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2023年7月の記事一覧
ブローティガン「西瓜糖の日々」 語る前に、書きたくなる。それは死者たちのつぶやきへの弔い。
聴いて演りたくなった音楽。
食べて作りたくなった料理。
読んで書きたくなった文章…。
そして、そのように生きてみたくなった人。
そう行動したくなるもの。
目的、などという不純をもたらすものがないときに出会うもの。
それが自分にとっての本もの。
■「西瓜糖の日々」リチャード・ブローティガン/河出文庫
すべてがつまるところ他意に埋まり手段に堕ちる「目的意識」なるものから離れたいとき、手にし
内臓を次々と素手でつかみ出す『ジョゼと虎と魚たち』。田辺聖子の柔らかい剛腕、山田詠美のはだかのカミソリ。
自分を変えだすと孤独がはじまる。
さっきまで隣りにいたはずの人がいない。
よそよそしい視線が痛い。
寂しい思いもするが、それは自分が新しいステージに移った証拠。
だから、落ち着いてまわりを見回してみる。
そんな自分を、同じ気持ちで遠くからおずおずと見つめている目を見つけるだろう。
孤独は新しい出会いのはじまり。
『ジョゼと虎と魚たち』 田辺聖子/角川文庫
八篇の短編集。解説は山田詠美。