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アニメ 写真 文学 植物 登山 映画 です。

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「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(8)

9.キャラクター(3)DTM研の2人チア部の2人ときれいな対をなすDTM研の助さん格さんは,体格が良く色白でメガネの男子と,小柄で色黒の非メガネ男子,と,ルックス面では対照的な造形で示されます。 この2人も,変化の局面で拓実を後押す発言をするという,役割上もチア部の2人とまったく対称形をなしていますが,チア部の2人ほど目立つようには表現されていません。なにしろ野球部と一緒に甲子園に行って全国放送されちゃうかもしれなかったチア部が,「陽」の菜月の背景をなしているのと同じく,P

    • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(7)ここから後半です。

      ここまで,この作品のテーマというか,作者の表現意欲の核心みたいなもの,について書いてきました。ここからは後半で,キャラクターや,演出や,などなどのもっと細部について書いていきます。 7.キャラクター(1)菜月私は菜月を好感します。本作での彼女の造形は「拓実への恋慕と嫉妬」に集約されてて,うーん,なんかわかる,っていう気がします。 拓実を中学から2年も想っている一途さ。そこに現れたまさかの恋がたきは,無口な変人?だけど幼げでかわいい順です。その順がラブラブ光線を惜しげもなく

      • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(6)

        6.3 テーマの大局観全体をおおくくりに見ると,本作の内容の構造は重層的であると感じます。いくつかの層が重なっているのです。それを表面的な方から順に上げると,次の4層です。 ◇表 層:苦みも甘さもの学園青春ドラマ(青春てすばらしい&ほろにがい) ◇第1層:言いたいことがあるならはっきり言えばいいの。という「メッセージ」 ◇第2層:人は救済される(ことがある)。という「希望」 ◇第3層:人を動かす原動力のひとつは性的衝動。という「原理」 のようになっていると感じます。この作

        • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(5)

          5.4 エンディングはこだわりすぎか ミュージカルシーンが終わってからのエンディング,順・大樹,菜月・拓実の2ペアがそれぞれに告白がらみの言葉をかわす。この作者は本当に「対称性」にこだわるみたいですね。。。いかにも演劇っぽく感じます。ただ,大樹がここで告るのは普通の感覚からして唐突すぎて,急に「あれれっ」となりますわ。リアルさよりも対称性の維持を優先したのか。。。 んでもこれじゃ,せっかく「良い人キャラ」になってた大ちゃんが,「ヘンな人」認定されやしませんか・・・ ミュージ

        「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(8)

        • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(7)ここから後半です。

        • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(6)

        • 「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(5)

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(4)

          5.2 ヤマ場は急速にファンタジーに切替わりそしてその次に賛否両論の,というより多くの人が悪評する廃墟内での対話シーンが来ます。たしかにこれを現実に起こりうるかもしれない線で考えたら,まさかの逃亡も,行く先があそこなことも,拓実が建物の奥の奥で割と難なく見つけることも(つけたしに足跡の描写はあるけれど),拓実を見ても順が驚きもしないことも,すべてヘン,というか無理スジですよね。私もそう思います。 それまで素行不良のそぶりもなかった高2女子が,いきなり廃ビルの奥の奥に入って隠

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(4)

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(3)

          5.ヤマ場以降の各シーンを見てこの作品は,ヤマ場以降の各シーンについて,見る側がいろいろ(キレイに言えば→)能動的にかかわる,とか,脳内で補う,とか,(わるく言うと→)見る側が掬って(救って)やる,というふうな姿勢でいくとおもしろくなる,と感じています。見る側がその気になるか,「こんな自己中キライ」「話が破綻」で気持ちが離れていくか,は見る側次第です。 ここからは,ヤマ場以降の各シーンについて思ったことを書いていきます。なお「ヤマ場」とは,公演前日に順が偶然立ち聞きして学校

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(3)

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(2)

          3.本作の表現には象徴的おぜん立てが多い 本作の表現には,非常にリアルな身近なものと,そのモノは実在しうる・ありえるものであっても(たとえばラブホ,突然の告白)「そこでそれ使う?」的な,このお話のなかでの現実味が薄いもの=象徴的なもの=とが,まぜこぜに出てきます。 ■ラブホテル おやまぁ。いきなり小児とラブホの取り合わせですか... 本篇は,高校生の純愛ものじゃなかったの....  性的感情の象徴であるラブホが,始まりと終わりに出現して,円環をなしています。終盤,主人公

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(2)

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(1)

          プロローグ。 アニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」にハマっています。もう20回くらい見たような(最初はレンタルで,その後は購入したBDで)。 このアニメを見ると,語りたくなるんです。たぶん,「共感」とか「感情移入」とかではあまりなくて(少しはあるかもだが),「アニメっていうメディアがどういうものかが自分にわかってくる(という気持ちになる)という自分のなかのプロセス」が興味深い,のかな,と思っています。 ではどう「わかってきた」のか。それについて,他サイトに自分が長文で投

          「心が叫びたがってるんだ。」にハマって(1)

          遠望展望

          夏の磐梯山からみた吾妻連峰

          遠望展望