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ブラジルの大西洋の海〜Oceano Atlântico do Brasil

 先週急に思い立ってnote他、各snsのアイコンを変えてみた。これと云って大きな意味があったわけでもない。それまでのアイコンは、8年前のTwitterアカウント開設当時に適当に選んだスナップだった。

 サンパウロのGuarujá (グアルジャー)海岸での幼き我が子たちの後ろ姿。子供たちもすっかり成長して今が潮時かと思った。新しいことを始めるのに?お日柄はちょこっと気になったが、えいやっと実行に移す。

 新しいアイコンは、何年か前にサンパウロの山で撮った野生のリス。子供の頃、シマリス飼いだった私のお気に入りだが、いまだに自分のアイコンに慣れずにいる。「誰?この可愛い子は!」と本気で思ってしまう。

これがそれまでのアイコン。グアルジャーはサンパウロ市からほど近い州内の島にある海岸で、市内から車で1時間半ほどで到着する。

 サンパウロ市民なら、何度となく訪れる海岸なのだろう。我が家も例外ではない。子供たちの海岸デビューもグアルジャーだったと思う。

 こちらではサンパウロの街なかに住居を構えながら、週末、長期休暇用のセカンドハウスを持つ方も多い。夫の元職場の上司もそうだった。サンパウロにはアパート、グアルジャーに一軒家を持ち、ご自身やご家族の誕生日、まぁ何もなくても週末に庭でシュラスコ(BBQ)パーティーを開いてはお招きくださった。

日帰りも充分可能な距離だが、宿泊する時はホテルに。
お招きを受けたお家からでも、家並みやアパート群を越えたら直ぐに海が見える。海岸まで徒歩10分位だっただろうか。イメージとしては日本の鎌倉のような感じ。田舎街ではない。
旅先でも誰とでも友達になることが出来る社交性には脱帽。
とんでもなく泣き虫だったのに、いつに間にか親もとを離れて勝手に遊ぶようになった。どの写真にもこの小さな島が写り込んでいる。



🌊🌊🌊


 海水浴といえば車で気軽に行かれる海岸を目指すことが多かったが、時には飛行機でブラジル北東部の海岸を訪れたこともあった。北東部ではないが、新婚旅行の始まりに訪れたリオデジャネイロでは、ホテル前に広がるコパカバーナの海岸を恐る恐る歩いてみた。(残念ながら、アントニオ・カルロス・ジョビンのボサノバで有名な、イパネマ海岸の方ではない。)

 世界的な観光地であるリオデジャネイロは、サンパウロよりさらに治安が悪い。義母や、結婚式参列のために駆けつけてくれた日本の私の両親、チリの友人夫婦も同行していたため、海水浴タイムはスケジュールに入れなかった。

 訪れたことのある、その他のブラジルの北東部の海岸をざっくりとご紹介する。

(出典はうちにある地図帳)
赤い矢印が指す海岸は、サンパウロの右下、サントスからほど近いグアルジャー、リオデジャネイロ、(マークはないが)バイア州サルバドールから車で1時間半ほど北上した位置にあるコスタ・ド・サウイッピ(Costa do Sauípe)、ペルナンブッコ州のレシーフェ(Recife)、そして、リオ・グランジ・ド・ノルチ州のナタウ(Natal)である。一番遠いナタウで、サンパウロからの飛行時間は直行便でも3時間半ほどかかる。ブラジルの国土は広い。


ブラジル北東部の海

ペルナンブッコ州 レシーフェ&ポルト・ジ・ガリーニャス

レシーフェで宿泊したホテルのバルコニーからの景色。年間を通じて観光客で大賑わい。ブラジルとはいえサンパウロ以南の州は冬にはそれなりに冷える。でも北東部の海岸地方はまさしく常夏の楽園である。
ペルナンブッコの州都Recife(レシーフェ)から車で1時間ほどのところにあるPorto de Galinhas (ポルト・ジ・ガリーニャス)。レシーフェの海岸はビルが立ち並ぶ都会にあるが、こちらは完全なる田舎街。海の水の透明度は高く、自然の岩礁によって囲われている海水浴場はpiscina natural (natural pool)と呼ばれる。
Jangada(ジャンガーダ)と呼ばれる玩具のヨットのような船で、海を回遊する魚を眺めることができる。
露わになった岩礁。


リオ・グランジ・ド・ノルチ州 ナタウ

ホテルからの眺め。エメラルドグリーンの海。ブラジル、南米からはもちろん、北米、ヨーロッパ諸国からの観光客にも人気が高い。
ポルトガル語でNatalはクリスマスを意味する。12月25日に市が誕生したことに因んで名付けられたらしい。海岸だけではなくヘイス・マーゴス砦といった歴史史跡や、水族館などもあってちょっとした街散歩も楽しめる。
美しい砂丘のある海岸だった。砂丘へはBuggyと呼ばれる小型のジープのような車を使ったツアーで繰り出した。
少々大袈裟な演出。観光地でありがちか。。


バイーア州 コスタ・ド・サウイッピ

バイア州の州都サルバドールから車で一時間半ほど。わちゃわちゃと人が集まるサルバドールと比べると、のんびりとした田舎街の印象。
宿泊したホテル。七泊八日のゆったりとしたパッケージツアーだった。


ホテルの入り口。
この時はまだ家族は3人。娘も小さかったこともあり、ハードな予定は入れずにひたすらのんびりと過ごした。
Fazendinha(ミニ牧場)にて。
「今の私が乗れば、このポニーは潰れてしまうわ」と娘が言っていた(笑)
深いプールで溺れかけたとかで、その後は浮き輪は必須。
テニス好きで、娘に女子テニス選手の名前を付けた父による特訓。その後子供たちは、数年にわたりテニス教室に通うこととなる。
ホテルのチェックイン時。バイーア地方の民族衣装を身に纏った女性と。3歳になったばかりだった娘は、この旅行の記憶はほとんどないそう。
朝のビュッフェでお世話になったお姉さん。「Yuri、バナナを取って来てあげる」は毎朝のご挨拶代わりだった。もう一つのお気に入りは、冷えたココナッツウォーター。
これはお別れの朝、娘がお姉さんから頂いた手紙。なんとチュッとキスマーク入り💋
A big kiss from auntie Tayse with love
5歳の女の子のママだけあって子供の扱いが上手。小柄ながらパワフルでなかなかの美人さんだった。


 小さな子供連れの旅は病気や怪我などのアクシデントが心配されがちだが、無事に最終日を迎えることが出来た。(と思われた。)サルバドール発が夜だったため、荷物をまとめた後はレイトチェックアウトをお願いして、娘と夫は夕方まで最後の水遊びを楽しんだ。

 ホテルを循環するバスで空港に到着してチェックイン。荷物を預けて身軽になると、ハンバーガーで早目の夕飯を簡単に済ませることにした。出発時刻もゲートも分かっている。搭乗券は家長である夫に預けてすっかり安心しきっていた。

 ところが、食事を済ませて悠々とゲートに到着すると、搭乗すべき機体が見当たらない。不審に思い地上職の方に訊いたところ


「その便ならもう出ましたよ。何度もアナウンスしたのに。ほら、あそこ!」


 指を指す方向を見ると、滑走路の遥かかなた向こうにその飛行機が見えた。完全に出発時間を勘違いしていたのだった。こうなってしまったら仕方がないが、困ったことに荷物だけは先に出てしまった。

 翌日サンパウロの空港で荷物を受け取るよう手続きをして、正規の料金で翌朝のサンパウロ行きのチケットを購入、サルバドールの空港近くのホテルを予約してもらった。思わぬところで出費が嵩んだ。出発は朝8時。寝坊は決して許されない。

 夜のトイレトレーニングにまだ不安があった娘の紙オムツは、スーツケースでサンパウロに向かってしまったが、遅い時間で店も開いていない。もう腹を括るしかない。

 その晩はベッドにバスタオルを敷き詰めて万が一に備えたが、結局最悪の事態は免れた。パジャマどころか着替えもない状態だったので夜中に何度も点検し、夜が明けて心から安堵した。

 翌朝はサルバドールを定刻に出発、サンパウロで無事に荷物を受け取ったが......。濡れたままスーツケースに詰め込まれ、一晩放置されていた水着が悲惨なことになっていた。旅の最後に起こった一連のアクシデントは忘れられないエピソードとしてしっかりと記憶に刻まれたのだった。

 コロナが明けても、家族揃って海水浴に出かける機会はこれから先果たしてあるのだろうか、と写真を見ながらふと思った。若者たちは友達同士で出かけるのが楽しい年頃。海岸という特別な場所なら尚更そうではなかろうか。帰ってはこない遠い日々を思い返しながら、少しだけセンチメンタルな気持ちになった。



【本日のオススメミュージック】

 NYのジャズピアニスト、大江千里さんのtrioによる演奏で、Re:Vision。2019年リリースのアルバム『Hmmm』より。

Senri Oe (Piano)
Ari Hoenig (Drums)
Matt Clohesy (Bass)

 童歌を思わせるフレーズがポツッと入って、どこか郷愁を感じさせる曲。MVの撮影地となったこの美しい海岸は、ブルックリン南部に位置するコニーアイランドと記憶している。ポップス時代のMV(YOUと夏の決心)をオマージュするカットも入っていて、遊び心もある映像となっている。制作者は若き精鋭、Jun Shimizu監督。

 NYもアメリカ大陸の東海岸で、大西洋に面している。遠く離れていても海も空も世界中で繋がっている。


【ニューアルバムリリース耳寄り情報】

 大江千里さんはポップス時代のキャリアから数えて、今年デビュー40周年を迎えられる。(しかも、昨年、2022年にはNYでジャズピアニストとしてデビューされてからも10周年を迎えられた。)この記念すべき年に、待望のニューアルバムが発売される。(詳しくはサイト↓をご参照。)

 世界に先駆けてライブがあるのは、やはり地元NY!老舗のジャズクラブ、Birdland Theaterにて‼︎お近くの方、6月にNYに旅行のご予定のある方は、是非会場に足を運んで生演奏を楽しんでいただきたい。

 アルバムの曲は今のところどれも未公開。ボサノバとして?ブラジルポルトガル語のタイトルが付いた曲もあるので、リリースがとても待ち遠しい♡♡♡

【追記】
2023.6.30
Class of ´88は全世界に向けてリリースされました。

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