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【編集後記】 たいへんな時は、また”UMAI”もんでも食べよう

この記事は、食べるマガジン『KUKUMU』7月に掲載した「ポートランドで出会った、一杯のラーメンがつなぐもの」の編集後記です。

先月もKUKUMUのエッセイを読んでいただいて、ありがとうございました。もう8月なんて、びっくりです。この留学生活には、KUKUMUがあり、「あ…..もう今週、私の次の記事が更新だ…..」と時間が経つ速さを、教えてくれます。

留学生活も、3ヶ月目に突入しました。日々、面白いことが起こり続け、すぐに文字に乗せちゃえるようなことも溢れています。だけど、アウトプットの方法は考えどころ。

観光マップに載っている「ポートランド」だけでは見えなかった美しさ、怖さ、違和感などが私を取り巻いていて、安易に切り取ると見落としてしまうものの怖さにも、やはり目をむけていきたいなと思っています。だから、焦らずじっくり、目の前にある一つひとつから、やっていってるつもり。

その中のひとつとして「KUKUMU」という場を借りて、毎月、ポートランドでのあれこれを文字にしてみる実験中です。ぜひ、いつでも、だれでも、記事の感想やフィードバッグなどをいただけたら、嬉しいです!

今回は、初めてポートランドで執筆したエッセイでした。
読んでくれたかな。

「6月に日本で書いたものと比べ、エネルギーが増してる!」とのコメントを数人からいただき、ものすごく嬉しくなりました。「食」というテーマで書いているはずなのに、自分の変化まで文字に乗るのは、やっぱりエッセイの面白いところだな〜と思います。

↓比べて読んでみたい方は、こちらからどうぞ↓

<留学直前>

<留学直後>

7月のエッセイには、"UMAI"ラーメンで、留学直後に起こった大変な壁の乗り越えた話を、書きました。

そこから今日までで、久しぶりに言語の壁にぶつかったので、その時の話を編集後記としたいと思います。(実際に友人から、このことを書いて欲しい!というリクエストも、もらったので!)

***

このラーメンのエッセイを出してからの1ヶ月。「オープンマインド」を一つの目標に、どれだけ英語が下手でも、とにかく逃げずに、心を開き続けておく!というのを意識していました。

ある日。インターナショナル生の集まりで、みんなで夜ごはんを食べていました。

自分の隣の席にいた子は、3ヶ月だけインターンのためにベルギーから来た女の子と、この付近の某有名なIT会社でエンジニアをしているインドから来た男の子。

「日本では、"Belgium"(英語でベルギーのこと)を、"BERUGI-"と発音するんだよ」

発音の違いは面白いかな〜と思って、話したとき。

「ふっ….なんて言われ方…..かわいそうに…..」

文化の違いへの興味ではなかった。帰ってきたのは、小馬鹿にするように、小さな声でこそこそと話す声。

「あれ、なんとなくおかしいな…..」と思っていた矢先、

インドガイ:「何をここで勉強しにきたの?」
私:「色々あるんだけど、教育の勉強かなあ。」
インドガイ:「教育の中でも、特にどんな分野の勉強….?」
私:(うまく聞き取れない)「あれ、教育の…..?」
インドガイ:「この人、何回言っても、”教育”ってしか言わないんだけど…(笑)」

ちがうよ。ただ、うまく聞き取れなかったんだよ。
なんで、もう1回、質問を教えてくれないんだろう。

その後も、自分の発音をネタにするような話になったり。

必死に話しかけたベルギーの子も、自分が話す時は質問に答えるだけだったのに、英語が「できる」ネイティブの人や中国やインドなどの他のインターナショナル生が来た瞬間、ものすごい勢いで話はじめたり。

仲間はずれにされたような感じはしたわけではないし、その後も「こっち来なよ〜」って声をかけてくれた。だから、これらの行為は、彼らにとっては悪気がなかったことだったのかもしれない。

だけど、私は、悔しかった。
いや、それ以上に、悲しかったのかな。

その日は、家に帰って、一人でいっぱい泣きました。次の日、海に行っても、ちょっと英語の会話で聞き取れなかったら、自信がなくなってしまって、店の中で我慢できず、泣き出してしまいました。

ああ。うまくいかないや。オープンな心を持っていても、やっぱり辛くなってしまう時もある。こっちに来て、たいへんなことは、日本と同じようなこともあるし、自分がマイノリティになったからこそ、アメリカにいるからこそ感じることも、ある。

「アメリカにいるなら、そんなことくらい、いっぱいあるよ。だから、”何がおかしいの?"って言えるくらい、強くあるんだよ。」
ホストマザーに言われた言葉。

聞いてすぐにはそう思えませんでした。でも、今こう考えてみると、やっぱり、外に出れば出るほど、自分の不甲斐なさにぶちあたる。でも、その分、人のあたらしい優しさや感じたことのないような気持ちにも出会えました。そしてなにより、泣きながらでも、「UMAI、UMAI」とマフィンやポテトを食べれるくらいには強くなってきたんだと実感できたんだ!

ポートランドに来て、頭や体をいっぱい使ってヘトヘトになるたびに、「こんなところで、負けたくねえなあ。」と思うたびに、家族に用意してもらっているあったかいごはんや、街のごはんやお酒に助けられている気がします。

改めて、今ここで過ごせるようになるまでに、出会った全ての人と、この地だからこそ出会え人、そしてUMAIごはんに感謝して。

まだまだ、負けないぞ。
奮闘の日々は、まだまだ続きそうです。

***

(おまけ)
海外の日本食といえば!ということで、ラーメン以外に、ついに寿司も食べました。いかにもアメリカっぽい寿司も楽しめながら、日本の味も思い出せるような、たのしいお店でしたとさ。

そして……本日22時に、8月のKUKUMUの記事が出ます!!!
今までのテイストとは、また全く違うもの。ぜひ、お楽しみに。




いつも、応援、ありがとうございます!サポートいただいたお金は、6月から約8ヶ月間のアメリカの留学費に全額使い、その体験を、言葉にして、より多くの人に、お返しできたらな、と思っています。