わたしにはママ友がいない
わたしにはいわゆる「ママ友」がひとりもいない。息子は保育園に生後3ヶ月から通う、この道6年目のベテラン園児だ。友達を数で測るものではないと理解してはいるが、子どもの頃から「友達をつくる」ことが苦手だったわたしは、大人になっても友達が少ないことをやはり気にしてしまう。
神経をすり減らす人間関係や読み解くことができなかった女子ルール、終わり際の分からないメールのやり取り、それらがとても苦手で、頑張ることができなかった。だからといって友達なんて不要だと言えるほど強くもないし、煩わしい人間関係から逃れた一方で、自分は一生、誰からも認められず、愛されることもないのではないかと、いつもふんわりとした恐怖心と孤独感を抱いていた。
しかし、学校という枠組みから出てからはこれかなと思える仕事を持ち、生活を支えられるようにもなったし、信頼できる仕事仲間ができた。なにより、愛する夫と息子がいる。限られた人間関係のなかでわたしは、とても穏やかに暮らしている。
子を育てるなかで、仕事と育児のバランスで葛藤したこともあった。受けつけてくれない母乳は1ヶ月で渇れ、寝返りや歩くこと、発語も遅く、発達が遅いと検診で言われて、大泣きしながら夫に報告したこともある。そのときどきで頼ったのは保育士や保健師、専門医で、専門家以外には相談もしなかった。だいたいのことは夫婦だけで(あるいはインターネットで)困り事は解決してきた。この子育ては、もしかしたら褒められることではないのかもしれないけれど、とにかく夫と力を合わせ、時には醜い姿を晒し合いながら向き合い、戦ってきた。最近ではあらゆる悩み事もひと段落し、外で社会性を身につけて帰ってきた息子に、こちらが怒られることも増えてきたほどだ。
「ママ友」がいなくたって、わたしはこれまでやってきたし、きっとこれからもどうにかやっていくだろう。「友達がつくれない」ことを気にするのはもうやめにしてあげようと思う。これから10年ほど続くであろう、誇り高きぼっちママ人生を楽しんでいきたい。
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