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あなたはつねにメッセージを発している

 返報の法則は、簡単に言えば「与えたものが返ってくる」ということだ。人と関わる時の態度やスタイル、関わる度合いによって、自分に対する相手の対応が決まる。

 あなたは毎日、もっとも基本的なレベルで返報の法則を体験している。偶然知り合いに会って、「やあ、調子はどうだい?」と聞かれたら、きっと、「元気だよ。君は?」と答えるだろう。すると相手は、「元気だよ」と返事するはずだ。驚くようなことはなにもない。何気ない表面的な礼儀正しいやりとりだ。

 こうしたやりとりで、どちらかいっぽうが突然泣き出して、「前の晩、夫(妻)が愛人とベッドにいるところを見てしまった」と告白するなんてことは、めったにない。こういう対応は、いっぽうが礼儀正しく表面的な接し方をしている時には、まったく場違いだ。与えたものが返ってくるのが普通である。

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 同じような返報は、まったく違うレベルでも行われる可能性がある。「おや、動揺しているみたいだな。なにかあったのかい?」とたずねて会話を切り出すかもしれない。あなたは、やりとりをもっと深いレベルに持っていったのであり、たぶん、もっと心からの反応を得るだろう。より深いレベルで相手に接したのだから、より親密なやりとりを期待できる。

 人と接する時のスタイルや関わり方、レベルは無数にあり、状況に応じて使い分けている場合もある。とはいえ、世間から見たあなたの人物像の決め手となるパターンがつねにある。こうしたやりとりが積み重なって、他の人々のあなたに対する反応が決まり、ひいては世の中でのあなたの経験が決まる。

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 人にはスタイルがある。そしてあなたにもスタイル、存在のかたちがある。人が他人のことをそのイメージで表現するのを聞いたことがあるだろう。「彼は、特攻野郎だ」とか「彼女はオバタリアンだ」といった具合に。人生は闘争だと思っている人もいる。こうした人たちは敵対的で、かっとなりやすかったりする。そうかと思えば、踏みつけられるのを覚悟していて、実際にその通りの目に遭う意気地なしもいる。

 接し方によって、自分に返ってくる反応が決まる。あなたは、自分に対する人々の反応に不満を漏らしているかもしれない。だが本当のところは、あなたも他の人たちも、世間の反応を自ら決めているのだ。

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 自分の人との関わり方を正直に評価すれば、なぜ世間が今のような反応を返してくるのか、その理由がわかりはじめるだろう。

 この2番目の法則を認めて受け入れれば、あなたはもう犠牲者ではなくなる。そんな態度は、走っている車の中で1人ぽつんと座っているようなものだ。運転できないと、衝突事故を起こすのが目に見えている。ハンドルを握ろう。望みもしない経験に苦しむ代わりに、望む経験を意識と目的を持って作り出すのだ。

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きこ書房

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