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「とにかく書いてみる」と「ひとに話してみる」で頭の中を整理する
外山滋比古さんの『思考の整理学』にこんな一節があります。
書くのは線状である。一時にはひとつの線しか引くことができない。「AとBとは同時に存在する」、と考えたとしても、AとBとを完全に同時に表現することは不可能で、かならずどちらかを先に、他をあとにしないではいられない。
頭の中であれこれ考えているだけでは、考えがまとまらないなぁというときが多々あります。そんなときに書き出してみることで頭の中を整理できることを言い表してくれた文章です。
僕も自分の考えがまとまらないなという時や、考えていることを順序立てて説明したいなと言うときに、「書いてみる」を使います。
書くとスッキリするなぁと思っていましたが、なるほど、立体的な頭の中を線状のことばとして表すことで整理していたんだなと理解できました。
以前のnoteで書き出せないときには、頭を使わずに書ける小さなことから始めると良いよと書きました。
『思考の整理学』でも「とにかく書いてみる」ことで書けるから書いてみるといいと励ましてくれています。
いくらなんでもこのままで書き始めるわけには行かないから、もうすこし構想をしっかりしてというのが論文を書こうとする多くの人に共通の気持ちである。それがまずい。
気軽に書いてみればいい。あまり大論文を書こうと気負わないことである。
いいものを書きたいと思わない人はあるまいが、思えば書けるわけではない。むしろそう言う気持ちをすてた方がうまく行く。
励まされます。そうです。いいものを書こう、もっと調べなきゃと考えて一向に書き出さないでいると何も出来上がりません。とにかく書いてみること。書いてみると書く前に材料がまだ足りないと思っていたことが嘘のように書けることもある。
書けないと思っている時こそ、とにかく書いてみる。書くためには「とにかく書く」に限ります。
書くことと同じくらい大事なのこととして「ひとに話してみる」ことも語られています。
書いてみることのほかに、聴き上手相手を選んで、考えていることをきいてもらうのも、頭の整理に役立つ。
『平家物語』はもともと語られた。くりかえしくりかえし語られている間に、表現が鈍化されたのであろう。たいへんこみ入った筋であるにもかかわらず、整然として頭に入ってくる。作者はいかにも頭脳明晰であるという印象を与えるが、これはひとりの作者の手柄ではなく、長く語ってきた琵琶法師の集団的功績ともいうべきであろう。
僕は書くことよりもめちゃくちゃ人に話します。誰かに話しているうちに自分の頭の中を整理できていく感覚です。仕事中や家で家族と過ごしているときに話すことで頭の中を整理する。
そうやって話したことって、どこかでもう一度話そうとすると以前よりも上手く扱えるようになっている感じがします。
話してばっかりではなくて「聴くこと」も大切なのは認識しているんですが、どうしても話して自分の頭を整理しようとしちゃうのが僕の思考のクセかもしれませんね。
思考のクセかもしれませんが「とにかく書いてみる」と「ひとに話してみる」を使って立体的な頭の中を整理していくことはこれからも実践していきたいなと思っています。ただアンラーンを考えるんであれば「聴く」を身につけることも必要かもしれません。
「聴く」についても今度考えてみます。
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