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巾着と大根の待乳山聖天さま

浅草寺の北東、隅田川に近いところにある待乳山まつちやま聖天しょうでんへ久しぶりに行ってみると山門が完成していた。今年の夏に落慶法要が行われたようだ。

ひろく待乳山聖天と呼ばれるが正式には本龍院といい、浅草寺と同じ聖観音宗の寺院。ご本尊は十一面観世音菩薩と大聖歓喜天。この大聖歓喜天は、略して歓喜天あるいは聖天と呼ばれる。また本龍院は浅草名所七福神の毘沙門天を祀る。御朱印は本堂で。

日中であれば本堂へあがってお参りすることができる。ここは是非とも大根を購入してお参りしてください。山門をくぐると左手に大根や供花が売られています。

巾着と大根は聖天さんのご利益を現わしているシンボルです。境内のいたるところで、巾着と大根を見かけます。巾着は福徳財宝、商売繁盛を現わしている。大根は無病息災を願う。
より正確に言えば大根は二股の大根が絡み合ったもので、これはちょっとエロティックなデザインですよね。桔梗之介がひとり妄想に走っているわけではありません。
もともと聖天さまの像容には、象頭人身の二体が抱擁している姿が少なくありません。二股大根には良縁や夫婦和合のご利益が込められていると言いますから、抱擁の像形が引き継がれていると思われます。
また、聖天さまは正しく願えば聞き届けてくれるが、間違えば逆に痛い思いをするとも言われる。

さて、待乳山聖天の境内にはイチョウの大きな木があります。
はやいもので、もうイチョウの実が落ちていた。銀杏です。ところが気をつけねばいけないのが、このイチョウの果肉は臭いにおいがする。踏んづけて靴にでもくっついたものなら、においが家までついてきてしまう。

銀杏は秋の味覚で好きな方も多いでしょうが、イチョウの実の果肉は困ります。すでにそこはかとなくにおいが漂っておりました。まだまだ木になっているので、これからお参りされる場合は足元にご用心です。

お参りの際に大根をお供えされることをおススメしましたが、聖天さまではその大根のおさがりをいただけます。これは商店の売り物ではありませんから、いついってもあるかどうかわかりません。桔梗之介は何度かおさがりの大根をいただいたことがあります。いづれも朝のうちの参拝でした。
これをタダで持っていく輩もいるでしょうが、お志は納めたほうが望ましいと思います。この日、桔梗之介も一本頂戴しました。

大根は似て食べることが多い。最近個人的流行の大根の食べ方は白だしと梅肉で煮たものです。大根の梅煮は「梅流し」といわれ、決められた食べ方をするとお通じに効果があるそうですが、単純に梅肉でサッパリとした煮物になるし、暖かくても冷たくてもいただけ、料理も簡単だから好みです。

ほかに、おでん、風呂吹き大根、ブリ大根、豚バラ大根、なんでもござれ。待乳山聖天では例年であれば年明け7日に大根まつりと称して風呂吹き大根が供される。おさがりの大根をいただいて、心身ともにデトックスな気分。

最後に、待乳山聖天の近くで作家の池波正太郎が生まれた。聖天に隣接する公園に生誕の碑がたつ。
最近は池波正太郎を読んでいませんが、一時期はまりました。『仕掛人藤枝梅安』や『真田太平記』が好きでした。

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