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「プロですよね」と言われて、

先日からうまくかみあっていない広告案件がありましたが、今日あっさり決着しました。他の業界でも通じる話かは分かりませんが、何かの参考になれば幸いです。

とあるキャンペーンの広告の依頼を社長さんからいただき、いつもなら直接その社長さんと打ち合わせして校正のやりとりをさせていただくのですが、スタッフの方が窓口になることになりました。

文字とラフなイラストを使って用意してくれたエクセルか何かの原案を元に、内容を整理して構成した上でレイアウトを組んで初校を出したのですが、結構な直しが返ってきました。

その指示通りに2回ほど修正を加えましたが、どんどん変なものに。

そこを乗り越えてより良いものを提案するのがベストなわけですがそこまでは対応ができず、最終的に担当者からの電話で「プロですよね、内容が良くなくてガッカリしました」との評価をいただいたわけです。

こういったすれ違いは、珍しいことではありません。「すみませんねぇ」と、感情は込めながらも深刻にはならずに、改めて要望を聞いていくと、先方も頭の中の完成形をどう表現したらいいのかが分からないといった状況でした。

こういった場合には、初校が一番いいと思うんだけど、という思いは封印しつつ「改めて考えてみますね」と電話を切り、次の手を打ちます。

経緯を知らない部員に「助けて欲しいんだけど」と声をかけて、現状の広告に対する客観的な意見を求めます。そのとき余談にはなりますが、精神を落ち着かせるためにちょっとだけグチります。

で、改めて先方からの要望を整理して、初校とも最新校とも違う、全くの別案を作ります。制作の手間が余計に掛かるのが申し訳ないところですが。

その際、途中の過程で言われた直しの指示は、頭の片隅にあるくらいでちょうど良いです。

ただし「写真は小さくて良い」など具体的な指示はきっちり拾いましょう。
Aを上に移動して、Bの書体を別のもので、といった感覚的なアイデアレベルの指示は無視しましょう。こちらの方がそれこそレイアウトについてはプロなので、どこを一番目立たせたいのか、広告の目的は何なのかを、今一度頭に置いて組み立て直さなければなりません。そこは真剣に考えましょう。

さらに余裕があれば「このイラストはかわいいからいいと思うんですけど」といった主観の要素は、取り入れてあげると喜ぶと思います。

「プロですよね」と言われて、あまりいい気持ちにはならないと思いますが、どう言えば伝わるのか先方も苦しんでいる場合が結構あるものなので、汲みとってあげられるようになると、失敗も大成功に裏返ったりします。

最初からバチッとハマるものを作りたいと考えてはいるんですけどね。

まあ、失敗が大失敗のままフェードアウトすることも、あるにはあるので、ギャンブルと言えばギャンブルですが。

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