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風景の私

絶対にセックスしない、ちゅーはするけど。俺は絶対に彼女と別れないしお前のこと好きにはならないけどそれでもいいならソフレにならない?

そう言って私にキスをしようとする知り合い。私のどこに勝算を見出したんだろう。そんな申し出をいいですよなんて言うと思ったのかな。もし見えたなら悔しくて今までの自分の行動を改善したいところ。彼とも彼の彼女とも知り合いの私が受け入れるはずないじゃないか。今まで仲良くしてくれたこと、辛い時に助けてくれた事を思い出して苦しくなった。あれは全部そういう下心の伏線だったのだろうか。尊敬して好きだった知り合いはただの知り合いになった。

某有名占いサイトによると下半期の私は勝手に人が集まってくるらしい。マイペースに生きて人を集めようと思わなくても集まるらしい。人間が好きな私にはありがたい話。ただ私に集まってきた人たちは割とクセが強かった。こうやってソフレを打診してくる人、初対面からガチガチに狙いに来てくれた人、彼女がいるのに告白してきた人、サイコパスみたいな曖昧な関係の人、別れて半年以上も経つのに私の話をしてる私を振った元カレ、可愛いあざとすぎる後輩、他にもたくさん。恋愛に発展しそうなカテゴリの人たちはみんなクセが強くてこうやって文字にすると面白い人たちだった。その人たちのおかげ、その人たちのせいか私は人のことを信頼しにくくなった。以前より人間不信が加速した。この人も私のことをベラベラ話しているのではないか、元カレが話す不快すぎるネタを笑って聞いてるんじゃないか、こんな事をする倫理観なんだからきっと口も軽いのでは、そうやって疑ってしまう。大好きで仕方ない、きっとそんなことをするはずがない人たちのことを疑ってしまう私。あまりにも心が不安定で冬っぽいなぁなんて思う。そうやって疑っていた時にサークルのメンバーがちょっとしたサプライズをしてくれた。きっと側から見たら小さなことを大切にしてくれたこと、あまりに嬉しくて幸せで照れ臭くなった。普段の私をしっかり見ていてくれたことが伝わってくる彼らの行動、そんな人たちを疑っている自分の醜さ、完璧に信用できない苦しさ、季節が変わっても元彼の行動に傷ついてる私の弱さに気持ちがごっちゃごちゃになった。              そのサプライズの後、一足先に帰らなければいけなかった私を皆で見送ってくれたサークルのメンバー達。笑顔で手を振られながらエレベーターの扉が閉まった。途端に気持ちが溢れて涙が出てきた。いい意味で人のことを見ていない、気にしていない。うまくいかないなぁ。どうやったらこの人達のことを前みたいに純粋に大好きでいられるんだろう。どうやったら怖くならないんだろう。なんだか最近気持ちが不安定でうまくいかない、涙が溢れてくる。東京は不思議な街。こんなに沢山の人でごった返しているのに皆お互いに無関心。華金に東京で泣きながら歩く女。そんな私の姿もその街の背景の一部になる。そんな背景の私は今日もなんとも言えない気持ちで眠る。人肌が恋しいような気もするが今日も1人で寝る。お気に入りのパジャマ、お気に入りの音楽を聴いて寝る。明日は月曜日、週の始まり、学校もバイトもある。

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