見出し画像

【限定公開】自分を壊さない生き方④

Kindle出版の内容を
マガジン連載で限定公開しています

私が自動車会社を20代で
辞めた経緯を赤裸々に書いています

前後編はマガジンでご覧いただけます

生き方に悩んでいる方に届いたら幸いです

3章 地獄の工場実習


・不満から始まった工場実習


新入社員には
4ヶ月間の工場実習がありました。

工場実習とは、
新入社員が製造現場を
現地現物し学ぶためのもので、
実際の自動車工場の現場で車を作ります

実習と名がありますが、
特別待遇などがある訳ではなく、
自動車の工場の1ライン工としてラインに立ち

現場のおじちゃん達と全く同じ仕事をします。
日勤や夜勤などの交代勤務もありました。

違う点は、
工場実習名目なので給与は初任給のままでした。

もちろん法律で定められている
深夜割増手当や残業代は支払われますが、
期間工のような特別手当はありませんでした

工場実習の期間は、
昔は2ヶ月間でした。
近年は人手不足の影響で
一昨年は3ヶ月間に延長され、
昨年からは4ヶ月間と
従来の期間の倍の期間になりました。

便宜上は
製造現場を学ぶための実習としていますが、
実際は人手不足を補うためのものになっています。

本来であれば4ヶ月の工場
での作業は『工場応援』扱いになり、
毎月かなりの応援手当が付きます。

私を含め多くの同期は
実習名目で手当を付けずに安い労働力として
働かされることに不満を感じていました


・幻想だったユートピア


当日の設計教育で精神的に
追い詰められていた
私にとっては、
ようやく地獄から解放されたと思いました。

しかし、
ここからが本当の地獄の始まりだったのです。

私は2019年12月
から2020年4月の間、
岩手県にある某自動車工場に赴任になりました。

これまで定時間のみのデスクワークと、
肉体的負荷の少ない環境から打って変わり、
工場でヘルメットや手袋、
安全靴
など全身に防具を付け、
1日中立ち仕事で残業も
毎日ある環境になりました。

工場は肉体的にはキツイけど
精神的には楽だと思っていました
それは大きな間違いでした。

自動車工場のラインは時間管理が
1秒単位で徹底されているため、
自分の作業が所定時間を1秒でも
超えると
後ろの人に部品が遅れ、
その後ろも遅れ…
ドミノ倒し式に遅れが出てしまいます

ラインで働いている全員が遅れると
周りの作業員に迷惑が掛かることを知っているため、
1秒も遅れが出ないよう必死に作業をします

一般的な工場の作業の説明をすると、
工場のラインは
ボルトを付ける作業は○秒、
部品を取り出す作業は○秒、
歩く歩数は○歩、
取り付ける作業方法など
全てが決まっています

作業時間にゆとりがあればいいのですが、
そう甘くもなく時間内に終わらすのにギリギリです。

1日の時間の中で残業含め
10時間以上作業をするのですが、
テキパキ動き続けなければなりません

常にギリギリの作業時間
時間に追われ遅れたらヤバい、
遅れたらヤバいと精神的プレッシャー
感じながらの作業です。

教育でも工場でも時間に追われる日々でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?