最期のギフト、受け取りました。
もう親はいない。確実に世代が交代した。
ここ数年、文句ばっかり言いながら介護していたし、特に何かを教えてほしかった、とかいうわけじゃない。でも、たとえすぐに忘れてしまうとしても、最後まで私が感じたことやちょっとうまくいった出来事をにこにこと聞いてくれる、一番の相手だった。
親を亡くすということは、精神的な支えを失うということなんだな。たとえ要介護でどちらが親だかわからない状態だったとしても、ただこの世に存在してくれていることに大きな意味があった…と、亡くして2ヵ月経った頃、ふと思った。
母が生きていた長い時代に思いを馳せてみると、戦争から令和まで、なんと厳しく大きな変化を経験してきたのだろう、と改めて強く感じた。そして、そんなすさまじい経験の欠片もしていない自分のような人間が、これから下の世代に背中を見せていかなければいけないことに、急にものすごい重責を背負ったように思った。
「覚悟」…またこの言葉が頭をもたげる。
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