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ネオン街とぬるいコンクリート

蝉が死んでいた
確かに7月は7日を過ぎていて
もう一つの夏が終わってしまったのかと思った
いくつも打ち上がる花火の一つも見れないまま
私の夏は終わる

正直、花火は得意じゃない
一種の強がりから生まれた劣等感を肥大させる
大輪がなんなんだよ
冷凍みかんを頬張りながら見た地元の花火がもう何年も前の話だと言うことすら怖い
つまりはあれは単なる爆発なわけで
呑気に上を見ている周りの人間がよほど恐ろしく思える
そんなのは全て、前述した強がりであり
こんなに屁理屈なヤツと花火を見たいだなんて物好きは絶滅してしまった

7月7日にどうやら蝉が死んでいたらしく
過去の自分が教えてくれる毎日を
飲酒により萎縮した脳みそから引っ張りだしている
美しく生きて欲しいと一度でも嘘でも願われた私の人生を
どうにか真っ当しなければいけない
片時も忘れていない言葉が魂に刻まれている
暗闇を生きた私を引っ張り上げたのは
確かにあの日の私だった

私の腕を君の裾が撫でた頃
少しかけた月の明るさに照らされた横顔を見た

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