お土産

最近おばあちゃんの形見分けでペアのネックレスとイヤリングをもらった。私とよく似ていると言われるおじいちゃんがおばあちゃんに渡したお土産らしい。箱を開けると見慣れた綺麗な文字で書かれた日付と貰った経緯が書かれた紙が入っていた。そんな所までおばあちゃんらしい。
それは私が1番好きなブランドで、今年の誕生日には自分用でネックレスを買おうと思っていたブランドだった。どうやらそのブランドのアクセサリーをおばあちゃんが持っていたらしい。勿論その事は家族みんな知っていて、どうにか私に渡そうと探していたらしいがおばあちゃんが亡くなって4年、見つかる兆しは全くなかったとのこと。
家族が私の家に旅行にくる前日、実家にいる家族がふとおばあちゃんの化粧台の引き出しを長らく開けていない事に気づき、化粧台の木が腐っていないか確認したくなったらしい。開けてみると今回もらったアクセサリーボックスがあり、それ以外はピン留めやただの空箱など特に何もなかったとのこと。旅行の前日に見つかるなんて、おばあちゃんが渡しなさい!!って言ってるのかな?なんて気持ちになったよと皆笑っていた。

小さい時両親が共働きでおばあちゃんが面倒を見てくれていた。
父も母も空を飛んでいる人で家を空けることが多く保育園のお迎えやイベントはやっぱりおばあちゃんが来てくれた。
両親に揃って会えるのは週に1回もなかった時もあったけどおばあちゃんがいてくれたから寂しかった記憶や苦しい胸が痛む思いなどはあまりない幼少期。
私が成長しても家が近かったこともあって記念日やイベント、何もない日も頻繁に会えた。
誰がみても美人で知的で料理上手で、裁縫やダンスが得意で、歌が上手でコンサートに呼ばれてウィーンに行った事もあった。自分に厳しく周りに優しく本当に美しい人だった私の憧れの女性。無償の愛と聞いて思い出すのはやっぱりおばあちゃんの存在。私がどんな成績を取ろうとどんなに下手くそなピアノを弾こうといつでも、貴方が誇らしい、私の孫でいてくれてありがとうと言ってくれた。何を着ても可愛いと言ってくれ、身嗜みに気を使ったりメイクをした時も自分で出来るなんて本当に素敵といつでも褒めてくれた。
おばあちゃんが亡くなって4年経つけれどまだまだ悲しくて涙が出る。メールを見返してやっぱり元気が出るなぁと思い寂しさが込み上げて泣く。街中で祖母孫の関係であろう人を見ていいなぁと少し胸が痛んだり、やっぱり会いたいなぁと思う。彼が結婚の話を出すとおばあちゃん!私の結婚式までは長生きするって言ったじゃん!と少し腹を立てたりするがやっぱり会いたくなる。
最近少し落ち込む事があって上手く消化できずになんとも言えない日を過ごしていたのだけどやっぱりおばあちゃんが支えになってくれるんだなと思った出来事。ネックレスとイヤリングが今日も綺麗。

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