インド水引交流旅-おまけ-
前回の滞在では書けなかった事や、イベント以外の日も毎日目まぐるしく楽しいことが満載だったので書き留めておきたい。
kolam(コーラム)
南インドではレストランやホテル、家の玄関先でよく見かける幾何学模様のkolam(コーラム)。ヘッダーの背景にもしてあるが、この古くから描かれてきた芸術的な吉祥紋様は、祖母から母へ、母から娘へと代々ヒンドゥー教徒の女性が継いでゆくもので、家系によって絵柄が異なるそうだ。美しいコーラムを描けるようになることは、一人前の女性の証なんだとか。米粉や石灰を使い、砂時計の砂ように細く指の隙間から均一に少しずつ地面に粉を落としながら、あっという間に描きあげる。
チェンナイではコーラムコンテストまであるらしい。興味ある方は「インド コーラム」で検索すると色々出てくるので調べてみてほしい。YouTube でも実際に描いている動画が見られる。
チェンナイの画材屋さん
旅行で行くとあんまり足を運ぶことはないかもしれないが、チェンナイにある画材屋さんを紹介したい。土地勘もなく連れて行ってもらっただけなので、詳細はクリックして確認していただきたい。 今回連れて行ってもらったはHindustan Trading Company 。都内でいうと世界堂のような場所で、ビルが一棟丸々画材関係を販売している老舗画材屋さん。
絵の具やスケッチブックやファインペーパーから、イーゼル、キャンバス、額装の相談をするサロンまである。
フレームもシンプルなものから凝った彫刻のものまで、なかなか品数も豊富。
お値段もお手頃なので、荷物の容量に余裕があれば買って帰りたかったが、行く時から荷物パンパンスーツケースだったので残念ながら断念した。 悔しい。
友人を招いてのプライベートレッスン
今回もMさんのお宅に友人を招いて数回レッスンをさせていただいた。
前回も参加された方達にも再会でき、少し難しい結びにもチャレンジして有意義で楽しい時間になった。
ラリット・カラ・アカデミー(Lalit Kala Akademi)
今回の滞在中、ラリット・カラ・アカデミーにお邪魔する機会をいただいた。ラリット・カラはインド国内数カ所にある国立の芸術振興団体であり、チェンナイには最も古い支部であるラリットカラ・アカデミー・チェンナイがある。
ディレクターにお会いする事ができ、インド各地の伝統工芸や伝統芸能、若手クリエイターの育成などについて熱い思いを伺い、貴重な時間を過ごすことができた。インドは広い。それぞれの民族が守ってきた技巧があり、色彩がある。
私自身も水引という伝統工芸を扱う端くれとして、アートのバランスをもう一度考えていくいい機会をいただいた。
そして敷地内にはギャラリーが併設されいる。施設内はかなり広く、本格的な展示がされている。
訪れた時はインド映画史の写真展をやっていた。エントランスのタペストリーに写っている女性はインド映画のパイオニアと言われた女優のデーヴィカー・ラーニー。
1800年代後半、実際に撮影に使われていたカメラや撮影の様子を収めた写真、イギリス領時代の独特な風景の展示や無声映画のフィルムの上映もされていた。
レストランの厨房拝見
カルールに行った時、ランチで行ったレストランで、オーナーが厨房を案内してくれた。このレストランでは昔ながらのレシピで伝統的な南インド料理を出してくれる。調理にもちろんガスは使うが、メインはかまどだった! ずらりと並んだ調理器具だが、どうやって使うのか、何を作る時に使うのか分からないものも多い。
そしてここのレストランではフィッシュカレーが絶品だった。相変わらず辛くて泣きながら食べた。見かねてオーナーがヨーグルトとライムジュースを出してくれた。インド人の「そんなに辛くないよ」は私にとって「休憩しながらならなんとか食べられるレベル」ということを理解した。
この小さなボウルに入ったカラフルな粒々とか鉛筆の削りカスみたいなやつは、食後のお口直しや消化を促すためのもの。日本でもインド料理屋さんへ行くとレジ横などに置いてあるのを見たことがある。カラフルな粒々はスパイスの「フェンネルシード」をカラフルに砂糖でコーティングしたもの。他は初めて見た。それぞれ役割があるのだとは思うが、特徴的な味はなく、何に効いているのか分からなかった。辛さとの戦いの後だったので味がしなかったのかもしれない。ちゃんと聞いておけばよかった。
サンチャ ティー(San-cha tea boutique)
今まで自ら好んで飲むことのなかったミントティーにハマった。写真はニューデリーやムンバイなどに店舗展開している有名なティーブティックのサンチャ ティーブティック のミントティー。 Mさんにご馳走になったミントティーが美味しくて、お店に連れて行ってもらった。チェンナイにあるphoenix marketcity mallというショッピングモールの中にオープンしたらしい。ダージリン、アッサムなどの高級茶葉からマサラチャイ(チャイティーブレンド)やミントティーのようなハーブティーまで品揃え豊富で、パッケージが可愛い。茶器もカラフルで素敵だった。気になるものはどんどん試飲させてくれる。お土産にオススメ。
思い返せばちょうど一年前の今頃はインドにいた。1年後に世界規模の感染症が流行していることなど誰が予測できただろうか。今年は海外での文化交流の企画は全て中止。次はいつになるのか分からない。それでもいろんな形でチャレンジしたり発信したりしていきたい。
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