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昨日、パリのブティックで。

バッグも時計も、空港免税店やアウトレットでは買わない。

矜持というと偉そうだけれど、店と顧客の信頼関係は幸せの素だと思うから。直営ブティックで、気に入ったものを見つけて予算と合えば買う。そうでなければ、またの機会に…

フランス在住になって、ブティックやデパートでの免税手続きが(国籍にかかわらず居住者は不可なので)出来なくなったので、気づいたら、うんと値の張るものはもう長いこと買っていない。(もちろん、そうしたいからというより気軽に買えないからだけれど)

身につける機会が限られているので、なんだか、うんと若い頃背伸びして買ったものが今頃役に立っていたりする。

一方で、こちらで暮らすようになってからは、治安を鑑みて選ぶせいもあるけれど、ふだんづかいのバッグは、なんだか定番を(傷むと)繰り返し買いあらためる。

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服を10着しか持っていないわけではないけれど、バッグも靴も衣類でも、なんだか気に入ったものは繰り返し同じものを買って(身につけて)いたりする。

そんな中で、限定生産(にもわりと弱い)で新しいものが手に入らない場合は、どうしても手放せなかったりして…この赤いバッグはもう10年選手で、ついに持ち手がほつれて外れてしまった。

それでも、捨てるには忍びなくて、しばらく手元に置いていたのだけれど、(さすがにちょっとためらいつつも)いつも(といっても頻繁ではない)買うブティックに持っていった。

店頭の人は最初「無理だと思います」と言ったけれど「念のため、工場に素材確認してみます」と奥の部屋へ。ほどなく責任者が出てきてくれて、「同じ色の糸が残っていたからだいじょうぶです」と快く修理を引き受けてくれた。

「せっかくなので、他の傷みも直しましょう」と底の縫い目のほつれも控えてくれて、バックルが新しいのに目を留めた。実は、昨年、気づかずに外れていたようで失くしてしまって、交換してもらったばかりなのでキラキラしている。

「2ヶ月近く時間はかかりますが…」と言われたけれど、ロックダウンのことを思えばあっという間に過ぎるはず。

そうして、この秋も冬も、お気に入りのバッグが使えるのが、とてもとても嬉しい。


パリの暗い冬、差し色の赤は欠かせない。

気に入っていただけたら嬉しいです🍀