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【エッセイ】 年齢についてのモヤモヤ。
近頃、つくづく「年齢」の意味を考えてしまう。
年齢という概念は、誰が生み出したんだろう。
なんのために作り出したのだろうか……。
もし、年齢という概念がない時代に生まれたら、ウチはなにを思うのだろうか。フと「この世に生を受けて、どれくらいの月日が経ったんだろうか……」なんてことを思うのかなあ。・・・思わなさそう。
年齢よりも世界の大きさ、とか。そっちに関心が向きそうなんだよね。海の向こうにはなにがあるのか、とかね。だから不思議でならない。誰が年齢を定めたのだろうか。
年齢は国家が国民を把握するために作り上げた概念である、なんていう説もある。確かに明治以降、明確に年齢を作り上げた感はあるよね。それまでも元服があったりと、なんとなくの年齢はあったようにも思われるけど、古来から日本では「数え年」ってやつを採用していて、ザックリしてたような気がする。
昔は平気で年齢なんて忘れてただろうなあ。
なんとなく小さくて子どもっぽかったら「子ども」認定をして、なんとなく頭よさそうだったら上級生と一緒になって勉強をさせたり、とか。そんなんだったんじゃないかしら。もちろん「定年」なんて考えもなかったと思う。なんとなくバリバリに動けなくなったら、ご隠居さんとして、その村の図書館的な存在になっていくーーそんなイメージ。
なんとなく、って曖昧かもしれないけど、ウチは好き。厳密にルールがあるのも、大切だけど「なんとなくの合意形成」ってのも魅力的だと思っちゃう。
いやね、仕事をしていると、年下の子でも物凄く成熟した考えや、多くの視点を持つ人と出会ったりするんだよね。「あなた、人生、何周目ですか?」みたいな人ってゴロゴロいる。反対に年上の人でも、恐ろしく幼稚な考え方を持っている人もいて、びっくりするくらい視点が少ない人もいる。
別にウチは人を判別できるような身分でもないし能力だってないんだけど、そう思ってしまうんだから仕方ない。そんな状況に出会うと、本当に年齢について疑問を抱いてしまう。年齢のせいで、色メガネをかけてしまうじゃないか! と天に向かって叫びたくなってしまう。
そして、若いからといって価値観までも新しいとは限らない。年が若くたって、古風な考え方を持つ人もいる。老年にも関わらず、とても柔軟な思考を持っている人もいる。
そうなってくると、年齢がいよいよ謎めいてくる。なんのために年齢が必要なんだろうか……。もちろん、経験が浅い者にとって不利な社会が待ち受けているというのも分かる。「子ども」という概念が生まれる前は、何歳だろうが労働者だった時代もあるんだもんね。なんとなく年齢が必要なのも頷けるんだけど・・・。
でも、大人になったら差なんてないよ。むしろ、年齢が邪魔することの方が多いと思ってしまう。「わあ、タメだね!」なんてことでコミュニティは生まれるのかもしれないけど、その程度のものでしょう。社会保障とかのために必要なのもわかるけど。年齢という概念のおかげで、人を区分することが多い気がして、なんだかなあと思ってしまう。
たぶん、こんなことを考えているウチが一番、年齢を気にしているんだろうねえ。
年齢が邪魔して、自分自身がブレーキを踏んでいる瞬間が多々あるんです。ああ、やだなあ、この習性。なるべく、年齢は聞かないで接するようにしてるんです。そんなことを考えていると、学生服の必要性に気づいたりもするんです。
学生服があるだけで、パッと「この人は、社会が守らないといけない存在」だと認識できるもん。制服って、見た目で社会的な立場を提示することができる防御服なんだろうねえ。
ああ、考えがまとまらない。
年齢についての謎は深まるばかり……。
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