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「TENET」のもやもや、解決したい!!!

久しぶりの映画館。以前から気になっていた映画「TENET」のチケットを片手にポップコーンとジュースのセットを購入。準備は万端。事前に友達から「理解するのに時間がかかる」とは聞いていたが。さて、お手並み拝見といきますか。
いざーーー!!!
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...むずすぎん?頭こんがらがりすぎてもう考え事できんわ…面白かったけど。
うん、面白かったけどさ、なんか頭モヤモヤする………。

そんなこんなで、家に帰ってから色んな方の考察やあらすじ解説を漁ったのですが何故かしっくり来ない...というわけで自分なりに整理して、こんなものかな?という答えには一応たどり着いたのでそれをここに書き記したいと思います。お時間のある方はぜひお付き合い下さい!

ちなみに!ここでの詳しいストーリー解説などは行いません(色んな方がもう既にやっているので)。あらすじ等をしっかりと復習したい方は別の方のサイトでご覧になってからもう一度戻って来て頂ければ幸いです。また、完全に憶測の部分もありますので、一意見としてこんなものもあるんだ、くらいに留めていただけたらなと思います。

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まず、何がモヤモヤするのか。疑問を以下にまとめてみました。

① ニール最後何でわざわざ死にに行ったん?
② TENET計画とやらは成功に終わったん?
③そもそもニールって誰なん?
④ カーチェイスの時のセイターがほんとに理解できん!!!
⑤「TENET」ってどういう意味?

①を考える上で自分がまず考えたのが、この世界はパラレルワールドなのかどうか。時間を題材にした作品だと、「すでに荒廃した世界(世界線A)を守るために過去に行き、諸悪の根源を倒してハッピーエンド!(世界線B)」っていうパターンもありますよね。これだとかなりストンと腑に落ちやすく理解しやすいのですが、今回はちょっと違うような。その理由として1番大きなものは、最後のニールの行動です。TENET作戦は成功し、世界を救った3人(主人公、ニール、軍人みたいな人)はハッピーエンドで終わりかと思いきや、ニールは「やることがあるから戻る(逆行する)」(=過去に戻って扉を開け、主人公の盾にならなければならない)と主人公に別れを告げます。もしこれがパラレルワールドであったなら、ニールは過去に戻らなくてもいいわけです。平和な世界がそこにあるわけですから。すなわち、この世界はパラレルワールドではなく、(過去から未来への)一直線の世界であることが分かります。そもそもこの物語のキモは「逆行」なわけですから、一直線でなければならないのですが…。

そうすると、少し全体像が見えて来るのではないでしょうか。この映画「TENET」は冒頭部分(オペラハウス襲撃時点)の主人公の視点を「今」とおいた物語なわけです。

というわけでここからは自作の図と共に...(見にくくてすみません!)
ちなみに真ん中より上を順行、下を逆行にしています。

先ほど述べたとおり、この物語は赤丸で囲んだ主人公とともに進んでおり、また一つ押さえておきたいのは物語に出てくるニールは「未来のニール」ということです。最初のオペラハウスで主人公が何者かに助けられたシーン、あれが未来のニールの初登場シーンでした。てことはあの瞬間、①オペラハウスで主人公を救ったニール、②最終決戦で主人公と軍人さんを車で引っ張り出したニール、③建物の中で内側から扉を開け、主人公の身代わりになるニール、そして④物語には出てきていない現在のニールと4人のニールが存在したことになります。もっと言えば①〜③では同じタイミングで主人公を3回助けているという。ニール、主人公より主人公してるで...。

ちなみにこの物語で面白いなと思ったところなのですが、確かプリヤに初めて接触した時の会話の中で、「オペラハウスと同時にスタルスク12でも爆発があった」という内容があったと思います。それが意味するのは未来の主人公はその時既に世界を救っていたということであり、未来のセイターはその時死んでいるということで、つまり映画が始まったあの瞬間に物語はもう終わっていると言っても過言ではないんですよね。うーん、難しい。けど面白い。

さて、②のTENET計画はどうなったん?についての話ですが、結果から言うともちろんアルゴリズムの発動を止めることに成功しました。しかし引っかかるのは、それならなぜ未来の主人公がTENET作戦を実行したかってことです。だって、セイターも死に、アルゴリズムも分解して隠したのならもう第三次世界大戦だとか気にしなくていいわけですから、TENETとかいうのもやらなくていいわけです。と言ってもここまで読んでくださった皆さんならもうお気づきだと思いますが、主人公はここからTENET作戦をしなければならないのです。ニールの身に何が起こるのか、この作戦はどうなるのか、そういうの全部知った上で一から進めなければならないんですよね。じゃないと過去の地点でこれから起こる第三次世界大戦の危機は止められませんから。

いったん私なりにこの物語をまとめると、物語最後のプラヤを殺した主人公(未来)はこの後(いつかはわかりませんが)ニールを雇い、TENET計画を始めます。過去に逆行してきたニールはプラヤなどを使って過去の主人公を操り、また共に行動しながら作戦を進めていき、ついには命を賭して主人公を守りこの作戦を成功に導くわけです。もうこれニールが主人公じゃん...。

ここで少し③ニールって誰?について。巷で噂になっているのは「ニール=マックス(キャットの息子)説」。これは大いにあり得るかなと思います。なぜなら、未来のニールは現在の主人公と同じくらいの歳(20代半ばくらい?)であることを考えると、逆行し始める未来の地点においては10代後半くらいだと推測できます。(逆行はタイムスリップと違って5年戻るためには5年間逆行し続けてから順行に戻す必要があるため)物語の地点でマックスの年齢はおそらく10代の前半、仮に12歳くらいだと仮定すると...

①主人公は密かにTENET作戦を進めているうちにマックスがニールだと気づく。
②苦悩の末、マックスと接触し、彼にあれこれ教える。(鍵の開錠が得意だったのは主人公が自分の不得意をカバーさせるために教え込んだから?)
③17歳くらい(5年後)のマックスに、彼の最期も含むTENETのことについて全て話し、協力を要請する。
④マックスは承諾、主人公は彼をニールと命名。
⑤そしてニールは過去へ...5年間逆行のため齢は23歳くらいに。

あくまでも個人の妄想ですが、こうみると妙にすんなり当てはまるというか、なんとなく納得できるような...。ニールの最期を目の当たりにしながらも、人類を救うためには彼を過去に送り出さなければならないという主人公の葛藤があったでしょう。過去にマックスを送り出す際に母親のキャットもかなりの反対をしたのでしょうが...最終的には認めざるを得なかったのです。だって彼女もまた、ニールに救われたうちの1人でしたから。また、たびたびニールが口にしていた「起きたことは仕方がない」というセリフについても、何が起こるか全て知っているニールだからこそ出てきた言葉だったのではないでしょうか。

セイターやキャットについても少し触れると、ベトナムでのボートにいたのはキャット(現在)、キャット(未来)、セイター(未来)の3人。じゃあその時セイター(現在)は何をしていたのでしょうか。また、オペラハウス時点からカーチェイス時点までキャットは2人存在しているんですよね。考えれば考えるほどややこしくなるような...。

さて、最後の④についてですが、これはカーチェイスのシーンで追いかけてきた(ように見えた)黒のSUV後ろから後ろ向きで追いかけてきたのに対して疑問を感じました。だって、順行している主人公から見て逆向きの動きをしているということはあの車に乗っていたのはセイターであるのは間違いありませんが、主人公から見たチェイス開始地点において、セイターの乗っている車は黒のSUVではないはず。(オレンジの箱を受け取るとキャットを残してすぐさま他の車に乗り換えたため)しかも、セイターが逆行しているということは、主人公から見てオレンジの箱を受け取ったより先の地点でセイターはガラスを開けて箱を渡すように警告したはずなのに、なぜかその手順は順行と同じです。自分の考えすら説明するのは難しいですが、あそこだけはなぜか納得がいかないのです。自分の理解力不足かもしれませんが...。

何はともあれ、ここまでが私の行ったこの映画「TENET」に関する考察です。カーチェイスのシーンは本当に理解が難しいものの、他のシーンのことについては図示すると意外とシンプルだったりもしました。さて、最後にこの映画のタイトル「TENET」についてですが、これは一般に「TENET」という文字列が「TEN」の回文であることから最終決戦が10分前と10分後から行われる挟み撃ち作戦を表していると言われています。それに加えて、私はこの主人公の人生そのものが「TENET」だというふうに捉えています。つまり、主人公はこの作戦を無知のまま最初からこなしたわけですが、この後主人公は未来からもう一度過去の自分に働きかけてこの作戦を完了させなければならないのです。過去の自分と未来の自分に当てられた使命、これが「TENET」だったのではないでしょうか。

ここまでお読みいただきありがとうございました!
こんなにも考察に時間をかけたのはいつぶりか...というくらいこの映画は奥が深いなと感じました。それぞれのキャラクターにもクセになる個性があって、当分この映画のことがなかなか頭から離れないかと思います...(笑)
正直、こんな半端な考察で何を伝えたかったかと言うのは難しいですが、ひとつに自己満、そして、他の人の意見を聞くだけじゃなくて、こんなふうに自由に考察するのも楽しいんだよっていうのを見せたかっただけかもしれません。
あくまでも私の考えなので何かご指摘があればご教授願います。
改めて、ありがとうございました!!!

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