大江千里さんの新刊本『マンハッタンに陽はまた昇る』が連れて来た日本の春
3月31日に、note内でエッセイを書かれているNYのジャズピアニスト、大江千里さんの新刊本『マンハッタンに陽はまた昇る 60歳から始まる青春グラフィティ』が発売日を迎えました。
『9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学』、『ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス』に続く第三弾。出版のお知らせがあってから、この日を首を長くして待ちわびでいました。
ところが、海外に住んでいると日本の書籍をどのようにして手に入れたら良いものか毎回頭を悩ませます。郵便事情が良くないので、実家からの荷物が途中で無くなってしまったことも経験済み。今までは、例え時間がかかっても確実に届く方法で、と託送をお願いすることが殆どでした。
1冊目の本は日本からいらした、元職場の上司に持って来て頂きました。
『9番目の音を探して』のCD(千里さんが自ら監修された、本と同タイトルの、ジャズスタンダードのコンピレーションのアルバム)や、たくさんの日本の懐かしい味と一緒にその本は届きました。
2冊目の本は、日本帰国の途中に立ち寄ったNYのジャズクラブ、「富ジャズ」で、ご本人様から購入するという幸運な機会に恵まれました。
そして、いよいよ今回発売になった3冊目です。1冊目(そして実は2冊目も)の時のように、家族にお願いして日本で確保、折をみて元職場に送って託送者を探す方法。もしくは、リスクを覚悟の上思い切って郵便で送ってもらうか。。
でも生憎のこのご時世。出張でこちらにいらっしゃる方など、当分いそうにはありません。そしてなんと、日本からブラジル向けの郵便(航空便、船便ともに)はストップしているとも聞きました。待つことには慣れっ子だった私とはいえ、流石に絶望的な気持ちになりました。
そんな時、同じく海外在住の千(里)友さんのSATOKODさんから有力な方法をお聞きしました。なんとAmazonから購入するのであれば、海外向けの発送もあるとのことでした。もう悩んでいる場合ではありませんでした。大きなチャレンジではありましたが、震える指を抑えつつ、ポチッと注文を完了させました。その後、ペンシルバニアのSATOKOさんの、発売日から3日で配達されたという感動的な記事を拝読しました。いよいよ期待が高まります!
注文時(3/30)の予想配達日は4/13。輸送に約2週間かかると予め知らされていました。日本からブラジルでは、人でも世界の何処かを経由しないと辿り着くことは出来ません。とにかく無事に手元に届けばそれで良い、と気長に待つことにしました。
常時tracking情報をチェックして分かったのですが、アメリカまでは本当に順調だったようです。hubであるオハイオ州のCincinnatiを経由して、4/1にはフロリダ州のMiami Gatewayに到着していました。あとは赤道を飛び越えてひたすら南下するだけ。これは予想よりも早く配達されるかも知れない。次々にアップデートされる情報を見ながら、そんな期待を持つようにもなりました。
チラチラtracking情報を見て待つこと一週間。イースターの休暇を間に挟んだせいか、このご時世で数日おきにしか貨物用航空機が飛ばないせいか、ここから先は来る日も来る日もtrackingのstatusは変わりませんでした。
まさか紛失⁉︎次第に嫌なシミュレーションをするようにもなり、いてもたってもいられません。何度かチャットで状況を確認しようと試みるも、思うような情報は得られませんでした。その間には夫が頼んだ中華鍋やら訳の分からない部品やら、私には何ら関係の無いものばかりが順調に配達されていました。あまりにも熱心にtrackingを確認する私を見て、ついに夫は「僕が出張中だった時より熱心に追跡している」とまで言っていました。まぁ、一大事なのでそうだったかもしれません。。
Miami Gatewayに荷物が到着して8日目を迎えたその日の朝、国際宅配便サービスに問い合わせのメールを送ってみました。それからあれよあれよという間に動きが見られました。メールが功を奏したのか、たまたまその時期が来たのかは分かりませんが、あっという間に荷物はMiami Gatewayを出発し、問い合わせの翌日にはSão Pauloに到着していました。それと同時に、宅配サービスのサンパウロ支店から、「営業日で数えて2日のうちに配達されるから引き続きサイトで確認して欲しい」、との返信を頂きました。
そして本日(4/12)にとうとう私の元にも待ち焦がれた荷物が届きました♡途中ヤキモキはしましたが、ほぼ予定通りの配達でした!trackingを見ると、発送元は私の出身地である千葉県市川市であると分かっていたので、待っている間そのこともとても嬉しかったのです。
ちょうど注文を終えた時、私の故郷ではソメイヨシノが満開でした。ヘッダーの写真はそんな様子を実家近くに住む弟が送ってくれたものです。満開の桜が咲く道を通って、本は空港まで運ばれていたのかも、と思うと色々な想いがあふれて来ます。(Chega de Saudade by João Gilberto♪)
半ば変形した外箱が、壮絶な旅を物語っていました。
箱の中で本が踊らないように、こんな梱包になっていました。
やっと3冊揃った本たち。『9番目...』の本は今まで何回も手に取る機会があったので、流石に年季が入っていますね。。
本の内容は、今まで千里さんのnoteの中で読んでいましたので全て知ってはいます。でも、手間隙をかけて校正されて一冊の本になったことは本当に感慨深いです。noteの中の投票で決めたカバー、坂本龍一さんによる帯のお言葉も含めて全てが宝物です。「紙の匂いも是非味わって!」と言ってくださった千友さん、本当に良い匂いですね!
学生時代からの友人に本の宣伝をしたところ、「成城学園前駅の三省堂で購入したよ♪」との嬉しいお知らせが写真と共に届きました。
その他、Twitter&noteの友人が、「エッセイを読んでアルバムに興味を持ったので、(6枚目のトリオのアルバム)『Hmmm』を購入しました!」とお知らせ下さいました。ありがとうございます!
今まで私と一緒にヤキモキ経過を見守ってくださった優しい千友さん達にも感謝!待っている間も、記事などでの情報発信をありがとうございました♡♡♡
千里さんのこちらのマガジンから、本のチラ読みが出来ます。購入を迷っている方はぜひ覗いてみて下さいね!
『マンハッタンに陽はまた昇る 60歳から始まる青春グラフィティ』は引き続きインターネット、各書店で絶賛発売中です。
【本日のサイドミュージック】
大江千里さんのドラムレスのトリオ編成のアルバム、Collective Scribbleのライブ映像(以前公開されていたものの、暫く検索出来なくなっていました。)をご紹介します。2015年の、ワシントンDCの桜祭りの時のものです。(於 Kennedy Center)
Senri Oe : Piano , Arun Luthra : Saxofone, Jim Robertson : Bass
ライブ丸ごとの映像(約1時間)がYouTubeで公開されているとはなんとも嬉しい♪映像も音もとってもきれいです。3枚目のアルバム、Collective Scribbleからの曲が主ですが、同アルバムと同時進行で制作されていた、ヴォーカル入りのアルバム「Answer July」からAnswer July、デビューアルバムである「Boys Mature Slow」からPND、アルバム未収録のPeaceも演奏されています。
千里さんのMCからセットリストを起こしました。
1. Akiuta
2. Dr. Dan’s Cure
3. E Love
4. Sand Wish (from Boys Mature Slow)
5. Scribble
6. Sketch
7. Wonder
8. Answer July (from Answer July)
9. PND
10.Peace ♡♡♡(←大好き)
冒頭の、日本国大使館の公使様の愛あるスピーチにもジーンと。
「どうしてそこまでしてジャズの勉強を始めたかったのですか?どうして日本で手に入れた全てを捨ててアメリカに来ることにしたのですか?それは充分に富を得たから?日本のショービジネスに飽き飽きしたから?」
との公使様の問いかけに対する、千里さんのお応えはこうだったそうです。
「少年の頃からいつも心にはジャズがあった。47歳になった時、やりたいことをやらずに後々後悔したく無いと思ったから。」
今までに何度も聞いて来たお言葉ではありますが、やっぱり泣けて来ます。。Senri Oe&大江千里さんファンの方は必見!ジャズ好きの方、音楽好きの方、ジャズには興味があるものの敷居が高いと日頃思っていらっしゃる方etc、お時間のある時にご視聴頂けたら嬉しいです。本当にオススメです‼︎
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