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カーニバル後の日常

 ブラジルは先週の「灰の水曜日」を最終日に、カーニバル休暇の喧騒がやっと終わりました。結局私は、リオのメインのサンバパレードの様子(20日、月曜日の深夜)を少しだけTVで視聴するに留めました。偶々ニュースも観なかったために、リオもサンパウロも、どのサンバスクールが勝ったのか知らないままに。検索すればもちろん分かるのですが。まぁ、こんな年があっても良いかな。

 ちょうどカーニバルの休暇中に、サンパウロ州は豪雨による洪水に見舞われていました。特に酷かったのは北部の海岸地方。地滑りが発生して地元の方や、休暇で訪れていた観光客の方などが犠牲になられたそうです。連日の豪雨で街道が塞がったり、二次災害の危険性があることから救助活動がなかなか捗らなかったと聞きます。災害から1週間が経った先日、地滑りで両親を失いながらも生還を果たした幼児の映像が流れ、殊更涙を誘いました。おじさんの胸に抱かれたその男の子が、全てを理解するにはもう少し時間がかかりそうです。


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 カーニバルが過ぎれば間もなく秋の訪れ、とは昔義母がよく言っていました。でも、割合と過ごしやすかった夏の盛りから打って変わり、今になりようやく30℃前後の最高気温の日々が続くようです。それでも朝晩の気温は20℃ほど。エアコンを稼働させずとも寝苦しさを感じることはありません。又、こんな気候でも蒸し暑さが感じられないのは日本の夏とは大きく違います。日差しは強くとも、日陰や屋内に居ればひんやりとした空気感。空気自体には熱気が感じられないので、外出が億劫というほどではありません。

 昨日の朝早くには、まるで秋空を感じさせる雲が空に広がっていました。少し時間が経てばお天気もどうなるかは分かりません。雨が降り出す前に公園へ歩いて行ってみることにしました。

早朝にはこんな雲が空一面に。
いつもお見せする、ベランダからの風景にも登場する公園に続く一本道。赤ん坊だった娘が、この道に差し掛かると必ず奇声を上げて行手を阻んでいました。この少し先を右に折れて坂道を上がると墓地があります。その向かい側は子供たちが通った日本語学校。


 夫は後から車で来るとのことで、この片道1.5キロは私にとって自分のペースで自由気ままに歩ける時間を確保出来るワケです。キョロキョロしながら歩いていると、例の宿根アサガオが以前と変わらず見事な青紫色の花を咲かせていました。日本ほどの季節の移り変わりは期待できない国ではありますが、やはりその時期に育つ植物は必ずあるものですね。道端に逞しく育つオシロイバナ、特に白い花色のが清楚で美しく見えました。いつかべランダの花壇用に種をいただきたいけど、覚えていられるかな。

 公園に着く直前に、二人がかりで7、8頭のワンコたちを連れたペットショップの店員さん達に遭遇。それぞれに気ままな歩調で歩くワンコたちのお世話、お疲れ様という気持ちになりました。

 園内に入ると早速目に飛び込んで来たのは、自分の何倍もの体格の大型犬に吠えかかる小型犬。リードで飼い主と繋がっているからなのでしょう、安心して気が大きくなっているようです。

「体の大きさの違いをわきまえなさい」

と飼い主さんが笑いながらワンコに話しかける様子にもほっこりします。 それを聞くウォーカーにも笑みが溢れます。そんな時の大型犬は小型犬の挑発に応戦などせず、寛大なことにはいつも感心します。人も是非見習いたい優しさですね。

連日の豪雨で豊かな水をたたえた池。別の地で大災害が起こったとは感じさせない長閑な様子です。

 一人で林道を2周して森林浴を楽しみ、下道、周囲1キロの池の周りを歩きました。池の小さな浮島に目を向けると、何か鳥がいる様子。ズームして確認したところ、青鷺であることが分かりました。(ヘッダーの写真。)以前、日本の方から見せていただいた青鷺。園内で白鷺は見かけるものの、青鷺も棲息していたとは!優雅に羽繕いする様子に暫し見惚れてしまいました。ポルトガル語ではgraça-moura (グラッサ・モウラ)と云うそうです。池には鮒や鯉がウヨウヨと泳いでいますので、水鳥たちにとってはこちらは楽園なのでしょう。

 いつもの餌場にピカパウ(キツツキ)くんを発見。でもカメラを向けたら気付かれて逃げられてしまい残念。我が家のベランダにもやってくる、オナガミドリインコは元気にフルーツをつついていました。

相変わらずつぶらな瞳が可愛らしいオナガミドリインコ。
羽根と尻尾の先が青く色付いて美しいインコです。(いつか撮った写真より。)


 餌場のすぐそばの木々ではインコたちの大合唱が聴こえていました。でも、相当数の団体さんなはずなのに目を凝らしてもどこにいるのかよく分かりません。

 アプリからで、ご覧になれない場合はこちらのリンクから↓

https://vimeo.com/802310852


 そうこうしていううちに遅れて到着した夫と合流。しばし一緒に歩きました。腰痛持ちの夫には歩き過ぎは厳禁なようで、3キロほど歩くとストレッチをするために器具のある場所に移動します。私はそのタイミングで公園をちょっと離れて、近所の韓国マートで日本米を物色することにしました。

 昨今の激しい物価上昇で、日本米の価格も例外なく上がってしまいました。(日本米と言っても、ブラジル産か、近隣諸国産のジャポニカ米です。)色々な店で価格を見比べて、同じ品物ならなるべく安い価格で手に入れたいもの。毎日いただくお米となればなおさらリサーチに力が入ります。その近所の日系のマーケットでは、既に価格が上がっていることが分かっていました。果たして韓国マートはどうか。

 結果は惨敗でした。どの銘柄も今までの30%増しの価格に設定されています。ササニシキなる、日本米の銘柄を謳ったものについては、その他のブランドの更に2倍の価格で驚きました!確かに短粒米で日本の米の品種に近いのかもしれませんが、原産国は自国(ブラジル)です。輸入コストもかかりません。それぞれ5キロ入りで大容量というわけでもなく。その価格設定には首を傾げるばかりでした。

 結局今まで買ったことのない、若干価格の安い中粒米の物を購入。味に問題がなければそちらをしばらく試そうと思っています。一度値上げされてしまった商品は、もともとインフレ傾向のあるブラジルでは元に戻ることはまずないと考えられます。米の消費量が多い我が家ではこれからの暮らしにますます影響が出そうで悩ましい限りです。夫婦二人暮らしだったら、味重視寄りに検討しても良いのですが。海外組の皆さんの居住国ではこんなことはないのでしょうか。

 5キロの米袋を下げて公園に戻る頃、右膝の不調に気付きました。もともと早足の夫に付いて行くのも必死に。この日の歩数は11000歩ほどで、それほど無理をしたつもりではないのですが。そんな訳で本日日曜日は大人しく家で過ごしております。(トホホ)



【本日のおすすめミュージック】

 昨日のウォーキングのお供は、以前にもご紹介したこちら。ジャズスタンダードのコンピレーションアルバムでした。

 その中でも特に琴線に触れたのはMisty。Ray Bryantによる演奏です。この曲を作曲したErroll Garnerは、独学でジャズを学び、譜面を読むことが出来なかったそうです。この曲は移動の機窓から見えた霧に霞む景色から、頭に鍵盤を思い浮かべて作曲したのだとか。ご本人によるダイナミックな演奏の方を貼り付けました。

 ピアノの演奏で聴くことが多かったこの曲ですが、検索で見つけた、Sarah Vaughanのヴォーカルも流石の貫禄で素敵でした。MCを聴いたら、この日は風邪を引いていたとのことで、額に汗を浮かべながらの熱唱です。こちらももしよろしければ。

PS
今回は呟きにしようと思っていたのに、結局長くなってしまいました。いつもお付き合いをありがとうございます(^^)

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