマ」となってます。

私はオンライン医療・オンライン薬局という産業を作るためには、患者さんの医療リテラシーをあげたりオンラインも活用した新たな医療サービスを提供するだけでなく、物流・サプライチェーン・医薬品等の課題解決まで手掛ける必要があると考えてきました。

自社でもお薬宅配や医薬品のEC提供などを含めて手掛けてきましたが、同時に物流企業との協業は数年以上模索してきました。

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それが今回、LIFさんが仲間になってくれたことで大きく前進しています。

また、スタートアップ側の立場として、ファイナンスのプロセスもSpiral/LIFさん&セイノーホールディングスさんは本当に素晴らしく、ありがたかったです。

Spiral/LIFさんとはちょうどコロナ禍で初回の緊急事態宣言が出る前後からコミュニケーションを開始したのですが、初回コンタクトから3ヶ月程度&ほぼ全てオンラインでファイナンスのDDだけでなくセイノーホールディングスさんとの事業提携内容まで取りまとめてくれました。

事業提携内容も数年前から取り組みたかった内容になっています。
(この事業提携は2021年1月末にリリース予定です!楽しみ!)

またファイナンスのプロセスを通じた事業提携以外にも医薬品の即日配送などの実証なども発生しており、セイノーさんの早さを感じます。

あと、セイノーの皆さんは何より人間味にあふれて現場と取引先を大切にする温かい方ばかりだし、そういった文化がすみずみに浸透していると感じました。

特に物流周りにシナジーがありそうなスタートアップの方にLogistics Innovation Fundさんもおすすめです!

今回のリリースのきっかけとなったSpiral Innovation Partners/Logistics Innovation...

Posted by 喜納 信也 on Monday, August 24, 2020

今日のノートは以上です。2021年の抱負はまたの機会で!

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これから一緒に走る仲間に会いたい!

ミナカラでは仲間集めを大切にしています。

ミナカラの話を聞いてやってもいいぞという方はぜひ気軽に話を聞きにきてください!


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