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大好きな記事まとめ

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#映画

「神様が人間にくっつけた病気だったら光栄じゃないか」 ハンセン病療養所で86年暮らした96歳の宮﨑かづゑさん、映画に

岡山県にあるハンセン病療養所長島愛生園で暮らす96歳の宮﨑かづゑさん。 ハンセン病とともにあったその人生と生活を記録したドキュメンタリー映画「かづゑ的」が3月2日から全国で順次公開される。 観客は、膨大な読書量に裏打ちされた豊富な語彙力、決然とした生き方に圧倒され、気がつけばかづゑさんがハンセン病により手指や片足を失っていることを意識しなくなっている。かづゑさんは唯一無二の「かづゑ的」な存在だ。 みずみずしい筆致でつづる「いかに愛されたか」 「三池 終わらない炭鉱<や

映画「PERFECT DAYS」〜かけがえのない毎日に、言葉はいらない

やっと観てきました「PERFECT DAYS」 ヴィム・ヴェンダースの映画を観たのはいつぶりだろう…と思い返したら「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」以来だった…。 なんとあれから20年以上も経っており、浦島太郎にでもなったような気分。 上映開始40分前に、いきなり夫が映画に行こうと言い出し、体感温度マイナス20°の中、ツルツルに凍った道を小走りし滑り込む勢いで映画館に到着したものの、慌てて家を出たので、普段はかけてない眼鏡を忘れてきてしまい、スクリーンがぼやけてほとんど見

「PERFECT DAYS」人を幸せにする持続可能なモノ作りの3つのヒント

「PERFECT DAYS」は、シンプルに楽しい至福の映画体験だった。  長年ヴィム・ヴェンダースの映画を観てきたが、これほどわかりやすく心に響いた映画はなかった。  私はこの映画からストレス社会から抜け出し、人を幸せにする持続可能なモノ作りの姿勢や楽しさを改めて教えられた。 ①日常の観察から生まれる心の安定と優しいまなざしを持つ事  「PERFECT DAYS」はトイレ清掃作業員の日常が繰り返し描かれる。 主人公平山の日々の観察から生まれる心の安定と優しいまなざし。その

Chet Baker〜ブルー ヴァレンタイン ジャズ

2月14日は、こちらの国はヴァレンタインデーではなく「友だちの日」だ。 愛を告白する日でも、恋人同士が愛を囁き合う日でもなく、女性から女性、男性から男性、女性から男性またはその逆などなど、親しい友人にクッキーなどほんのちょっとしたものを贈る日なのだ。それもけっこう最近のことで、その前は只の普通の日だったので、そんなに定着もしていない。 あくまでも欧米の商業主義には迎合せず(いちおうヨーロッパなんだけど)我が道をゆくこの国(笑) 日本のヴァレンタインデーは盛り上がってますよね

消えた映画館、おばあさんとストーブと源さんの事

1980年代大学生の時、大阪の吹田映劇という映画館で映写技師のアルバイトをしていた。飄々としてお洒落でユーモアのある支配人が好きだった。  不思議な映画館で、普段は主に洋画のピンク映画を上映しているが、毎月、何日かは映画サークルに貸して主にヨーロッパのアート系映画を上映していた。  忘れられないのはオールナイトのルキノ・ヴィスコンティ特集「ベニスに死す」「ルードウィヒ 神々の欲望」「家族の肖像」等。その日だけ、普段来るはずのないおしゃれで美しい女性がつめかけた。私も観客と

「パリ、テキサス」と「東京物語」、心の空白と風景(世界)の光の物語

 10月23日(月)から始まる東京国際映画祭「小津安二郎の生誕120年、没後60年記念」で、小津監督の35本の映画がアーカイブで上映されるという。  コンペティション部門の審査委員長は、ヴィム・ヴェンダース。  映画「ベルリン 天使の詩」は「全てのかつての天使、特に安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」と、映画監督:小津安二郎、フランソワ・トリュフォー、アンドレイ・タルコフスキーに捧げられている。  この機会にヴィム・ヴェンダース監督と小津安二郎監督、二人の共通点を「パリ、

映画「怪物」〜人は、見たいものだけを、見たいように見ている

ずっと観たかった映画「怪物」 実は、昨年の一時帰国の際に飛行機の中で観ることが出来たのだけど、途中何度か機内アナウンスが入り画面が中断したりで集中出来なかったこともあり、観終わったあとも混沌として感想がまとまらず…。 今こちらの国ではやっと上映が始まりもう一度観たので、今頃だけど感想を書こうと思う。 あらすじについては、note内でも沢山の感想記事があるので割愛する。 まず2度観た最初の感想は、 "人は無意識に、見たいものだけを、見たいように見ている" ということ。 それ

Dito

朝、パートナーを見送るために、玄関までついて行った。 いつも通りにハグをする。 ドアを開けて数歩踏み出したパートナーを、その日私は引き止めた。 ねぇ、今すぐに、緊急で伝えないといけない事を思い出したよ! 私は声に鷹揚を付け、ちょっぴり大袈裟なジェスチャーをしながら、そう言った。 なぁに? パートナーは怪訝そうに振り返る。 あのね、私はあなたの事が、大好き! 怪訝そうな顔は、一瞬のうちに笑顔に変わった。 そして、私の目の前まで戻ってきて、鞄を床に置き、私の頬を丁寧

みる「心と体と」・きく「What He Wrote」ローラ・マーリング(転記)

【イギリスSSW】 映画「心と体と」。 イルディコー・エニェディ監督(2017・ハンガリー)のエンディング曲。 はじめてローラ・マーリングを聴いた。 この動画は、その映画の切り取り。 (上記動画が見られなくなったため、  今回、記事自体を移し、予告篇を貼り付けた。2023/10/ 1) 食肉工場で働いている管理職、派遣で働く事になる女性。 その二人が、自分らでも知らないところで会っていたのは、 夢の中の(実在しない)沼のほとり。 彼らは、雄鹿、牝鹿として会っていた。

「まつもtoなかい」出演の吉永小百合から学ぶ品とは?情(人を先にする心)と距離感

1.吉永小百合の品①情(人を先にする心)  吉永小百合の「まつもto なかい」を見て、彼女の品の根本に(薄い)情「人を先にする心」があると感じた。  この言葉は、もともと私の大好きな上方落語の桂 枝雀師匠の「薄い情」の事。「薄い情」は「薄情」に誤解されそうなので、この記事では単に情「人を先にする心」と明記した。  枝雀師匠の「薄い情」は落語の登場人物の情についての話だが「厚い情」より「薄い情」を上等とする。なぜ落語?と思われるかと思うが、大げさな表現を嫌う控えめな日本文化

目録の目録であったり(2024/ 1/27更新)

【空】まず朝の空を見たい ☀    マガジン 自然をみる|naka|note 【本】今、聴きたい音楽を選ぶように、本を選びたい ✰    マガジン 千夜千冊を読んで書く|naka|note   マガジン 千夜千冊以外も読まずにいられない|naka|note    目録 千夜千冊すこしよんだ|naka (note.com)    目録 林 秀彦 氏の著書|naka (note.com)    【鳥】川辺の鳥に出会いたい ✤     鳥の写真は難しい。 【音楽】音楽

映画ジョーカーと共に来た新しい時代の到来について

今更ですが「ジョーカー」皆さんご覧になりましたか?何故ここまで支持されたのか?私はしっかり感動したので個人的な感想を書きたいと思います。ネットでも色んな解説がありましたが納得できるものが無かったので生意気なようですが書きたくなりました。 ネタバレはありますが、話は随分と翼を広げました。。 思いがけず長くなったもので、お暇な時にでも読んで頂けたら嬉しいです。 凄い映画でしたね。まず、主演のホアキン・フェニックスさんにぶっ飛ばされました。その魅力に。 芸術には少しの狂気は

静かな朝ごはん。

映画の効果音を演じて録音するという変わった仕事をしています。その仕事柄、私がなぜ朝ごはんのメニューを気にしているのかというお話です。 私は毎朝、仕事場であるレコーディングスタジオへ行って、マイクの前に立ちます。と言うと、歌手がヘッドフォンをして、鼻のあたりにぶら下がったマイクに向かってその声を録音するイメージが浮かぶかもしれませんが、私の場合は違います。私達が録音する効果音の多くは手元、足元で発生しますから、私の前に置かれるマイクは、足音を録る時以外、常に手元に向けられてい